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『ベティ・ブルー』 壊れていく愛を描いたセンセーショナルな作品!一時間という膨大な未公開シーンを追加した正真正銘の完全版!

eiga109.jpg

ベティ・ブルー
(インテグラル リニューアル完全版)
37°2 le matin


監督 ジャン=ジャック・ベネックス


1986年
フランス
185分



今回紹介するのは『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』の完全版です。
1986年にフランスで製作された映画なのですが
世界中にセンセーションを巻き起こした
衝撃のラブ・ストーリーです。
なんと約1時間の未公開シーンを復元!
185分という大作に仕上がっています。
大抵この手のノーカット版というのは
無駄なシーンが継ぎ足されてしまって
ダラダラとしたものになりがちですが
本作は一切無駄なシーンが存在しない
完璧な『完全版』と言えます。
びっくりするくらい長いけどね!

ずっと一緒にいられれば幸せだと思っていた なのに壊れていくのは何故?


海辺のコテージで一人暮らしをする中年男性のゾルグ。
彼は家主から言いつけられた雑用の仕事で生計を立てていた。
ある日、彼は自由奔放な少女ベティと出会う。
激しく惹かれあうふたりは、セックスに耽る毎日を過ごした。
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家主の言いなりで生きるゾルグを軽蔑し始めたベティは不満をぶちまけ
怒りにまかせて家財を窓の外に投げ捨てる。
ダンボールを捨てようとした瞬間、ゾルグは彼女を引き止める。
その中にはゾルグが過去に書きためていた小説が入っていたのだ。
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ベティは一晩中小説を読みふけり、ゾルグの才能を称賛する。
尊敬するゾルグが家主に馬鹿にされているのが耐えられないベティは
「彼は偉大な作家よ!」とわめき、家主を二階から突き落とす。
そしてついには家を全焼させてしまうのだった。

二人は逃げるように友人が住むパリへ。
二人の新生活が始まる。
どうしてもゾルグの才能を世間に知らしめたいベティは
彼の小説を出版社に売り込もうと奮闘するが
どこに送っても良い返事がない。
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ベティの純粋な心は徐々に壊れていく。
そして奇妙な行動が目立つようになるのだった。




打ちのめされる一本。
この映画にはある意味『奇跡』が存在していて
一見無意味に感じるブツ切りのシーンですらセンチメンタル。
見事としか言いようがない美しい色彩で魅せてくれる
美しくも枯れた風景と魅力的な登場人物。
いつまでも耳に残る音楽、ちょっとした日常のドラマ性。
バグダッド・カフェが好きな人ならピンとくる感じがあります。
ただこの映画にはバグダッド・カフェにはない激しさがあります。
冒頭から濃厚なセックスシーンですし。さすがフランス。

ベティを演じるベアトリス・ダルのエキセントリックな存在感!
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もうとにかく殺人的に可愛い!
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顔、体型、仕草、言動、そして奇行!
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この映画でのハマリ具合が絶頂すぎて
他の映画ではベティ以上の当たり役がないのが残念です。
それほどこの映画でのベアトリス・ダルは神がかり的魅力。
ちょっと水原希子に似てるなーとか思っちゃいましたが(笑)
これほど魅力的で哀れなヒロインが他にいるでしょうか?
壊れていくベティを見事に演じています。
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ゾルグを演じるジャン=ユーグ・アングラードも素晴らしい!
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女性から見たら彼の優しさや包容力にメロメロになるんじゃないでしょうか?
『マイ・ブルーベリー・ナイツ』でのジュード・ロウも似たようなポジションでしたが
もう規格外!格が違います(笑)

これから観るならインテグラルがおすすめ


『愛と激情の日々』はベティのエキセントリックさを観る映画であり
『インテグラル』はゾルグのシーンを大幅に追加する事で実現した
ベティと出会った男の物語です。
本作で初めて『恋愛映画』として完成した感じがします。

しかしこれが『愛と激情の日々』のファンにしてみると
やや複雑な気持ちになるのだとか。
追加されたのはゾルグの優しさやベティへの気持ちが強く伝わるシーンが多く
映画の深みにつながっている事は間違いないのですが
それが『男の言い訳』に見えるという事なのでしょう。

しかし断言します。

『インテグラル』を観るべきです!

ベティに振り回されているだけの気弱な男のように見えますが
本当に激しいベティに翻弄されていただけなのか?
優しさゆえの『弱々しさ』なのか?
これがゾルグの愛の形なのでしょうか?

