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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 何度観ても面白い永遠の名作!今回は音楽に注目!

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
Back to the Future

監督  ロバート・ゼメキス
製作総指揮  スティーヴン・スピルバーグ

1985年
アメリカ
116分



永遠の名作と言えばこれ!
バック・トゥ・ザ・フューチャー
1985年に公開されたシリーズの一作目です。

完成されたプロット、魅力的なストーリー
豪華で個性的なキャラクター
今までになかった斬新な未来像
リアリティにこだわった過去の描き方は
公開されるなり世界中で大ヒットを記録!
同年のアカデミー賞では音響効果賞を受賞しています。

本作でマーティ・マクフライを演じた
マイケル・J・フォックスの人気が爆発!
エメット・ブラウン博士・通称ドクを演じたのは
クリストファー・ロイドです。
この二人は当時日本でも大人気でした。

今回は、少し趣向を変えまして
この映画で使用された音楽にスポットを当てて
雑学を交えながら紹介していこうかなと思っています。



『パワー・オブ・ラヴ』 ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース


バック・トゥ・ザ・フューチャーと言えば
一番最初に思い浮かぶのはこの曲ではないでしょうか?
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースが1985年に発表した
大ヒットシングルです。
映画が世界中で大ヒットしたのをきっかけに
全米1位に輝きました。
プロモーション・ビデオには
登場人物のドクとデロリアンが登場します!

ちなみに主人公マーティの部屋には
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのポスターが貼られていたり
ヒューイ・ルイス本人がカメオ出演していたりと
遊び心満載なのもこの映画の魅力!
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この時のセリフ『音が大きすぎる!』
ウィー・アー・ザ・ワールドのレコーディング時に
プロデューサーに『声が大きすぎる』と注意を受けている
メイキングビデオからのパロディだそうです。

実はこの時まだパワー・オブ・ラブの歌詞が未完成で
マイケルが歌いだすところで止めたという噂も。
なんか面白いエピソードですね。



『ミスター・サンドマン』 フォー・エイセス


マーティーが1955年にタイムトラベル後
時計台の広場でキョロキョロしてる時に流れる曲は
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フォー・エイセス『ミスター・サンドマン』です。
この曲はザ・コーデッツの方が有名かもしれませんが
劇中で使われたのはこちらの方ですね。
コーラスワークがワクワクします!
いかにも古き良きアメリカって感じで
1955年の雰囲気にピッタリです。




『ウォールフラワー』 エタ・ジェイムス


おやじ!一杯くれ!
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ミルクチョコレート!

このシーンで使われているノリノリのオールディーズは
エタ・ジェイムス『ウォールフラワー』という曲です。
この貫禄ある歌唱でなんと10代!
1955年にこの曲で初チャート入りした後
数々のR&Bやポップの楽曲を世に送り出しました。




『ナイトトレイン』 ジミー・フォレスト


魅惑の深海パーティー
ザ・スターライターズが演奏しているのは『ナイトトレイン』です。
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オリジナルはジミー・フォレスト。

数々のアーティストの愛されているナンバーです。
オリジナルはテンポが遅く、ダラ~っとした雰囲気で良い!
でも劇中で演奏されたのはアップテンポで踊れるアレンジですね。
改めてサックスってカッコイイ楽器だなぁ~と思う名曲です。



『アースエンジェル』 ザ・ペンギンズ


同じく魅惑の深海パーティーから。
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ジョージとロレインが初めてキスをするという
ロマンチックなシーンで流れるのは
『アースエンジェル』という曲。
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ザ・ペンギンズというグループの曲です。

クルー・カッツというグループも同曲を発表していますが
なんと同時リリースしたという事で
どちらがオリジナルって事は無いようです(笑)



『ジョニー・B・グッド』 チャック・ベリー


マーティが『もう一曲だけ』とおねだりされたナンバーは
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チャック・ベリーの代表曲『ジョニー・B・グッド』!

まさにロックンロールの教科書のような曲で
刺激的なサウンドは当時の若者たちを夢中にさせました。

手を怪我したギターのマービンが
従兄弟がチャックに電話をするシーンがあります。

もしもし!チャック??
俺だよ俺!いとこのマービン・ベリーだ!
お前さん新しいサウンドを探してるって言ったろ?
ちょっとこれを聞いてみな!!


曲作りに煮詰まっていたチャック・ベリーが
電話ごしにマーティが演奏する『ジョニー・B・グッド』を聞いて
『なにこれカッコイイ!』と思ったとしたら?
なんともお茶目な演出です!



『バック・イン・タイム』 ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース


エンディングテーマもヒューイルイスです。
この映画の為に書き下ろした曲。

タイトルも映画の内容にピッタリ!

実はこの曲がオープニングナンバーになるはずでしたが
何故かエンディングにまわされたという(笑)
でも結果オーライ!今となっては逆はありえない!
軽快で爽やかなサウンドが心地よく
ハスキーなヒューイ・ルイスの歌声が絡み合って最高!
この曲が流れると『あぁ~終わったなぁ~』って気分になります。




。。。と今回はちょっと雰囲気の違うブログになりました。
オリジナルサウンドトラックは素晴らしい内容なのですが
サントラに収録されていない曲もありますので
このブログが参考になれば幸いです。

もし万が一!
本作を観ていないなんて人がいたら
何が何でも観なければいけない映画なので
猛ダッシュでレンタル屋さんに走ってください!
もちろん1~3まで全部!

ブルーレイ版の予告です。

信じられない美しさ!



