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『ヒッチャー』 ルトガー・ハウアーの狂気を見よ!ヒッチハイクから始まる究極の不条理!サイコサスペンスの大傑作!

eiga112.jpg
『ヒッチャー』
The Hitcher


1986年
アメリカ
97分



今回紹介する映画は『ヒッチャー』です。
ジャンルはサイコサスペンス、ホラーといった感じ。
脚本やプロットは超B級なのですが
ところがどっこい超必見の作品となっております。
なんといってもルトガー・ハウアーの狂気!
ストーリーなんてどうでもよくなります(笑)


ヒッチハイクから始まる究極の不条理!逃げて!逃げて!


激しい雨の降る夜、砂漠地帯のフリーウエイ。
車の長距離陸送をしていた青年ジム・ハルジーは
暗闇に立つ一人のヒッチハイカーを拾う。
ズブ濡れのその男の名はジョン・ライダー。
Hitcher04.jpg
世間話を始めた二人。
突如ライダーが自分は殺人鬼だという驚きの告白をする。
さらに飛び出しナイフを取り出し
『僕は死にたいと言え』とジムを脅し始めた。
運転中の恐怖の密室空間。

隙を見てライダーを車から叩き出すことに成功したジムだったが
翌朝、ライダーを乗せた家族連れのワゴン車が自分を追い越して行くのを見る。
停車したワゴンに追いついて中をのぞくと
家族連れは一人残らず惨殺されていた…。

その後も執拗にジムにつきまとうライダー
やがて警察はジムを殺人犯と思い込み
ジムはライダーだけでなく警察からも追われる事になる。

ライダーの真の目的とは?
ジムは無事に逃げ切れるのか?




最 高 !
これこそサイコサスペンス!
スピルバーグ『激突!』を彷彿させる(というか真似)
粘着質な殺人鬼の執拗な追い詰め方!
全くもって不条理な展開!
容赦のないバイオレンス&アクション!
そして…名作とは言い難い完成度(笑)
ルトガー・ハウアーを起用した事で
狂気に満ちたカルトホラーになっております。
Hitcher03.jpg
『ブレードランナー』のレプリカントを演じた時も
血の通っていない冷血で残酷な無表情が鳥肌ものでしたが
今回演じるジョン・ライダーは、さらに頭がおかしいという
もう手に負えないルトガー・ハウアーを見る事ができます。
ルトガー・ハウアーじゃなかったらどうなってたんでしょう。
もう彼の映画といっていいほど。
ぶっちぎりに怖いので最後までゾクゾクしっぱなしでした。


護送車で移動中。なんなく警官を皆殺しにして・・・え?嘘!
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主人公ジムの運転する車にダイブ!
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捨て身!命懸け!怖い!
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そして助手席に座って『よう』って・・・ 慌ててブレーキを踏むジム!
Hitcher14.jpg

飛んだ!車に滞在した時間10秒ほど!
Hitcher15.jpg
このテンポの良さに拍手!



いまいち印象が薄い主役はこちら
ジム役のC・トーマス・ハウエル。
Hitcher02.jpg
酷い目に合うバイトの兄ちゃんって感じから
追い詰められて行くほどに男らしく
魅力的になっていくのが不思議。
おそらくそういう演出なんでしょう。

他にどんな映画出てるのかな?と調べてみたところ
デビュー作が『E.T.』とありました。
えー!うそー!どこにいる?と確認しました。
Hitcher01.jpg
たぶんこの子です。
それどころかコッポラ監督の『アウトサイダー』の主役!
あれ!結構有名な人??

頭のおかしい奴に追われています!助けて!と通報。
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え?待って!俺じゃないって!




さらに影が薄いヒロイン・ナッシュは
ジェニファー・ジェイソン・リー。
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子供の頃から端役で映画に出ている大ベテラン。
スマッシュヒットした『バックドラフト』に出てましたね。
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今回はカフェで働くイモねーちゃん役。
ポジション的に主役と恋に落ちてもいい感じですが
そういう展開は特に用意されておらず
いつの間にか一緒に追われる身になるという
なんとも無駄のない素晴らしい脚本。

逃げ切ったー・・・とウトウトしてたら添い寝!逃げて!
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やっぱ逃げ切れませんでした。



この手の作品ってまるで興味のない犯人の生い立ち
ヒューマニズムとか恋愛要素
監督の哲学みたいな蛇足がつきものですが
本作にはそういった無駄が全くありません。!
余計な事はしない!これが一番!
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『見せない』ことで『魅せる』上手さ


この映画の素晴らしさは残酷な物語であるにも関わらず
あえて死体や残酷なシーンを映像化していない事。
それがかえって想像力を掻き立てられ
ジョン・ライダーの不気味さが引き立っています。
以前紹介した『悪魔のいけにえ』もまさにこのパターンで
低予算ゆえの苦肉の策(血ノリが買えないから)として
残酷描写を撮影しなかった事が逆に作用して
見事に恐怖を倍増させていました。

