スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

『ベニスに死す』 切なくも悲しいおっさんの恋!頑張れおっさん!

eiga041.jpg
『ベニスに死す』
イタリア語 Morte a Venezia
英語 Death in Venice


監督 ルキノ・ヴィスコンティ
1971年
イタリア フランス(合作)
131分


ヨーロッパ映画の名作と言われる『ベニスに死す』ですが
この映画はかなり特殊な映画。
おっさんが美少年に恋をしてムラムラするだけの映画です。
ある意味カルトムービーと言ってもいいかもしれません。
『心に残る大傑作!』と賞賛された映画ですが
『退屈』『気持ち悪い』と否定的な意見も多い作品です。
その気持ち。。。凄くわかります(笑)

本作はトーマス・マンの小説が原作。
親交があった作曲家のグスタフ・マーラーの死に触発されて書いたそうです。
映画化するにあたり、主人公の職業を作家から作曲家に変更していますが
そもそもモデルが作曲家なので
原作者の意図に近い作品になっています。

h心を奪われた者の醜さと『老いる事』の悲しさ


簡単なあらすじ

心臓発作で倒れた作曲家のアシェンバッハ(ダーク・ボガード)は
静養の為、イタリアのベニスにやってきた。
そこでタジオ(ビョルン・アンドレセン)という名の美少年に目を奪われる。

つねに『芸術とは?』『美とは?』という
芸術家の永遠のテーマを背負ってきたアシェンバッハだったが
タジオの驚異的ともいえる美貌を目にした瞬間から
完全にタジオの虜になってしまう。
タジオへの憧れは日に日に大きくなり
異常ともいえるほど彼を求めるようになるが。。。


恋が止まらない!ダーク・ボガードの名演と見事な脚本


美少年に心を奪われてしまったアシェンバッハ。
一方的かつ圧倒的に盛り上がっていくタジオへの愛!
その愛情表現は不器用にもほどがあり
ただただ見つめるという粘着質っぷり!
最初は遠くで見つめるだけでしたが
だんだん大胆になっていくさまは
まるでコントのようです。
sashie071.jpg
脂ぎったおっさんが目をハートにしてるわけですから
とんでもなく無様で醜いのですが
あまりに一途に思いつめているので
『ほら!なにやってんの!話しかけるチャンスだよ!』
いつの間にか応援したくなってきます(笑)

ただひたすら美少年を追い求める老人ですが
若く美しいタジオは残酷なほど輝いていて
強くなる憧れと比例するように
自分の老いを痛感していきます。
やがてどんどん衰弱していき
生命の輝きを失っていくアシェンバッハ。
見ていて切なくなります。

表面的に観るとこれほど馬鹿馬鹿しい物語はないのですが
愚かで醜く思えていたアシェンバッハが
やがて自分の事のように感じ始め
最終的には『老いる事の悲しさ』が重くのしかかってきます。
ダーク・ボガードの名演と見事な脚本に拍手!
特別な何かを感じる映画です。

タジオの美貌 下品で不純な世界


『ベニスに死す』を語る上で
タジオの美貌について書かないわけにはいきません。
sashie072.jpg
いや~よく見つけてきたな~と思うほど
ビョルン・アンドレセンの性別を超えた美しさは驚異的。
少女漫画に出てくる美少年そのもの!

そのタジオの美しさを強調するかのように
彼以外の人々やベニスという街が
やたらと下品に描かれているのが面白いです。

例えば、アシェンバッハはベニスにたどり着くまでに
違う方向へ進みたがる船頭と口論になったり
蒸気船では顔を白く塗った不気味な老人にからかわれたりと
さんざん不愉快な思いをします。

また、宿泊したホテルのサロンには
世界各国からの観光客が集まっているのですが
いかにも金持ちのバカンスといった雰囲気で
貴族のように豪華な服、宝石を身にまとい
大声で笑ったり、豪華な食事を楽しんでいる姿は
不思議と下品に見えます。

それから観光客をカモにする騒がしい4人の楽団。
道化師のように顔を白く塗り、前歯はかけています。
さんざんおひねりをもらっておきながら
帰り際に顔をしかめて舌を出して帰っていく下品な男です。

路地裏に入ると観光地とは呼べないほど汚く
おまけに大量の消毒液が撒かれている悪臭の街。
『何故消毒液を撒いているんだ?』と聞いても
誰も本当の事を言いません。
実は疫病が流行り始めているのですが
観光の街ベニスにとって旅行者に逃げ出されるのは死活問題
みんな口を揃えたように『知らない』と言います。

下品で不純な世界にひっそりと佇むタジオは輝いて見えます。
それは『若い』とか『純粋』なんて言葉では言い表せない
絶対的な『美』の象徴のように感じます。

気難しそうな母と、幼い妹たちとバカンスにきている事と
それほど楽しそうには見えない事以外は謎のタジオ。
セリフが少なく、どのような人物か知る事ができません。
彼は退屈そうにも見えますし
楽しんでいるようにも見えます。
そのミステリアスな魅力に
アシェンバッハは心を奪われてしまったのです。

映画史に残る『美しく』『醜い』ラストシーン


自分が老いていくのと止められないアシェンバッハは
理髪師にそそのかされて
髪を黒く染め、化粧を施します。
白塗りに口紅で道化師のようになったアッシェンバッハ。
まるで船で見かけた不気味な老人そのもの。
本人はそんな事に気がつく気配もなく
少しだけ嬉しそうなのが悲しいです。
もう見てられないほど痛々しいのです。

ここから一気にクライマックスへ。
『美しさ』『醜さ』が入り混じる残酷なラストシーンは驚愕。

数あるヨーロッパ映画の中でも
かなりクセのある内容だとは思いますが
40年以上経った今も『奥深くて美しい芸術映画』と愛される作品なので
映画ファンであれば一度は観ておきたい大傑作です。
に鑑賞するのがオススメです。







[ 2013/08/22 11:39 ] ドラマ | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://moviestar1.blog.fc2.com/tb.php/41-a2371ccc















上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。