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[ 2013/10/30 16:10 ] SF | TB(0) | CM(2)

『ぼくのエリ 200歳の少女』 掛け値なしの大傑作!恋したあの子は吸血鬼だった

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『ぼくのエリ 200歳の少女』
Let the Right One In


監督  トーマス・アルフレッドソン
脚本・原作  ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト


2008年
スウェーデン
115分



いよいよハロウィン!という事で
ハロウィンでの仮装のド定番その2である
吸血鬼の名作をご紹介!

とは言ってもちょっと変化球。
スウェーデンの映画なのですが
内気な少年と悲しい運命を背負った少女の物語
ぼくのエリ 200歳の少女という作品。
この作品はハリウッドでリメイクされました。
その事についても書いていこうかと思います。


いじめられっ子のオスカーが出会った少女 切なくも美しい物語


簡単なあらすじ

ストックホルム郊外に住む12歳の少年オスカー。
内気で友人もいない典型的ないじめられっ子。
ある日、隣にエリという名の女の子が引っ越してくる。
彼女は学校に通わないどころか昼間は外出もしない。
謎だらけの彼女にオスカーは恋心を抱くようになる。

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同じころ、のどかで平和だった街で
失踪・殺人事件が相次いで発生する。
オスカーはエリの正体が吸血鬼であり
これらの事件の犯人であることを知るのだった。


極論から言いますと
この映画、最高なんです。
雜誌の特集記事やネットでの予告を観て
絶対面白い!と勝手に思い込んでいたのですが
予想を大きく上回る大傑作でした。
一生観れる映画です。

ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(覚えれない)による
2004年の小説『モールス』を原作にした作品。
いわゆるホラー小説です。
しかし映画化するにあたって
ホラー色をやや抑え
オスカーとエリの交流を重点的に描く事で
永遠の名作『小さな恋のメロディ』のような
切なくも美しい作品になりました。
原作の小説も読みましたが
よくぞここまで仕上げたものだと感動します。

まず何がそんなに素晴らしいかといいますと
冬の描き方です。
この映画、本当に寒そうなんです。
冬を舞台にした作品は多々存在しますが
この映画は本当に丁寧に描いており
雪景色はもちろんの事

暖房のきいた部屋のぬくもり
真夜中に降る雪の美しさ
雪が積もる道の静寂


これらの映像は溜息が出るほど美しく
悲しく切ない物語を大きく後押しする
極上のエッセンスになっています。

また音楽も良いんですよね。。。
大げさなサントラではないのですが
印象的なシーンで奏でられる空虚な音の数々。
胸をギューッと締めつける切ないメロディ。
監督のこだわりが感じられます。

しかしよくこの二人を選んだ!
それだけでこの作品の勝利が約束されています。

いじめられっ子のオスカー
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オカルト好きで一人遊び真っ盛り。
友人なしの落ちこぼれ。
なのに可愛い!なんだこれ!

謎の少女エリ。
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無口で優しく強くオスカーを見守る。
何がいいって表情。
いつだって悲しそう。
これにやられます。

おまけにいじめっ子のリーダー。
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こいつが悪い悪い。
この顔!憎たらしいわぁ。

オスカーが少しだけ成長する姿と それを優しく見守るエリ


この映画はラブストーリーと捉える人も多いと思います。
たしかにオスカーがエリという少女に惹かれ
ちょっとだけ成長する姿をメインに描かれているのですが
この映画の素晴らしさは、単なる甘酸っぱい恋物語で終わらず
呪われた運命と絶望も同時進行で描いている事。

ネタバレを避ける為に詳細が控えますが
吸血鬼であるエリには絶句するような過去があります。
それをオスカーの恋物語と並行して描く事で
今まで見た事がないような、切ない作品に仕上がっています。
色々書きたいのですが。。。
どうしても皆さんに観て欲しいという葛藤があり
今回は大まかに書いています(笑)


オスカーとエリは壁一つ隣の部屋に住んでいます。
二人は電話ではなくモールス信号という手段で
コミュニケーションをとるのですが
これがまた本当に可愛らしくて切なくて。
壁一枚という甘酸っぱさ!
オスカーもエリも本当に可愛らしいのです。

二人の出会いは一個のルービックキューブ。
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初めてのふれあい。

『ぼくのエリ』とハリウッド版『モールス』の違い


まずは原作である小説『モールス』が存在するという事で
原作を読み、どちらの作品も鑑賞した上で
結論をいいますと『ぼくのエリ』の圧勝です。
リメイク版はどうしても二番煎じ的になってしまうので
圧倒的に不利なのですが
今作ばかりは越えられないを感じました。
それほど『ぼくのエリ』は素晴らしかった。

ハリウッド版は原作にやや近い内容なのですが
『ぼくのエリ』に比べるとホラー色が強く出ている分
ヒューマンドラマ性がやや薄くなっているので
ラストシーンまでややドライな印象があります。
というよりもクロエ・グレース・モレッツがたくましく
守ってあげたい雰囲気が薄いという(笑)
ややマッチョな印象になってしまいましたが
これはこれでなかなか完成度が高い作品なので
どちらが好きかは個人差がありそうです。
というかクロエちゃんはリメイク作品に出過ぎですよね。
新作『キャリー』もそうですし。
それだけ期待されている女優なのでしょう。
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どちらの作品も原作を忠実に描いているわけではありません。
原作はさらに絶望的であり、ホラー色が強い作品。
両作品は違う角度から同作を捉えているという意味では
非常に興味深い仕上がりであるといえます。
アメリカはアメリカっぽく
北欧は北欧っぽいという感じですね。
個人的には北欧の方が気持ちよかったです。

ストーリー上どうしても避けられないシーンに修正?