『インテグラル』を観終わった時に違う印象が残りました。
ゾルグにも熱く激しい心があったのだという事を。

正反対のように思える二人ですが
実は似た者同士だったのではないのかと。
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初めは情欲の関係であった二人ですが
ゾルグの小説を読んだ日から彼を尊敬するようになり
その才能を世間に知ってもらいたいと思うようになり
彼の子供を産みたいと思うようになり・・・
bettyblue02.jpg
ベティはどんどんゾルグに依存していくわけですが
ゾルグはそんな彼女をどんどん愛しく思うようになります。
つまり彼もまたベティに依存していったのだと思うのです。

ゾルグは、ベティの全てを受け入れる覚悟がありました。
彼女を住みにくい世界から守ろうという優しさは胸を締め付けます。

彼女が間違いを犯すたびに自分を責めるゾルグ。
愛するベティを理解し、傷つかないように
そしてもっともっと彼女を愛そうとするゾルグ。
彼女が満足できるように。
それは実に男らしい強さ。
終盤の彼の行動は涙が出るほど。

そこを感じ取らずに『インテグラル』を否定してはいけません。

楽しかった日々、傷つけあった日々
激しく愛し合った日々が二人をゆっくりと通り過ぎます。
そして最後の最後で呼吸が苦しくなるほどの悲劇が待っています。

特にラストシーンは胸が締め付けられます。
観終わった時、『どうにかできなかったのか?』という
この映画でしか味わえない悲しさがあります。

さて、皆さんはどのような感想を持つのでしょうか?
本作を観たという人と話してみたいなーという
不思議な気持ちにさせる映画です。







[ 2014/06/03 21:18 ] ラブストーリー | TB(0) | CM(4)

これは、オンタイムで観ました(短い版)。
本も読みましたねー。
本のほうを先に読んだのですが、
文章で得たイメージの通りの映画だった記憶があります。

たしか原題の「37°2」とは、女性が排卵期に体温が高温になる時の体温のこと、
という説明がありました。

そうですか!
185分版を観るべきですか。
ベティの激情はなんなのだろう?と今でも思いますが、
日本でも「依存症」とか「躁鬱」とか「人格乖離」という言葉を
よく聴くようになったいま、いま観るべき作品なのかもしれない
という気がしてきました。

本作は、そういった病気を描いたものではないとは思うのですが、
いまなら、当時とは別の見え方がするのではかいかと思います。
観てみよっか!
[ 2014/06/06 01:37 ] [ 編集 ]

Re: タイトルなし

つかりこさんコメントありがとうございます!

> これは、オンタイムで観ました(短い版)。
> 本も読みましたねー。
> 本のほうを先に読んだのですが、
> 文章で得たイメージの通りの映画だった記憶があります。

本は読んでないんですよねー。
当時、病んでる女の子=ベティブルーみたいな風潮があって
怖々観たんですが、奇跡的な美しさのある作品で驚きました。

> たしか原題の「37°2」とは、女性が排卵期に体温が高温になる時の体温のこと、
> という説明がありました。

そうなんですよね。妊娠しやすい体温。
そういう意味ではハッキリとしたテーマがある作品ですが
ベティ・ブルーという曖昧なタイトルの方が僕は好きです。

> そうですか!
> 185分版を観るべきですか。
> ベティの激情はなんなのだろう?と今でも思いますが、
> 日本でも「依存症」とか「躁鬱」とか「人格乖離」という言葉を
> よく聴くようになったいま、いま観るべき作品なのかもしれない
> という気がしてきました。

ぜーったい観て欲しい!
本作はまったく別物として鑑賞できるはず!
完全版によって見事に完結しているように感じます。
とくにラストシーンは未公開映像があってこそ感動できると思います。

> 本作は、そういった病気を描いたものではないとは思うのですが、
> いまなら、当時とは別の見え方がするのではかいかと思います。
> 観てみよっか!

ある意味青春映画的であり、アートな雰囲気もあり
でも着地点はヒューマンドラマだと思うんです。
二人の『愛』に向かって突っ走る感じ。
ぜひぜひインテグラルを鑑賞してみてください!

[ 2014/06/06 19:51 ] [ 編集 ]

これ、ベティが統合失調症ならはやく病院に連れて行くべきだったのでは無いか。
放置すると、悪化するのだから。
[ 2017/09/23 06:05 ] [ 編集 ]

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます!

> これ、ベティが統合失調症ならはやく病院に連れて行くべきだったのでは無いか。
> 放置すると、悪化するのだから。

そうなんですよねー。
本来のあり方としてはそうなんです。

でも愛する恋人や家族に対して
こいつは病気だという現実を『信じたくない』気持ちってあるんです。
きっと今だけ。明日にはきっと・・・という。
それは相手にとっては『優しさ』ではなく『残酷』な事かもしれませんが
人間の心って時には残酷な選択をしてしまうんですね。
自分の愛する人は病気なんかじゃないという。これはエゴですね。
楽観的な選択がどんどん相手を壊してしまい
最終的には取り返しのつかない結末に。。
この映画の後味の悪さは『人間の弱さ』をこれでもかと見せつけるからです。
こういう映画って色々考えさせられます。

『はやく病院に連れて行くべきだったのでは無いか』という感想は
とても人間的で優しい意見だなーと思いました。ありがとうございました。
[ 2017/09/23 19:29 ] [ 編集 ]

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