『惑星ソラリス』 睡魔との戦い?映画通が推薦する超難解SF

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『惑星ソラリス』
Солярис


監督 アンドレイ・タルコフスキー

1972年
ソビエト連邦
165分



絶対に眠くなってしまう授業がありました。
その先生が嫌いなわけではなく
その教科が嫌いなわけでもない。
先生の喋り方と、教室に漂う空気感が一体となり
『眠りのスイッチ』をポチっと押されたように
まぶたがどんどん重くなってしまう…

それと同じく何故か寝てしまう映画があります。
私の中では『イージーライダー』
この『惑星ソラリス』です(笑)

イージーライダーは何度か挑戦し
無事に眠らず鑑賞できました。
どうにかこの『惑星ソラリス』を鑑賞したい!

ポーランドの作家スタニスワフ・レムの
『ソラリスの陽のもとに』を
タルコフスキーが映画化。
ソ連製SFの代表作と言われています。
『100人の映画通が選んだ本当に面白い映画』
ランクインしている
映画ファンなら必見の作品です。


超難関!第一部の壁 迫り来る睡魔との戦い


久しぶりにDVDを再生します。

メインテーマ曲
『われ汝に呼ばわる、主イエス・キリスト』が流れ
タイトルロール。タイトルロール。。。
タイトルロールが長い(笑)
早くも嫌な予感がします。


未知の惑星ソラリスを調査中の宇宙ステーション。
そこで異常事態が発生する。
原因究明のため科学者クリスが派遣される。
到着したステーション内は荒れ果て
先発していた科学者は狂気の淵に立たされていた。
そしてクリス自身も衝撃を受ける事となる。
数年前に自殺したはずの妻ハリーが現れたのだ。
だがそれは、人間の意識を反映して具現化させる
ソラリスの海の仕業だった……。

というお話です。(かなり省略しましたが)

さて、この映画は二部構成になっています。
一部は地上での現実、宇宙への旅立ち
ソラリスで起こっている異常事態を知るまで。
二部は、惑星ソラリスの謎と
死んだはずの妻を愛してしまうクリスの苦悩
そして衝撃の結末までを描いています。

…とは言ってもキチンと分かれているわけではなく
割といいところで急に二部が始まります。
この二部構成って意味あるのかな。。。

さて一部ですが…

この一部が大きな壁です。

一個一個のシーンの長さが凄い。
間を恐れない大胆な長回し!
全然話が進まない!

眠くなる原因

・登場人物の説明がない(こいつ誰?)
・会話が難解(科学者ですから)
・モジョモジョしたロシア語(気持ちいい)
・物語の後先が不明瞭(いつの間にか宇宙に到着)


意図的に退屈させようとしてる?

例えばこのシーン。何故か首都高。
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・・・

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・・・

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・・・

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長い!

後で調べてみたら
大阪万博会場を撮影しようと思ったら許可が下りず
仕方なしに首都高で撮影したものだとか。
ってことは…つまり
全く物語に関係ないシーン!

夜に観始めると寝ちゃう恐れがあったので
今回は早朝から鑑賞したのですが
見事に睡魔がやってきました!
寝てはチャプターを戻し
寝てはチャプターを戻し…
やばい!2時間経っても1部が終わらない!
どんどん不安になってきました…。
これがもし監督の意図した退屈だとしたら
見事に退屈してます。

ここでようやく物語に転機。
宇宙ステーションに到着したクリス。
そこで数年前に自殺したはずの妻ハリーに遭遇。
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凄い美人!


ここから二部。(急に)


ごめん!舐めてた!凄い映画だった!


なんとか2時間半ほどで一部を観終えまして
ここから二部です。

二部は最初から凄い展開!

死んだはずの妻に出くわし
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恐怖に耐えられず
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妻をロケットに乗せて飛ばすという奇行!
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しかも逃げ遅れてこの有様!
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ボロボロです。

あー怖かった・・・
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ゲェー!部屋にいた!


部屋に閉じ込めると
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ドアをぶち壊して出てきます。
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一人にしないで。。。って怖いよ!