本作で唯一問題といえるシーンがあります。
エリが着替えている所をオスカーが覗くという場面なのですが
そこでオスカーは衝撃の事実を知る事になるのです。
このシーンにモザイク修正が入っているんですよね。
原作を読んでいる人であれば問題ないのですが
初めて劇場でこの物語に出会う人にしてみれば
性的表現に対する修正と勘違いされてしまうような扱いなのです。
しかし知っていると知っていないとでは
このシーンの意味、結末の悲しさが大きく変化する
最重要ポイントと言えるシーンです。
映倫が許可を出さなかった為にモザイク処理されたのですが
こればかりは許せないトホホ修正です。

これから映画を観る方も知っておいた方が良いと思いますので
こればかりはネタバレさせていただきます。
少女と信じられていたエリ、実は。。。という事。
これを知った上でラストシーンを観ると
なんと悲しい結末であるかを感じる事ができるとも思います。
映倫さん頼みますよ本当に。野暮な修正はやめてほしいです。


この物語のクライマックスはやはり
ラストシーンになります。
bokunoeri03.jpg
このラストシーンの後、
オスカーとエリにどんな未来が待っているかを想像すると
胸が締めつけられる思いです。
あらゆる壁を乗り越えて恋をつらぬくという決断。
それはこの映画の先に存在する未来です。
どうかあなたの目で目撃してください。
そして想像してください。
この小さな二人にどんな未来があるのかを。
掛け値なしの大傑作。










[ 2013/10/29 23:34 ] ファンタジー | TB(0) | CM(2)

『13日の金曜日』 これが一作目!ハロウィン間近!ホラー映画で気分を高めよう!

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『13日の金曜日』
Friday the 13th



監督 ショーン・S・カニンガム

1980年
アメリカ
95分



10月31日はハロウィンという事で
お店ではホラーテイストな内装にしたり
店員やお客さんが仮装したりと楽しんでいますね!

ホラーコスプレのド定番といったらといったら
ホッケーマスクの殺人鬼・ジェイソン!
彼を思い浮かべる方が多いでしょう。
インパクト抜群のルックスと
その残酷で凶暴な殺害方法は唯一無二の存在感!
しかしインパクトが強烈すぎたせいでしょうか
あらゆるところでネタとして使われてます。
つい先日も長澤まさみ主演のドラマ『都市伝説の女2』
『13日の金曜日』をネタにしたストーリーをやってました。
志村けんのコントでも定番のホラーネタですね(笑)

あまりに有名になりすぎた13日の金曜日とジェイソンですが
ちゃんと映画を観たという人はそんなにいないんですよね(笑)
どんな話か知らない人の方が多いのではないでしょうか?

今日紹介するのは記念すべき第一作目
13日の金曜日です!
全てはここから始まりました!

クリスタル・レイクで若者たちが殺されていく!シリーズの原型を見よ!


簡単なあらすじ

クリスタル・レイクのキャンプ場で
若者たちが次々に殺されて行く。
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犯人はいったい誰なのか?
その驚くべき理由が明らかとなる。


どうですか!この完璧なあらすじ!

この映画の前後あたりから
スプラッター映画というジャンルが確立しました。
他にもスラッシャー、ショックムービーといった呼び名で
一時期大ブームとなりました。
簡単に説明すると物語云々ではなく
血がドバー!悲鳴がギャー!の映画ですね。
しかし本作はスプラッターやホラーというより
サイコ・スリラーに近いかもしれません。

前回紹介したヒッチコックの『サイコ』
ホラー映画の金字塔『悪魔のいけにえ』のように
サスペンス要素が強い作品です。
褒めすぎかな?いやそんな事はない!
なかなか凝った構成で飽きさせない上手さがあります。
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映画開始五分以内に二人死亡!急ぎすぎ!


主役のアリスはエイドリアン・キング。
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本作ヒットをきっかけに熱狂的なストーカーに悩まされ
彼女は女優業をやめて画家になったのだとか。
いかにもホラー映画のヒロインという
お利口さんでちょっと田舎っぽい雰囲気。

それから…うーん…
もう書いちゃっていいでしょう。
ネタバレになるのですが・・・
なんと一作目の犯人は
ジェイソンではありません。
初めて観た時『え!ジェイソンじゃないの??』と
かなりショックだった記憶があります(笑)
二作目からはジェイソンが大活躍しますが
一作目は謎の人物が猟奇的な殺人を繰り返します。
その正体が明らかになった時の衝撃と言ったら…
鬼気迫るクレイジーな犯人に度肝を抜かれます。

『客をとことん怖がらせてやる!』という意気込みは
その工夫されまくりの殺害方法や
耳障りな効果音、ミステリアスなカメラワークからも
ビンビンに感じる事ができます。
強引な力業でラストシーンまで突っ切ってるのに
妙に完成度が高いのが不思議です。
こういうのを奇跡というのかもしれません。



若き日のケビン・ベーコンが出演しているので
なかなか見ごたえのある作品と言えます。

とにかくモテまくり。
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この数秒後に酷い死が待っています。



それから登場人物がみんな脱ぎたがり!
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パンツでウロウロとか当たり前。

モノポリーで遊んでいても
結局は脱衣という罰ゲームつき!
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主役のアリスすら脱ごうとしてます。
アメリカってこんな国なの?


そもそも13日の金曜日ってなに?


