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『ひまわり』 メロドラマで描く反戦映画 感動的なテーマ曲は必聴

eiga042.jpg
『ひまわり』
I Girasoli

監督 ヴィットリオ・デ・シーカ

1970年
イタリア フランス ソビエト連邦
101分


前々から気になっていた映画『ひまわり』です。
マルチェロ・マストロヤンニソフィア・ローレンが主演する
『反戦映画』なのですが
戦争そのものではなく、戦争によって引き裂かれた夫婦を描く事で
戦争の残酷さを描いています。


戦争の残酷さを、『待つ側』から描くメロドラマ


簡単なあらすじ

第2次世界大戦の中、
ジョバンナ(ソフィア・ローレン)
アントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は結婚するが
幸せの絶頂にいた二人を引き裂くように
アントニオは、極寒のソ連戦線へと送られる。
やがて戦争が終わり世の中は平和を取り戻すが
アントニオの生死はいまだ不明で
夫が生きている事を信じて疑わないジョバンナは
アントニオを探しにソ連へ旅立つ。
長い歳月をかけてようやく夫の居所を探し当てたジョバンナだったが
アントニオは現地で助けられた女性と結婚し子供までいたのだった。

sashie073.jpg

と、このように書くと
イタリア男浮気しただけの話に思えますが
そんなに単純な話ではないのです。

アントニオは過酷な戦地で倒れ
猛吹雪に埋もれて瀕死の状態でした。
『死んだ方がマシだ』と生きる希望を捨てた時
美しいソ連の娘マーシャに助けられます。
彼女の必死の看護のおかげで一命をとりとめたアントニオでしたが
記憶を失っていたのでした。

壮絶だった戦地、救出までの経緯を聞かされたとは言え
ジョバンナは納得がいきませんよね。
夫の帰りを待ち続け、絶対に生きてると信じ続けた結果がコレかと。
湧き上がる怒りと、裏切られた悲しみ。
だけどマーシャを責める事はできないというやり場のない思い。
アントニオの姿を見つけた瞬間、全てが終わったのだと絶望します。
そのまま汽車に飛び乗り、涙を流してその場を去りました。

アントニオはジョバンナを見つけた瞬間、言葉を失い
彼女をどれだけ傷つけてしまったかを悟ったような表情でした。
sashie075.jpg
この時点では記憶は戻っているようです。

彼女を見た瞬間に思い出したのか?

一時的に記憶を失っていたが
今では記憶は戻っていてそれを隠していたのか?

そもそも記憶を失ったというのは嘘だったのか?


今となってはどれが事実であるかは問題ではありません。
ジョバンナは去ってしまったのです。

かつての二人ではなくなっていたという悲劇


戦場でアントニオと一緒だったという男が
『地獄だった。助ける余裕なんてなかった』と語るシーンがあります。
その言葉に対しジョバンナが
『あなたは彼を見捨てたのね!』と男を責めます。
愛する夫を待つ切実さから出た言葉なのでしょうが
『平和な国で待っていただけの女』である事が露呈します。
彼女にとって戦争とは『異国』の話であり
新聞やニュースでしか知る事ができないものなのです。
『地獄』という言葉にリアリティを感じていない事がわかります。

また、事情はどうであれ
結果的にジョバンナを裏切ったアントニオですが
戦場という地獄で生死をさまよい
正気を失い、全く別人になってしまったしても
それはアントニオが悪いのではなく
戦争が引き起こした悲劇だと言えます。
『ジョバンナがどんな気持ちで自分を待っているのか』ではなく
『マーシャの優しさ』にリアリティを感じていたのでしょう。

愛し合っていた二人が戦争に引き裂かれた事は悲劇ですが
それだけではなく考え方や価値観を狂わせてしまい、
かつての二人ではなくなっていた事も悲劇でした。
ジョバンナにとっては『夫の死』を知らされるよりも辛い事でした。

この映画の一番の悲しさは『まだお互い生きている』という事かもしれません。

胸を締めつけるラストシーンとヘンリー・マンシーニのテーマ曲


タイトルである『ひまわり』ですが
夫を探してたどりついたソ連で画面いっぱいに映し出されます。
美しいひまわり畑の下には戦没者が埋葬されているのだとか。
鮮やかな黄色で埋め尽くされた圧倒的な風景です。

会いたいという気持ちだけで言葉の通じない異国をさまよい
ひまわり畑の中をあてもなく歩くジョバンナは
かつてのハツラツとした輝きを失っていました。
風に揺れるひまわりの美しさがそれを強調します。
そしてやっと会えたアントニオの裏切りが
さらに彼女を追い詰めます。
一緒に暮らしていたマーシャ(リュドミラ・サベーリエワ)の
眩しいほどの若さを見た時
どれだけ悔しかったかを思うと。。。
sashie074.jpg


また、印象的なシーンには必ず列車が使われています。
・戦地へ旅立つ夫を乗せた列車。
・帰還を信じて夫の写真を手に列車を待つジョバンナ。
・夫に妻と子がいる事を知り、逃げるように飛び乗った列車。
・再会しても感情がすれ違い、永遠の別れとなる列車。
特にラストシーンは胸を締めつける名シーンです。

エンドロールで流れるヘンリー・マンシーニのテーマ曲(名曲!)とともに
画面いっぱいに広がるひまわり畑の美しさ。
出会ったばかりの二人の幸せなシーンが思い出され
この映画の結末をより悲しく忘れられない作品にしています。

女性に人気のある作品ですが
単なるメロドラマではなく『反戦映画』としての存在感を感じる映画でした。








[ 2013/08/22 19:06 ] ヒューマン | TB(0) | CM(0)

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