この妻、人間ではありません。
人間の意識を反映して具現化させるという
ソラリスの海の仕業。
つまりクリスの意識が作り出した複製です。
表面的には妻にそっくりですが
記憶も思い出もない悲しきコピー。


幻想と現実の間で苦悩する人間を描く残酷な物語


この映画、写真が重要なアイテム。
クリスは宇宙ステーションに旅立つ前に
思い出の写真を燃やしたのですが
自殺した妻の写真は燃やせませんでした。
それは自分と喧嘩した直後に自殺した妻への
罪の意識でしょうか。

妻のコピーであるハリーが
その写真を偶然見つけ出しますが
ハリーは自分の写真である事に気がつきません。
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その後、鏡と写真を見比べて
ようやく『自分の写真』だと理解します。
このハリーは外見は本人そっくりですが
あくまで複製であって
記憶や内面は欠如しているのです。

やがて自分がコピーである事を知ったハリー。
ここから彼女の苦悩が始まります。
人間としてクリスに愛されたいのです。
泣ける。。。
彼女は人間らしくなっていくのですが
記憶もなく思い出もない自分に
存在理由を見失っていきます。

発作的に液体窒素を飲んで
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自殺を図りますが
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…不死身です。死ぬ事もできないのね…

クリスはハリーが複製だと知りながら
彼女を愛し始めていました。
しかしここでしか生きられない彼女を
愛し続けてもいいのかと苦悩します。
これは自分の意識が作り出したコピー。
本来科学者なので割り切って考えるべきなのですが
彼女への罪の意識がそれを許しません。
彼もまた精神的に追い詰められていきます。
観るのが辛くなるほど。
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ああ。。。大丈夫かお前。。。



この映画は
幻想と現実の間で苦悩し
精神的にギリギリまで追い詰められていく
もの凄く残酷な物語です。
複製の妻を愛する事が間違っていると知りながら
自分をコントロールできなくなっていく葛藤。
いったいどうなっちゃうんだろう?と
最後までハラハラしました。
そんなに難解じゃないかも?
何回も寝てごめん!


そしてなんと言っても驚愕のラストシーン!
なんと言うか…この喪失感は凄いです。
タルコフスキー監督。参りました。








[ 2013/09/24 19:36 ] SF | TB(0) | CM(8)

おもしろそうな映画ですね

私はSF系が大好きなので、ソラリス見て見たいです。

ちょっとサスペンスよりなのかな?
[ 2013/09/25 23:41 ] [ 編集 ]

Re: おもしろそうな映画ですね

NETERUさんコメントありがとうございます!

> 私はSF系が大好きなので、ソラリス見て見たいです。

SFがお好きなら是非是非!
難解で賛否両論ある作品ですが
物語はなかなか深みのあるものですし
何より映像が美しい映画です。

> ちょっとサスペンスよりなのかな?

そうですね。たしかにサスペンス的かも。
舞台は宇宙ですが、不安や緊張を抱いた不安定な心理状態は
まさしくサスペンスかも。
観終わると妙な達成感がある映画です(笑)

今後ともよろしくお願いします!ではでは。。。
[ 2013/09/26 00:18 ] [ 編集 ]

訳あってちょうどソラリス観ようと思ってたとこなので、
参考にさせていただきますねー(^з^)-☆
下高井戸シネマで今度上映するみたいですね!
[ 2013/10/02 10:29 ] [ 編集 ]

コメントありがとー!

> 訳あってちょうどソラリス観ようと思ってたとこなので、
> 参考にさせていただきますねー(^з^)-☆
> 下高井戸シネマで今度上映するみたいですね!

訳あって観るって意味深だなぁー(笑)
劇場で上映するんだ!
美しい映像にうっとりしそう。
そして前半で寝てしまいそう。。。
頑張って最後まで観てね!ちゃんと面白いから!
[ 2013/10/02 11:01 ] [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
[ 2016/06/07 20:43 ] [ 編集 ]

Re: 面白い

おみさんコメントありがとうございます!

なんか褒められすぎて調子にのっちゃいそうです(笑)
『ソラリス』は退屈で片付けられてしまう難解な作品にもチャレンジして
自分なりに書いてみよーって記事だったので
おみさんの言葉はとても嬉しかったです。

また遊びに来てくださいねー!
[ 2016/09/22 16:44 ] [ 編集 ]

最後の動画

ネットで10分割のを見ました。
はぃ、数回寝ました。一番深く寝たのはフリューゲルの絵のとこですね(^_^;)

最後に貼付されてたメイキングのPRムービーと思われるものですが、あの中で切り取られていたフラッシュ画像は、本編ではほとんど出ていなくないですか?!

私が見たのは160分以上あるものと思います。でもなかった気が…………!
[ 2016/10/25 14:55 ] [ 編集 ]

Re: 最後の動画

まりこさんコメントありがとうございます!

何度も襲う眠気に負けず(いや何度か負けたとしても)
最後まで見れた事が素晴らしい!
おめでとうございます(笑)

この作品、未発表シーン多そうですよねー。
今度調べてみますね。
[ 2016/10/29 18:30 ] [ 編集 ]

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