世界的に不吉な日として知られる13日の金曜日。

キリストの最後の晩餐に13人の人がいた
キリストが金曜日に磔刑に処せられた
大洪水からノアが脱出した日
バベルの塔が壊された日


他にも様々な説がありますが
ようするに縁起の悪い言い伝えです。
みんな気を付けようね!という教訓・習慣・法則
すなわちジンクスってやつです。

13日の金曜日だからって
必ず悪い事が起こるわけはないのですが
大切な行事、医療現場では未だにこの日を避ける傾向があり
それは『信じる者がいるので不安を感じさせぬよう避ける』という
後々のリスク回避的な意味があるそうです。

まあいずれにせよ『あ、今日は13日の金曜日か』って気づくと
ちょっと不吉な感じがしますよね。


仕事を選ばない男・ジェイソンという生き方(死んでるけど)


本シリーズは世界中で知られていますが
純粋なシリーズは以下の作品となります。

13日の金曜日(1980年)
13日の金曜日 PART2(1981年)
13日の金曜日 PART3(1983年)
13日の金曜日 完結編(1984年)
新・13日の金曜日(1985年)
13日の金曜日 PART6 ジェイソンは生きていた!(1986年)
13日の金曜日 PART7 新しい恐怖(1988年)
13日の金曜日 PART8 ジェイソンN.Y.へ(1989年)
13日の金曜日 ジェイソンの命日(1993年)
ジェイソンX 13日の金曜日(2002年)


いやー凄い!
一体どこまで続くんだ!という(笑)
ジェイソンもN.Y.に行ったり大変だなぁ。
驚くなかれ『ジェイソンX』宇宙が舞台です。
もうどうにでもなれという感じ。

他にも『エルム街の悪夢』フレディとの対決を描いた
『フレディVSジェイソン』(傑作!)や
最近『13日の金曜日』の1作目のリメイクも作られたりと
終わり見えない作品です。
ジェイソンは愛されキャラなんですね。
ある意味キティちゃんのような存在です。

パロディ作品も数多く存在します。
有名なところでは『新・14日の土曜日』あたりでしょうか。
ほとんどの関連作品は観てると思うのですが
全くと言っていいほど記憶に残らない作品ばかり(笑)
印象に残ってる『PART7』『フレディVSジェイソン』
過去にレビューを書いてますので
よかったらそちらも参考にしてみてください。

それでは楽しいハロウィンを!








[ 2013/10/27 14:45 ] ホラー | TB(0) | CM(0)

『サイコ』 やっぱりこれを観なきゃはじまらない!影響与えまくりの革命的作品!

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『サイコ』
Psycho



監督  アルフレッド・ヒッチコック

1960年
アメリカ
109分



『映画ファンであれば一度は観るべき作品』

ヒッチコック監督のサイコを紹介します。
サイコ・サスペンスというジャンルを確立した
ヒッチコックの代表作です!
もう何度観たことか。。。
何度観ても新しい驚きがあるという
バケモノのような作品です。


怒涛の109分!全く無駄のない強烈なサスペンス


簡単なあらすじ

不動産会社に勤めるマリオン。
恋人のサムには借金があるため
結婚したくてもなかなか難しい状況だった。

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そんなある日、仕事で預かった大金を
出来心から横領してしまう。
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マリオンは車で逃走。
郊外のモーテルに宿泊することに。
モーテルの主人はノーマンという親切そうな青年だった。

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マリオンがシャワーを浴びていると
突然侵入してきた影が襲いかかり彼女を殺害。
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彼女は車ごと沼に沈められてしまう。


行方不明のマリオンを探すマリオンの妹ライラと
恋人のサムは、モーテルにマリオンがいた痕跡を発見。
想像を絶する事件の全貌が明らかになる。




文句なし!面白い!
今観ても全く色あせていない
まさに時代を超えた名作です!
本作はサスペンスなのでネタバレは無しで書きます。
犯人は映画が始まってすぐにわかるのですが(笑)
後半の展開にはネタバレは厳禁。
あらすじにも注意しました。

しかしこれだけ無駄のないスマートな作品も珍しいです。
猟奇的な事件が一本の道筋になっていますが
物語は大きく動きます。
それなの全く軸がブレない!
溜息が出るほど完璧な仕上がりです。


結局のところ『サイコ』の何がそんなに凄いのか


まずストーリーの緻密さ。
よくぞここまで色々な展開を思いつくなぁと
最初から最後まで感心しっぱなし。
練りに練った脚本には本当に驚かされます。
この映画の凄さを象徴するのが
『え!コイツ主役じゃなかったの?』という驚き(笑)

恋人のため横領してしまうマリオン
怪しげなモーテルの主人ノーマン・ベイツ
頭がキレそうな私立探偵アーボガスト
行方不明の恋人を探すサムとライラ

次々と目線が変わっていくという斬新さ!
しかもどれも素晴らしく面白いんですよねー。

それとは別に気になった人はこの人。
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マリオンの逃走を邪魔するポリス。
コイツがやたらしつこい。不気味。


それから物語を盛り上げる
気合の入ったカメラワーク!
この時代にどうやって撮影したんだろう?
見事にカメラが動きまくります。
今でいうクレーンでの撮影のような滑らかな動きや
引きの映像と局部の映像を
素早いテンポで交互に観せる事で生まれる緊張感。
今では当たり前の合成も違和感なく使用されており
ヒッチコックのアイデアが凝縮された決定版です。


鬼気迫る音楽と効果音も素晴らしい!
音楽はバーナード・ハーマン。
弦楽器のみで構成されたオーケストラで
緊迫感のある音楽を作りました。
まさしくサイコスリラーのお手本という
ショッキングなサウンドはお見事。
初めて観た時の衝撃といったら!
音だけでドキーッっとします(笑)


ラスト10分の怒涛の展開!
事件解決後の解説によって
事件の全貌が明らかになるのですが
恐ろしくもトリッキーな犯行は衝撃的。
この映画が後の映画界に
どれだけ影響を与えたのかを感じる事ができます。

・・・という感じに
数え切れない程、この映画にはたくさんの魅力があります。
このレビューを書く為、つい先ほど観たのですが
ええー?これどうやってるの?という驚きがまだあります(笑)