ワゴン車の中で家族が皆殺しになっているシーンも
死体を直接写すのではなく
血がポタリポタりと落ちるのを映し出した後
車をのぞいたジムの反応を見せるという手法は
これから起こるであろう恐怖へのカンフル剤になっています。

本作がデビュー作となる監督ロバート・ハーモン。
不条理で奥行のない脚本ですが(言いすぎかな?)
ルトガーの存在感と、見せ方の工夫で
他のB級映画とは一線を画する傑作になっています。
ちなみに撮影前のジョン・ライダーのイメージは
ローリング・ストーンズのキース・リチャーズだったそうです。
やさぐれたアウトローって感じでしょうか?
それはそれで面白そうですが
本作はルトガー・ハウアーの狂人的演技をチョイスして大正解でしたね。

砂漠の幽霊は死に場所を求めていたのか?


砂漠に突如現れた狂人。
ジョン・ライダーと名乗りますが
おそらく偽名でしょう。
そのミステリアスな存在はまるで砂漠の幽霊。
なぜジョン・ライダーはジムを追い掛け回すのか?
これが本作一番の謎なのではないでしょうか。
例えばこんなのはどうでしょうか?

殺人鬼としての人格がエスカレートしてしまい
やがて怪物になってしまったジョン・ライダー。
そんな自分に嫌気がさしていた時
一人のさえない青年に一杯食わされてしまった。

『小僧 やるじゃねぇか』

ここでジョン・ライダーの中に一つのアイデアが浮かびます。

彼をとことん追い詰めて
俺を躊躇なく殺せる一人前の男にしてやろう。
これは俺とお前との戦いだ。
俺を止めてみろ。


・・・とこんな感じなのかな?ほぼ憶測ですが。

でもまあジムにしてみりゃそんなの知ったこっちゃないわけです。
そりゃそうです。なんなんだよこのオッサン!ってやつです。
自分の身に何が起こっているのかも理解できないまま
逃げないと殺されるという恐怖。この不条理!
『なぜ俺につきまとうんだ?』への回答が
『自分で考えな』ですから。

誰も助けてくれないという極限状態の中
主人公ジムの中で何かが壊れ
『俺が終わらせなくては』という感情が芽生えます。
これはある意味『男』の成長を描いた物語です。
・・・いや多分偶然ですけど。

ちなみにリメイク版があるのですが(主役が女に変更されています)
これまた酷い評判。まだ観ていないのですが、観るのが怖い。
とりあえずはオリジナル『ヒッチャー』をお楽しみください。







[ 2014/07/21 18:32 ] サスペンス | TB(1) | CM(2)

おお!待ってました!

“男の成長物語”
ボクもそんな気がしました。

ボクの記事に対するコメントに対して、
“最後は親殺し的な感じもしてしまう”
と返信したんですけど、
まさにそんな感じです。

厳密には父と子ではない赤の他人なんですけど、
なんというのか、
「俺の屍を超えて男になれ!」って感じがしたんです。

細かな説明を見事に省略しちゃっている作品なので、
観た人間によっていかようにも解釈できちゃいますよね。
それがこの作品のおもしろさの秘密のような気がします。
[ 2014/07/21 21:42 ] [ 編集 ]

Re: おお!待ってました!

スパイクロッドさんコメントありがとうございます!

> “男の成長物語”
> ボクもそんな気がしました。

観終わってから『あれ?これって…』みたいな感じですね(笑)
メッセージ性は皆無ですが、心に残るものがある作品ですね。

> ボクの記事に対するコメントに対して、
> “最後は親殺し的な感じもしてしまう”
> と返信したんですけど、
> まさにそんな感じです。
> 厳密には父と子ではない赤の他人なんですけど、
> なんというのか、
> 「俺の屍を超えて男になれ!」って感じがしたんです。

うーんなるほど!
確かに親子のような関係にも見えますね。
俺を止める事ができたのならお前を認めてやるという
不条理で迷惑なアイデア!
「俺の屍を超えて男になれ!」ですね(笑)

> 細かな説明を見事に省略しちゃっている作品なので、
> 観た人間によっていかようにも解釈できちゃいますよね。
> それがこの作品のおもしろさの秘密のような気がします。

そうそう!そうなんですよ!
この映画の面白さって説明不足にあるんですよね!
目的がはっきりしないというのは主人公を混乱させ
さらに観る者も混乱させるという(笑)
この映画って結構中毒性がありますねー。
[ 2014/07/21 22:38 ] [ 編集 ]

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『ヒッチャー』(1986) ~見えてないのに見えちゃった!~

1986年/アメリカ/97分 監督:ロバート・ハーモン 出演:ルトガー・ハウアー    C・トーマス・ハウエル    ジェニファー・ジェイソン・リー 殺人ヒッチハイカーに執拗に追い回される青年の恐怖を描いた、『ヒドゥン』と並んで1980年代を代表する傑作B級映画だと言っても過言ではない、ロバート・ハーモン監督、ルトガー・ハウアー主演によるサスペンスホラー映画。 一...
[2014/07/21 21:43] URL 偏愛映画自由帳













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