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『家族ゲーム』The Family Game監督 森田芳光
出演者 松田優作
1983年6月4日
106分
森田芳光監督の代表作
キネマ旬報ベスト・テン第57回(1983年)
日本映画ベストワン受賞作品。
『家族ゲーム』です。
ちなみに
嵐の櫻井翔主演でドラマ化された家族ゲームも大好きで
毎週録画して見てます。
無音の不気味さ
この映画、最大の特徴といえるのが
『この映画には音楽がない』ことその代わりに食事中の
ガチャガチャとした食器の音や
玉子の黄身をズルズルすする音が耳障りなほど響きます。
日常の音をここまで生々しく使う映画は珍しく
森田監督の思惑通り、見る者を不快にさせます。
松田優作ってのもありますが、セリフのほとんどは聴き取りにくく
登場人物たちの表情も終始薄っぺらで
一体彼らが何を考えているのかが見えません。
そもそも自分の事以外、何も考えていないのかもしれません。
どこまでも不気味な演出ですが、
不思議と笑えてくるんです。自分にしか興味がない人たち
受験戦争の真っ只中。
沼田家の問題児(宮川一朗太)に、
家庭教師(松田優作)がやってくる事から物語が始まります。
この家庭教師のおかげで成績は上がって行きますが
家族それぞれに問題があり、そこには愛情や絆なんてものは存在せず
見せかけだけの家族だった事が浮き彫りになっていく様子が描かれています。
無関心、いじめ、学歴社会など、さまざまな問題を抱えた家族と
それを小馬鹿にしたような松田優作の演技が冴えます。

クライマックスの暴力映像は映画史に残る名シーンの一つだと思います。
異様な空気のシーンがたくさん
有名なのは
横長の食卓に家族一列に並んで食事するシーン。誰ひとり正面に人がいない状態で食べ続ける映像は
上映当時に話題になったようです。
また、弟が留守の間に、母親と長男がイチャイチャしながらレコードを聞くシーン。
これがまた薄気味が悪かったです。

弟が帰ってきた瞬間、長男は母に冷たくなります。うわぁ・・って感じです。
極めつけが
謎だらけのラストシーン。これはネタバレになってしまいますので書きませんが
当時様々な解釈があったようです。
是非ご自身でご確認ください!
若かりし
戸川純が隣の奥様役で出演していますが、なかなかの存在感です。

この感じ!いいなぁ。