ちなみにコチラ。単なるトイレですが
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ハリウッド映画で初めて上映されたトイレなのだとか。
トイレがタブーだった時代なんでしょうか?
だとしたら相当センセーショナルだったでしょうね。

もう一つ。
出たがりで有名なヒッチコック。
どの作品にもエキストラ出演しているのですが
今回はこれかな?ちょっと自信ないけど。
psycho07.jpg
たぶんこれだな。


原作は実際にあった事件をもとに書かれた小説


本作は実在の連続殺人鬼エド・ゲインの事件をもとに書いた
ロバート・ブロックの小説が原作です。
エド・ゲインといったら伝説の殺人者。
普段は目立たなく大人しい男でしたが
実は墓場から掘り返した死体で
家具やアクセサリーを作っていたという恐ろしい人物。
彼をモデルにした映画は『サイコ』だけでなく
『羊たちの沈黙』『悪魔のいけにえ』など多数存在します。
それだけ衝撃的な事件だったのでしょう。

ショッキングな内容である『サイコ』ですが
公開前のネタバレを防ぐ為
試写を禁止しました。
さらに公開後も上映開始後の入場を禁止するという徹底ぶり!
この条件が守られているかを調べるために
わざわざ探偵を雇ったという噂も。
それだけこの映画に対する思いが強かったんでしょうね。
また、当時アイドル的に人気者だったジャネット・リー
始まって早々出なくなってしまうので
途中入場者が騒がないようにという
隠れた配慮もあったのだとか(笑)

内容を漏らさないという作戦は、大きな宣伝効果になり
わずか80万ドルの制作費でつくれられたにも関わらず
初公開だけで1500万ドルもの収益を上げる大ヒット!
数々の伝説を作り上げるモンスタームービーとなりました。


この映画の後、似たような題材の映画が数多く作られました。
しかしこの『サイコ』を超える映画を作るのは難しいでしょう。
まさにサイコスリラー、サスペンスの教科書。
これを観なければこのジャンルを語る事はできません。

まだ観ていない方が羨ましい!
だって・・・

これからこの映画に出会えるなんて!










[ 2013/10/23 22:51 ] サスペンス | TB(0) | CM(0)

『SOMEWHERE』 ソフィア・コッポラ監督の金獅子賞受賞作品!浮遊感のある意欲作

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『SOMEWHERE』
サムウェア


監督・脚本・製作  ソフィア・コッポラ

製作総指揮  フランシス・フォード・コッポラ

2010年
アメリカ
98分



ソフィア・コッポラが来日!

第26回東京国際映画祭で
特別招待作品『ブリングリング』が上映されました。
『ハリー・ポッター』エマ・ワトソンが主演という
なかなか興味深い作品です。

前回の来日は今日紹介する映画
SOMEWHEREのプロモーションの時です。
彼女は親日家なんですね。
本作は第67回ヴェネツィア国際映画祭で
金獅子賞を受賞しました。
これがまた、なんとも不思議な映画です。


終始漂う空虚な雰囲気 多くを語らない静かな物語


簡単なあらすじ

映画のスター、ジョニー・マルコは
高級ホテルで生活している。
毎晩のようにパーティに明け暮れ
フェラーリを乗り回す彼の暮らし。
誰もが憧れる成功者のように見えるが
彼の心はいつも空っぽで
何をしても満たされることはなかった。

somewhere06.jpg
ある日、離婚した妻から連絡がある。
娘のクレオを一日預かってほしいというのだ。
久しぶりに会った娘は美しく成長していた。
マルコは娘をスケート場に連れて行き
気持ちよさそうに滑る娘を見て
彼女の成長を感じるのだった。


娘との時間はあっという間に終わり
再び忙しくも空虚な生活が始まる。
退屈な取材、共演女優との情事
パーティー、撮影準備...


ある日、クレオがマルコ部屋にやってきた。
母親がしばらく家を空けるので部屋に泊めてほしいというのだ。
忙しい日々の中、限られた時間を娘と過ごす事で
マルコは失いかけていた感情を取り戻していく。




まず驚かされるのがオープニング。
砂漠に設置された定点カメラの前を
高級車のフェラーリが突っ切る。
しばらくするとまたフェラーリが通り過ぎる。
同じ場所をグルグル回っているようです。
何度も繰り返される短調な映像。
ようやく止まったかと思うと
一人の男が車を降りる。
この映画の全体を支配する
空虚なイメージを象徴するシーンです。

そこからは本当に無意味な映像の羅列。
なにも変化のない長回しや
これといって意味を感じないザクザクしたカット割り。
観ているこちらが不安になるほどです。

そこである事に気がつきます。
この男には語るべき日常なんか無いんだという事。
世間ではセレブとチヤホヤされてますが
一人の時間はこれほどまでに空虚なのだという事。

そしてオープニングの映像の意味を理解します。
セレブにしか乗れない高級車に乗ってますが
砂漠をグルグル周回しているだけ。
無意味で空虚。俺は何者でもない。
主人公の心は、底がないバケツのように
何をしても満たされる事はないのです。

映画の撮影時に使う何かを作るために
頭の型をとるシーンがあります。
sashie138.jpg
こんなシーンを長回し(笑)スターって大変。



それと対をなすように
娘と過ごす時間は輝いて見えます。
何気ない会話、食事
テレビゲーム、プール、トランプ
娘は忙しいマルコを気遣いながらも
限られた時間を父と過ごす事ができる喜びで
毎日笑顔。これがまた凄く可愛いんですよねー。
そして父はそんな娘を愛しく感じます。

マルコを起こさないように
朝食を作るクレオが可愛い!
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エッグベネディクト!セレブだなぁ~。
somewhere05.jpg
美味しそうに食べる父を見てこの笑顔!


