スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
[ --/--/-- --:-- ] スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

『遊星からの物体X』 SFホラーの大傑作!寒い!怖い!逃げられない!だってここは孤立した南極基地!仲間の中にモンスターがいるかもしれない…!

eiga118.jpg
遊星からの物体X
The Thing


監督 ジョン・カーペンター
原作 ジョン・W・キャンベル『影が行く』

1982年
アメリカ
109分


今回紹介する作品は『遊星からの物体X』です。
ジョン・カーペンター監督は以前紹介した
スプラッターホラー映画『ハロウィン』の監督です。
ハロウィンを低予算かつ短期間で作成し、大ヒットさせる事に成功した後
ハリウッド進出第一弾として発表したのがこの作品です。
1951年の『遊星よりの物体X』のリメイク的な位置にある作品ですが
原作である短編小説『影が行く』を忠実に映像化しているという意味では
まったく別物と言っていいでしょう。
現在話題になっている『寄生獣』も本作の影響を強く感じます。

実はこの作品、存在は知っていましたが観たことがなく
最近テレビで放送していたのを観て衝撃を受けました。
あらためてレンタルし直してノーカットを鑑賞。
続けてコメンタリー入りで観たので合計3回観てしまいました(笑)
いやー素晴らしい作品であります。


怖い!寒い!逃げられない!未知なる生物との戦いがはじまる!


あらすじ

1982年 アメリカ南極観測隊第4基地。

ノルウェー隊のヘリが、1匹の犬を追って着陸。
銃や手榴弾を使い犬を狙うが誤ってアメリカ隊員が負傷。
たかが一匹の犬のためにライフルを乱射するノルウェー隊員を危険とみなし
アメリカ基地の隊長は躊躇せず射殺する。

何故ノルウェー隊は犬を追っていたのか?
真相を究明すべくノルウェー基地へ向かった。
そこで目にしたものは、破壊された基地と
自殺し凍りついた隊員の死体
何かを取り出したと思しき氷塊
そして未知なる生物のおぞましい焼死体だった。

一方、逃げのびた犬は犬小屋に入れられた。
夜が更けるとともに犬はグロテスクな生物に変形。
異常を察知し駆けつけた隊員たちは、そのおぞましい生物に恐怖し
火炎放射器によって撃退。
隊員たちはこの異常事態にノルウェー隊に何があったのかを感じとる。

調査の結果、その生き物は取り込んだ生物に同化・擬態し
更に凄まじい勢いで増殖できることが判明する。
そしてその生き物はすでに隊員に寄生し始めているのであった。



これは凄い!
時代を超越した面白さ!

この映画のモンスターのセンセーショナルなビジュアルは
後のホラー映画に絶大なる影響を与えました。
あまりに独創的!あまりにおぞましい!

しかーし!
この作品はモンスターで怖がらせるタイプの映画ではありません。
あくまでも主役は人間!
閉鎖された南極の基地内で巻き起こる
未知なる生物との戦いがテーマなのです。
その生物の『あらゆる生物に変身する』という特性は
言葉にすると単純ですが
いざ敵になるとここまで厄介な生物はいません。
もしかしたらこの中にモンスターがいるかもしれないという不安。。。
『疑心暗鬼』という言葉がピッタリの作品です。
そういう意味ではSFでありホラーであり上質なサスペンスとも言えます。



疑心暗鬼が人間関係の崩壊をまねく いったい誰が…?


この映画の特徴と言えるのが『重要人物の多さ』です。
全員を把握しておくことが大切。
というわけで簡単ですが登場人物をまとめてみます。


マクレディ
The_Thing15.jpg
カート・ラッセルが演じる主人公。
ヘリの操縦士。
裏の設定では『ベトナム帰り』ということらしく
昼間からスコッチを飲みまくっているのはその為でしょう。
The_Thing01.jpg
一匹狼タイプの性格ですが、どのような危機的状況でも冷静で
感情に流されずに正しい選択ができる男です。
後半はリーダー的存在になりますが
決してリーダー向きじゃないんですよね。
止むを得ず先頭に立つといった感じ。



チャイルズ
The_Thing21.jpg
キース・デイヴィッドが演じる機械技師。
やや血の気の多い黒人です。
感情的になるとデカい声を出してしまうので
大男なだけあって手におえない感じ(笑)
マクレディとは対立してしまうのですが
生き残りたいという強い気持ちは同じです。



ギャリー
The_Thing25.jpg
ドナルド・モファットが演じる基地の隊長です。
融通の利かない性格で興奮すると適切な対応ができないタイプ。
映画のオープニングで犬(正体は物体X)を射殺しようとしていた
ノルウェー基地隊員を『頭がおかしい奴』と判断し射殺する。
やがて他の隊員から不信感を抱かれる事件をおこし
物体Xではないかと疑われはじめます。



ブレア
The_Thing17.jpg
A・ウィルフォード・ブリムリーが演じる生物学者。
コンピューター(時代を感じる)で
物体Xが地球を乗っ取るまでの時間を計算したり
物体Xの検死解剖でその恐ろしい生態を解明。
クルーの中で一番先に物体Xの脅威に気づきます。
物体Xの恐ろしさに耐えられなくなったブレアはパニックに陥り
基地内で大暴れの末、拳銃を乱射!
The_Thing23.jpg
他の隊員達に取り押さえられ小屋に監禁されます。
その暴れっぷりは凄まじいもので笑えます。



クラーク
The_Thing03.jpg
リチャード・メイサーが演じる犬飼育係
キャップに髭面の大男です。
犬とは心を通わせていますがどうも人間嫌いな雰囲気。
問題を運んできた犬と接触していた時間が長かったため
ブレアは『クラークが物体Xだ』と疑います。



