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『SOMEWHERE』 ソフィア・コッポラ監督の金獅子賞受賞作品!浮遊感のある意欲作

eiga073.jpg
『SOMEWHERE』
サムウェア


監督・脚本・製作  ソフィア・コッポラ

製作総指揮  フランシス・フォード・コッポラ

2010年
アメリカ
98分



ソフィア・コッポラが来日!

第26回東京国際映画祭で
特別招待作品『ブリングリング』が上映されました。
『ハリー・ポッター』エマ・ワトソンが主演という
なかなか興味深い作品です。

前回の来日は今日紹介する映画
SOMEWHEREのプロモーションの時です。
彼女は親日家なんですね。
本作は第67回ヴェネツィア国際映画祭で
金獅子賞を受賞しました。
これがまた、なんとも不思議な映画です。


終始漂う空虚な雰囲気 多くを語らない静かな物語


簡単なあらすじ

映画のスター、ジョニー・マルコは
高級ホテルで生活している。
毎晩のようにパーティに明け暮れ
フェラーリを乗り回す彼の暮らし。
誰もが憧れる成功者のように見えるが
彼の心はいつも空っぽで
何をしても満たされることはなかった。

somewhere06.jpg
ある日、離婚した妻から連絡がある。
娘のクレオを一日預かってほしいというのだ。
久しぶりに会った娘は美しく成長していた。
マルコは娘をスケート場に連れて行き
気持ちよさそうに滑る娘を見て
彼女の成長を感じるのだった。


娘との時間はあっという間に終わり
再び忙しくも空虚な生活が始まる。
退屈な取材、共演女優との情事
パーティー、撮影準備...


ある日、クレオがマルコ部屋にやってきた。
母親がしばらく家を空けるので部屋に泊めてほしいというのだ。
忙しい日々の中、限られた時間を娘と過ごす事で
マルコは失いかけていた感情を取り戻していく。




まず驚かされるのがオープニング。
砂漠に設置された定点カメラの前を
高級車のフェラーリが突っ切る。
しばらくするとまたフェラーリが通り過ぎる。
同じ場所をグルグル回っているようです。
何度も繰り返される短調な映像。
ようやく止まったかと思うと
一人の男が車を降りる。
この映画の全体を支配する
空虚なイメージを象徴するシーンです。

そこからは本当に無意味な映像の羅列。
なにも変化のない長回しや
これといって意味を感じないザクザクしたカット割り。
観ているこちらが不安になるほどです。

そこである事に気がつきます。
この男には語るべき日常なんか無いんだという事。
世間ではセレブとチヤホヤされてますが
一人の時間はこれほどまでに空虚なのだという事。

そしてオープニングの映像の意味を理解します。
セレブにしか乗れない高級車に乗ってますが
砂漠をグルグル周回しているだけ。
無意味で空虚。俺は何者でもない。
主人公の心は、底がないバケツのように
何をしても満たされる事はないのです。

映画の撮影時に使う何かを作るために
頭の型をとるシーンがあります。
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こんなシーンを長回し(笑)スターって大変。



それと対をなすように
娘と過ごす時間は輝いて見えます。
何気ない会話、食事
テレビゲーム、プール、トランプ
娘は忙しいマルコを気遣いながらも
限られた時間を父と過ごす事ができる喜びで
毎日笑顔。これがまた凄く可愛いんですよねー。
そして父はそんな娘を愛しく感じます。

マルコを起こさないように
朝食を作るクレオが可愛い!
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エッグベネディクト!セレブだなぁ~。
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美味しそうに食べる父を見てこの笑顔!


プールでふざけあう二人。
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楽しい時間が過ぎていく。


もしかして主役は娘? ソフィアの幼少期の思い出


本作はソフィアの幼少時代の思い出から
着想を得て作った物語だそうです。
生まれながらのセレブである彼女だからこそ描ける
満たされない空虚な生活がリアルです。
贅沢言ってんじゃねぇよ!って気持ちもありますが(笑)

父親であるマルコ目線で物語は進みますが
確実に娘が軸になっており
主役はマルコではないのでは?と感じさせるほど。
それはやはりソフィアの分身とも言える
クレオへの思い入れがそうさせているのでしょう。

父が娘との触れ合いによって
自分らしさを取り戻していくのですが
ソフィア目線で考えると
『私を大切にする事で父が自分らしくいられる』という
理想の父を描くファザコン映画(笑)
だからこそ妙にリアルなのかもしれません。

例えばスケート場での表情の変化。
最初は携帯をいじったりしてますが
徐々に娘に魅せられていきます。
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映画が始まってようやく見れたマルコの笑顔。

娘も遠くでニッコリ。
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心がつながり合う瞬間です。




大きな展開はなく、これからどうなるかも描かれていません。
この映画を退屈と切り捨てる人も多いでしょう。
しかしこの映画の『退屈』は絶対に必要な『退屈』。

前作『ロスト・イン・トランスレーション』では
大スターが知り合いが一人もいない異国で
アイデンティティを見失っていく姿を描きました。
『SOMEWHERE』もその延長上に位置する作品です。

この二作で決定的に違うのは
『ロスト~』では『空虚な生活』を受け入れますが
本作の主人公は『空虚な生活』に絶望しながらも
娘との時間で何かを取り戻そうとする所。
似たようなテーマではありますが
全く異なる空気感があります。


ソフィア・コッポラといったら音楽!今回も最高!


デリバリーポールダンサーが
フー・ファイターズ『マイヒーロー』
踊り狂うシーンは爆笑!
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しかもマルコ寝てるし!必要以上に長回し!

親子がプールで遊んでいるシーンでの
ザ・ストロークス『I'll Try Anything Once』も印象的。

ポリスの『ソーロンリー』に合わせて
親子で音ゲーをやってたりと
さりげなく聴き逃せない名曲を放り込むセンス!

ブライアン・フェリー『煙が目にしみる』も素晴らしい!

本作はセリフが少なく、無音の状態が多々あるのですが
そこに気の利いたサウンドが差し込まれる事で
そのシーンを印象的なものにしています。
ソフィア映画のサントラは当たりばかりですねー!

これだけ豪華なメンツをまとめるのは不可能だったのか
オリジナルサウンドトラックの発売はありませんでした。
きっと色々事情があったんでしょうね。
ちょっと残念です。



満場一致で金獅子賞となった本作。
ソフィアならではの美しい映像と
無音と退屈を恐れない挑戦的なカメラワーク
印象的でセンス溢れるサントラ
時々見せる笑いのエッセンス
出演者の魅力を最大限まで引き出す演出は見事。
夏に観たくなる映画がまた増えました。








[ 2013/10/23 13:38 ] ドラマ | TB(0) | CM(0)

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