プールでふざけあう二人。
somewhere08.jpg
楽しい時間が過ぎていく。


もしかして主役は娘? ソフィアの幼少期の思い出


本作はソフィアの幼少時代の思い出から
着想を得て作った物語だそうです。
生まれながらのセレブである彼女だからこそ描ける
満たされない空虚な生活がリアルです。
贅沢言ってんじゃねぇよ!って気持ちもありますが(笑)

父親であるマルコ目線で物語は進みますが
確実に娘が軸になっており
主役はマルコではないのでは?と感じさせるほど。
それはやはりソフィアの分身とも言える
クレオへの思い入れがそうさせているのでしょう。

父が娘との触れ合いによって
自分らしさを取り戻していくのですが
ソフィア目線で考えると
『私を大切にする事で父が自分らしくいられる』という
理想の父を描くファザコン映画(笑)
だからこそ妙にリアルなのかもしれません。

例えばスケート場での表情の変化。
最初は携帯をいじったりしてますが
徐々に娘に魅せられていきます。
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映画が始まってようやく見れたマルコの笑顔。

娘も遠くでニッコリ。
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心がつながり合う瞬間です。




大きな展開はなく、これからどうなるかも描かれていません。
この映画を退屈と切り捨てる人も多いでしょう。
しかしこの映画の『退屈』は絶対に必要な『退屈』。

前作『ロスト・イン・トランスレーション』では
大スターが知り合いが一人もいない異国で
アイデンティティを見失っていく姿を描きました。
『SOMEWHERE』もその延長上に位置する作品です。

この二作で決定的に違うのは
『ロスト~』では『空虚な生活』を受け入れますが
本作の主人公は『空虚な生活』に絶望しながらも
娘との時間で何かを取り戻そうとする所。
似たようなテーマではありますが
全く異なる空気感があります。


ソフィア・コッポラといったら音楽!今回も最高!


デリバリーポールダンサーが
フー・ファイターズ『マイヒーロー』
踊り狂うシーンは爆笑!
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しかもマルコ寝てるし!必要以上に長回し!

親子がプールで遊んでいるシーンでの
ザ・ストロークス『I'll Try Anything Once』も印象的。

ポリスの『ソーロンリー』に合わせて
親子で音ゲーをやってたりと
さりげなく聴き逃せない名曲を放り込むセンス!

ブライアン・フェリー『煙が目にしみる』も素晴らしい!

本作はセリフが少なく、無音の状態が多々あるのですが
そこに気の利いたサウンドが差し込まれる事で
そのシーンを印象的なものにしています。
ソフィア映画のサントラは当たりばかりですねー!

これだけ豪華なメンツをまとめるのは不可能だったのか
オリジナルサウンドトラックの発売はありませんでした。
きっと色々事情があったんでしょうね。
ちょっと残念です。



満場一致で金獅子賞となった本作。
ソフィアならではの美しい映像と
無音と退屈を恐れない挑戦的なカメラワーク
印象的でセンス溢れるサントラ
時々見せる笑いのエッセンス
出演者の魅力を最大限まで引き出す演出は見事。
夏に観たくなる映画がまた増えました。








[ 2013/10/23 13:38 ] ドラマ | TB(0) | CM(0)

『タクシードライバー』 デ・ニーロ来日記念!マーティン・スコセッシ監督 狂気の大傑作!

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『タクシードライバー』
Taxi Driver


監督 マーティン・スコセッシ

1976年
アメリカ
114分



東京国際映画祭にロバート・デ・ニーロが来日しましたね!
元マフィアを演じた痛快マフィア映画
『マラヴィータ』のプロモーションです。
この映画、妻役にミシェル・ファイファー!
娘役に『glee』のディアナ・アグロン!
FBI捜査官役にトミー・リー・ジョーンズ!
監督リュック・ベッソン!
製作総指揮にマーティン・スコセッシ!という
いったいどうしちゃったの?という凄い顔ぶれ!

デ・ニーロ、マーティン・スコセッシといえば
数多くの作品を共に制作する名タッグ。
『レイジング・ブル』『ニューヨーク・ニューヨーク』など
様々なジャンルの映画を世に生み出してきました。
彼らを引き合わせたのはブライアン・デ・パルマだとか。

そんな二人の作品で
最も強烈なインパクトを持つ映画といえば
『タクシードライバー』です。
アメリカン・ニューシネマの最後期にして
代表的な作品と言われるこの作品は
『狂気』を描く大傑作です。
今日はこのタクシードライバーを紹介します。


活気のある街 耐え難い孤独が一人の青年を追い詰めていく


簡単なあらすじ

ニューヨークは麻薬、売春、強盗などの犯罪で
退廃しきっていた。
ベトナム帰りの元海兵隊員トラヴィスは
戦争の後遺症なのか重い不眠症を患っている。
学歴もなく働ける場所もない彼は
タクシードライバーに就職。

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同僚が嫌がる黒人街も走り
ヤバそうな連中もかまわず乗せるトラヴィス。
休日はポルノ映画館に通ったり、当てもなく運転するだけ。


ある日、トラヴィスは選挙事務所の女性に魅かれ
彼女への接近を試みる。
トラヴィスは彼女をデートに誘う事に成功するが
ポルノ映画館に入り、愛想をつかされる。
それ以来会話も拒絶されるようになり
キレたトラヴィスは『殺してやる』と罵る。


トラヴィスの不眠症は深刻さを増し
心は荒んでいく一方であった。
腐敗しきったこの街を俺が浄化してやるという思いは
憤怒から実行性を帯び、やがて目的へと固まっていく。
トラヴィスは裏のルートから拳銃を仕入れ
射撃の訓練と肉体の強化をはじめる。
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彼の中で何かが壊れ始めていた。



