『サスペリア』 イタリアンホラーの狂った巨匠、ダリオ・アルジェントの代表作!狂気のサウンド!極彩色の蟻地獄!理解不能な展開に君は耐えられるか?

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サスペリア
Suspiria


監督 ダリオ・アルジェント

1977年
イタリア
99分




ここ最近ホラー離れが続いているので(そうでもないか)
久々にホラーの大傑作…というか大問題作
狂った巨匠ダリオ・アルジェント『サスペリア』を紹介。
トマス・ド・クインシーの小説『深き淵よりの嘆息』が原作とありますが
そんなのどうでもいい程やりたい放題の色彩の暴力で
観る者の度肝を抜く作品となっております。
努力しても共感・同情・納得することができない
理解不能な展開に君は耐えられるか???

ストーリーなんてどうでもいい!純粋なる恐怖映画!


『決して、ひとりでは見ないでください』というCMで
当時の若者は『どんだけ恐ろしい映画なんだろう?』とドキドキしたと聞きます。
ホラー映画というジャンルが定着しつつあった当時の日本で
『サスペリア』は大ヒット!(信じられませんが事実です)

さて、その作品を鑑賞すると、
冒頭の描写は凄まじく、砕け散るステンドグラスと血みどろになった女は
この映画のオープニングを飾るにふさわしい悪趣味なものです。

まあ見てください。この色!
目が痛くなるほどの鮮やかさ!
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まるで絵の具のような血!真っ赤!
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今後の展開を大いに期待させますが、何が何だかさっぱりわからない物語で
『なぜそうなる?』『どうしてそうなった?』の波状攻撃!
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そしておとずれる中だるみ!(物語に置いて行かれる)
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支離滅裂な結末!(あたまには『?』がいっぱい)


後で詳しく書きますが、音楽が凄まじい!
気が狂ってるとしか思えない耳をつんざくシンセサイザー!
おどろおどろしいベースラインとテクニカルなドラム!
アルジェントお得意の極彩色の蟻地獄と相まって
一気に『サスペリア』の世界に持っていかれます!
変人ダリオ・アルジェントの最高傑作。


映像を盛り上げる狂気のサウンドに鳥肌!


ぶっ飛んだ脚本に極彩色の映像
そして本作最大の魅力といっていいのが音楽!
スコアを手掛けているのはゴブリン (Goblin) という
イタリアのプログレッシブ・ロック・バンドです。

サスペリア
サスペリアPART2
ゾンビ
デモンズ


といった大傑作ホラーのサントラを手がける
ホラー映画史上もっとも重要なバンドと言えます。
とにかく初めて聴いた時の興奮ったらなかったです。

『プログレッシブ・ロックってなに?』って方の為、簡単に説明しますと
プログレッシブ・ロックとは1960年代後半ごろ
イギリスに現れたロックのジャンル・スタイルの一つです。
日本では『プログレ』と呼ばれています。
一口には説明のしにくいジャンルなのですが
後期ビートルズの実験的なサウンドに影響を受けたバンドが
新しいサウンドを追及する試みがプログレの始まりだと言われています。
代表格にはキング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエス
エマーソン・レイク&パーマー
といったバンドがおり
ロックという枠を超えてジャズ、クラシックの手法を取り入れた難解な構成が
かつてのロックにはないスケール感を生み出し、当時のファンを魅了しました。
最近ではイエスの『ラウンド・アバウト』『ジョジョの奇妙な冒険』
エンディングテーマに起用されたりと、現代でも熱狂的なファンが存在します。

当時、イタリアでは空前のプログレブームが到来し
次々プログレバンドが結成されました。
またイタリア映画のサウンドも大きな変化が。

本作の監督ダリオ・アルジェントが『Profondo Rosso』を制作中、
ありきたりなサウンドに不満を抱き、新しいミュージシャンを探していました。
そもそもダリオ・アルジェントはEL&Pのファンだったらしく
イタリア出身の無名なバンド(当時はチェリーファイブというバンド名)の
デモテープが気にいって、音楽担当として仕事を依頼します。
お化け屋敷的なインパクトのあるサウンドは映画を大いに盛り上げ
映画は大ヒット!音楽も注目を浴び、アルバムが発売されます。
その際、アルジェントは『バンド名だけどさぁ~ゴブリンにしたら?』と提案します。
これがゴブリンというバンドのスタートです。

※ちなみに「Profondo Rosso」の邦題は『サスペリア パート2』です。
サスペリアより前に制作された映画なのにもかかわらず
日本で公開された『サスペリア』がヒットした事で
何の繋がりもない前作を『2』として上映したというとんでもないモノ。
当然ながら内容は全くもって関係のないサスペンスです。


「Profondo Rosso」から2年。
アルジェントは「サスペリア」のサウンドをゴブリンに依頼します。
黒魔術や魔女をイメージさせる呪術的なサウンドを欲しがったアルジェントは
民俗楽器、チャーチオルガン、シンセサイザーを駆使し
悪趣味でハッタリの効いたトラウマ系サウンドは見事に映像と融合します。
『サスペリア』が全世界で大ヒットを記録し
アルジェントとゴブリンはホラー界の伝説となりました。

おっと!ライブ映像発見!

後半やばい!



今までたくさんの映画を観てきた皆さんにとって
感動した映画、心に残った映画がたくさんあると思うのですが
本作は映画としてはクソつまらないと思うんです(笑)

アルジェントは物語を構築する才能が全くと言っていいほど無く
とにかくインパクトのある映像!ショッキングな描写!といった
他人の目や意見を全く気にもとめないタイプの監督なんです。
そのくせ『凄い映画を作って大ヒットさせるんだ!』という本末転倒な心意気!
ある意味ロックな生き様といっていいでしょう。
ミュージシャンや芸術家に愛されているのはそのためでしょうか。

とにもかくにも『サスペリア』
ホラー映画を語る上で、絶対に避けては通れない作品です。
気に入っていただけると嬉しいのですが(笑)











[ 2015/04/15 16:02 ] ホラー | TB(0) | CM(0)