コッパー
The_Thing11.jpg
リチャード・ダイサートが演じる医者。
全員の血液を管理していたのですが
すべての保管血液を床にぶちまけられる事件発生。
当然コッパーが疑われることになりますが
ギャリーも出入りできたという事実から
もう誰も信用できないという
隊員たちの不協和音が強まっていきます。



ノールス
The_Thing05.jpg
T・K・カーターが演じる調理師。
細身の黒人で、スティーヴィー・ワンダー大好きな若者コック。
なぜかローラースケートで移動しています。
モンスターにビビる顔は絶品。
日本語吹き替え版では何故かおネェ言葉(笑)
彼のビビり顔はなかなか絶品。



パーマー
The_Thing06.jpg
デイヴィッド・クレノン演じる第2ヘリ操縦士&機械技師
タバコ(マリファナ?)を吸う仕草や
言動がどこかチンピラ風です。
特にモンスターを見た時の
The_Thing31.jpg
『you gotta be fucking kidding(冗談キツいぜ)』は名言!



ノリス
The_Thing13.jpg
チャールズ・ハラハンが演じる地球物理学者。
前に出るタイプではなく、おとなしく気弱。
ギャリーが疑われ始めた時、代わりに隊長役を依頼されるが
『俺は無理』と断ります。
正義感は強いようですがどうも心臓に痛みがあるらしく
発作のような状態になります。



ベニングス
The_Thing08.jpg
ピーター・マローニーが演じる気象学者。
ツルっとした頭とヒゲのオッサン。
ギャリーとは10年来の友人らしい。
映画最初のノルウェー人のライフルが足に当たったり
物体Xに乗っ取られたりと散々な男です。



フュークス
The_Thing12.jpg
ジョエル・ポリスが演じる生物学者助手。
つまりブレアの助手です。
ブレアの様子がおかしいことに気がつき
研究ノートを盗み出すことに成功。
そこに記された恐ろしい事実を知り
たまらずマクレディに相談します。



ウィンドウズ
The_Thing04.jpg
トーマス・G・ウェイツが演じる無線通信技師。
個人的にお気に入りキャラで
ビビりなので他の隊員から馬鹿にされるとムキになったり
皆がモメ始めたらパニックになって逃げだしたりと
人間っぽさがとてもいい感じ。
The_Thing24.jpg
いつもビクビク。。。


といった感じなのですが
うーんやはり多いですね(笑)

コメンタリーでカート・ラッセルが言ってましたが
『男しかいないから登場人物の見分けがつかない』というのがこの映画の難点。
そうなんですよね。。。最初は戸惑うはずです。
しかし以上のメンバーしかいない南極という名の密室劇。
中盤までくるとそれぞれの人間的な魅力に気づき
一気に加速していくストーリーに集中できるはずです。

これからどうなってしまうのか先の見えない展開
逃げ場のない南極基地での戦い
追い詰められた人間の恐怖
人間不信になっていく隊員たち
その心理状態と、難局を打開しようとする姿を
役者陣が見事に熱演しています。

そしてお気づきでしょうか?
そうなんです。
本作には女性が一人も登場しません。

当時男しか出ない映画っていうのがとても珍しかったようで
それが批判的な意見となったという話も。
ところがこの女性のいない南極基地という世界が
無駄な描写(女性の悲鳴・ラブシーンなど)を一掃していて
この映画の面白さを倍増させているのは間違いありません。
贅肉をそぎ落としたアスリートのような感じ。

あ、名優がもう一人(?)いました!

犬!
The_Thing09.jpg
狼の血が入っているシベリアン・ハスキーは
とても警戒心が強く、目つきが鋭いのですが
その警戒心の強さが見事な演技を魅せてくれます。
映るたびに『凄い!凄い!』と興奮しました。
いやー本当にいい演技なんですよ。



☆個人的に好きだったシーン

監禁中のブレアの様子を見にきたマクレディ
The_Thing27.jpg
すると・・・なんか缶詰食ってる。。。
The_Thing28.jpg
『すっかり正気に戻ったよ。戻らせてくれ。』モグモグ。
The_Thing26.jpg
残念ながら、もうしばらく監禁されます。


☆もう一つ

まるでタラバガニを食うかのように解剖するブレア
The_Thing18.jpg
いちいち面白いんだよなーこの人(笑)



映画通をうならせる見事な演出とカルト的人気


今となってはSFの古典と言える
リドリー・スコット『エイリアン』
スティーヴン・スピルバーグ『E.T.』(なんと二週間差で公開!)と
宇宙への関心が高まっている時代の中で公開された本作ですが
どうにも興行成績は芳しくなかったようです。
そりゃーまあ一般的には難しいでしょうね(笑)

マニアックな描写が強烈すぎて
劇場では目をふさぐ人も多かったのだとか。
まあホラー映画ですから当たり前なんですけどね(笑)
しかしながらCGに頼らないSFX(Special Effects)技術の凄み!
グロテスクなクリーチャーの造形はもはや芸術品!
The_Thing14.jpg
よくもまあこんなモノ作り出したもんだと感動しました。
カルト的な作品に思われがちですが
エンターテイメント性あふれるSFホラーです!

『気持ち悪いの無理』って人にはすすめられませんが
『誰も観たことがない凄い映画を撮ってやるんだ!』という
監督や制作陣の強い意志が感じられる映画です。
怖いだけじゃなく、ちょっと笑えるシーンもあったり
『あーなるほどー』と感心するシーンも。
ややB級扱いされがちな作品ではありますが
時代を超越した面白さがあり、全く古さを感じさせません。
これってやっぱり作品の持つパワーだと思います。
記事を書いてたらまた観たくなってきました(笑)








スポンサーサイト
[ 2014/12/15 22:16 ] SF | TB(0) | CM(0)













上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。