映画史に名を残す大傑作
第26回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品です。

ですが、これほど好き嫌いがハッキリする映画も珍しいです。
『面白くない』『意味がわからない』という方も多いのですが
それはテーマを見失っているからだと思います。

この映画の根底には戦争があります。
戦争については具体的に描かれていませんが
トラヴィスが抱える苦悩は
ベトナム戦争からスタートしています。
この事を忘れてしまうとテーマがブレてしまい、
主人公が孤独にやられて
狂人化するだけの映画
になってしまいます。
そうじゃないんですよこの映画。


ベトナム戦争を描いた映画はたくさんあります。
『プラトーン』『ハンバーガー・ヒル』
『フルメタル・ジャケット』
などが有名ですね。
デ・ニーロの『ディア・ハンター』
戦争で精神的にダメージをうけた
ベトナム帰還兵を描いた作品です。
大ヒット作『ランボー』もそうですね。
こういった作品などを観た上で
本作を鑑賞し直すと
トラヴィスの最後の行動の意味も明確になります。

トラヴィスは命をかけて戦ったベトナム戦争から帰還。
ところが帰ってきたアメリカは
麻薬と売春にまみれた腐れ切った国でした。
こんな国のために仲間は死んだのか?という絶望感は
彼にとって耐え難いストレスだったに違いありません。
また、地獄から生還した自分に対しての扱いの不当さ。
英雄として迎えられると思いきや
学歴が無い彼にはまともな仕事にありつけない。
不眠症もおそらく戦地の記憶でしょう。
やがて彼はアイデンティティを見失い
社会への不満や孤独に追い詰められ
自分が生きる意味に飢えて狂人化していくわけです。

ダーティーヒーローと崇められるトラヴィス。
たしかにモヒカン頭での銃撃戦は鳥肌もののカッコよさ!
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このスタイリッシュなデ・ニーロは本当に罪深い。
犯罪者・精神異常者がヒーローのように感じられてしまう。

しかしこれは戦争の被害者が壊れていく姿を描く作品。
彼の行動はどこまでも自己中心的で自己満足。
結果的に新聞は彼をヒーローとして扱いますが
これをヒーローと呼んでいいのかは、やや疑問です。
トラヴィス本人も『新聞は大げさだ』と言いますし。

彼は自分自身の存在を取り戻したかった。
その為だったら暗殺だろうが売春宿を襲撃だろうが
なんでもよかった。
きっかけが欲しかっただけなんです。
ここにトラヴィスの悲しさがあります。

この映画は悲しく虚しい映画。
ミラーに映るトラヴィスの目はいつも悲しげです。
この映画が絶賛された影には
『戦争』を体験した帰還兵の存在があります。
彼らにとって劇中のトラヴィスは
代弁者のように感じられたのではいでしょうか。


映画を彩る音楽 車内から見える夜のニューヨーク


この映画のもう一つの魅力は音楽!
映画と音楽が相乗効果をもっていて
ニューヨークの街並みに絡みつくような
サックスの音色が素晴らしいのです。

このオープニング!
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不安な気持ちにさせる音楽と
雨に滲むニューヨークの街
そしてトラヴィスの超どアップ!
ゾクゾクします!

これはバーナード・ハーマンによる演奏なのですが
このレコーディングが終了して12時間後
息を引き取ったのだとか。
最後の命を吹き込んだ遺作…。
サントラも名盤中の名盤です。


本作の出演者と撮影秘話


デ・ニーロ・アプローチという言葉があります。
デ・ニーロは映画の撮影前に常に徹底した役作りをします。
例えばアンタッチャブルでのエピソードですが
アル・カポネを演じる事になったデ・ニーロが
本人に似せる為だけに前髪を抜いたのだとか。
役者魂のかたまりです。

本作の撮影の際も数週間実際にタクシー会社に勤務し
実際に運転手を務め、徹底的に役の研究を行った
そうです。

また本作のトラヴィスのセリフ『You talkin' to me?』は
アメリカ映画協会が選出した映画の名セリフベスト100
10位にランクインしています。
これは脚本にはなく、彼の即興だったようです。


ベッツィーを演じるのはシビル・シェパード。
ど偉い美人です。
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初デートでポルノ映画を見せられたら引きますよね(笑)
彼女とはこれで終わりました。まあ当然です。

トラヴィスが英雄としてもてはやされ
またいつもの日常が戻ったかのように思えた時
彼女は再び現れます。
トラヴィスに冷たくした負い目でしょうか?
それとも彼の実力行使した行動に賛同したのでしょうか?
真相はわかりません。
しかしトラヴィスはクールにスマートに彼女を見送り
夜の街に消えていきます。
しかし彼の狂気はまだ終わっていないのでは?と感じさせる
ミラー越しの鋭い目が印象的です。


売春で生計を立てる家出少女アイリスを演じるのは
ジョディ・フォスターです。
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当時わずか13歳!
子役から活躍する彼女ですが
本作の出演が今後の女優人生を決定づけたといっていい
刺激的な撮影現場だったそうです。
そりゃデ・ニーロを間近で見てたらそうなりますよね(笑)


この長髪のチンピラ・スポーツを演じるのは
ハーヴェイ・カイテル!
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この頃は30代前半かな?
長髪が似合わない!
実はこれカツラだそうです。
ちなみにデ・ニーロのモヒカンも。
『エクソシスト』のリンダや
『ゴッドファーザー』マーロン・ブランドの老けメイクを担当した
特殊メイクの巨匠ディック・スミスが作成したものです。

ちょっと面白いところでは
監督のマーティン・スコセッシがタクシーの客で出演しています。
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浮気中の妻を『殺ろしてやる』と告白する厄介な客(笑)
トラヴィスは終始無言で告白を聞いていますが
リハーサルの時にはデ・ニーロが得意のアドリブで言い返し
驚いたスコセッシは頭が真っ白になったそうです。
デ・ニーロ意地悪ですねぇ。

調べてわかったのですが
ザ・バンドの解散コンサートを撮った『ラスト・ワルツ』
ローリング・ストーンズを撮った『シャイン・ア・ライト』
マイケル・ジャクソン『Bad』のビデオもスコセッシなんですね!
全部観てるのに全然気がつかなかった(笑)



定期的に引っ張り出して観てしまう
大好きな映画です。
映画を視覚的・聴覚的に捉えるだけではなく
この映画にはどのようなテーマがあり
どのような背景があるのか?
という事を
ちょっと意識するだけで
全然印象が変わってきます。
『いまいちわからなかった』という方も
もう一度観る事で印象が変わるかもしれませんよ?









[ 2013/10/22 14:11 ] サスペンス | TB(0) | CM(2)

『キャリー』 リメイク版公開直前!スティーヴン・キング&デ・パルマの完璧な映像作品

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『キャリー』
Carrie


監督  ブライアン・デ・パルマ
原作  スティーヴン・キング

1976年
アメリカ
98分


10月18日に全米で公開された『キャリー』のリメイク版。
日本では11月8日に公開が決定しています。
キック・アスのヒットガールで人気が爆発した
クロエ・グレース・モレッツが主演という事もあり
楽しみにしている方も多いのでは?
キャリーの母親をジュリアン・ムーアが演じるというのも
いかにもって感じで楽しみです。

さて、今回は1976年に公開されたオリジナル版
キャリーを紹介します!
モダンホラー作家の巨匠
スティーヴン・キングのデビュー作『キャリー』を
ブライアン・デ・パルマが映画化!
圧倒的な映像美と、彼の個性が炸裂した
奇跡の大傑作ホラーです。
本作は大ヒットを記録。
一躍世界中に名が知られるようになります。
しかし凄い二人が揃ったものです。


思春期ゆえの残酷で危険な悪戯 その時キャリーは全てを壊す

 
簡単なあらすじ

女子高生のキャリーは、地味で気弱な性格から
いつもクラスメイトたちからいじめを受けていた。

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いじめはエスカレートしていくが
担任のコリンズによって収拾がつけられた。
いじめた者に対し

 プロムパーティーの参加禁止
 嫌なら毎日居残りで体育授業

という罰をあたえる。
渋々同意する彼女たちだったが
女子の中心的存在クリス(ナンシー・アレン)は
過酷な授業に耐えかね逃げ出す。

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一緒にはやしたてたスーは罪滅ぼしとして
自分の恋人であるトミーに
キャリーをプロムに連れて行くようにお願いする。


母親はプロムに行くことを禁じるが
キャリーは「みんなに溶け込みたい」と
生まれて初めて母に反抗する。
希望と不安との入り混じった気持ちで
プロムへと向かうキャリーだった。

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一方、キャリーを逆恨みするクリスは
恋人のビリー(ジョン・トラヴォルタ)と共に
恐ろしい悪戯を計画していた。



今回は極力ネタバレなしで書きます!

最高!
文句なしの大名作です。
本作はホラーの大傑作でありながら
思春期の少女たちの『いじめ』『初恋』
思春期ゆえの『残酷さ』を描く
青春映画でもあります。
そして最終的には壮絶な復讐が待っているという
他に類を見ない斬新な映画と言えます。

特に後半!もう一秒も目が離せない!
芸術性を追求すると物語が希薄になりがちですが
この映画は言葉が出ないほど完璧。

今まであまり意識していなかったんですが
私ってデ・パルマ作品好きなんですねきっと(笑)

こんな感じに撮ればウケるかな?というのではなく
『絶対にこう撮るんだ!』という異常な熱量(笑)
物語のクライマックスでは
分割画面や、長回し、スローモーション
目線アングルなどを駆使する
デ・パルマカットと呼ばれる独特な映像で
観る者を釘付けにします。
まだ観ていない方は是非体験して欲しい!


彼女の状況が秒殺で理解できる体育の授業
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いじめられっ子って球技ダメだよね。


それぞれの個性が光る 魅力的な出演陣


キャリー役のシシー・スペイセクが素晴らしい!
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友人に溶け込めない地味で内気な少女
初めて恋を体験し、夢や希望にあふれる少女
そして復讐の鬼となる顔を見事に演じ分けています。
この頃すでに27歳だったとか!
驚くべき童顔!

キャリーの母・マーガレットを演じるのは
パイパー・ローリー。
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エキセントリックな演技を魅せてくれます。
本作ではシシー・スペイセクとともに
アカデミー賞にノミネートされました。

チンピラが似合うジョン・トラボルタ(笑)
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それからナンシー・アレン!
この二人が悪いのなんの!


永遠に色褪せることのない『完璧』な映像作品


この映画の魅力を語るのは本当に難しい!
と言うのも、一つのジャンルに絞る事ができない
不思議な作品なんです。
ホラー映画として語っていいのか?という問題。

前半の楽しげでコミカルな映像や音楽
※セクシーな描写もありつつ
思春期の少女たちの難しさを描いた
青春映画のようであり
後半のロマンチックな展開から
一気に転落する絶望的な映像は
パニック映画、恐怖映画そのもの。
恋愛の要素もあり、さらにはオカルトの要素も。

ただ言えるのは
完璧な作品であるという事。
これだけ盛りだくさんな要素を
たった98分でまとめ上げる才能!
スティーヴン・キング原作を
デ・パルマが圧倒的な熱量で
ギューッと濃縮した映画。
ある意味原作では完璧でなかったものを
デ・パルマの手で完成させたような映画です。

『キャリー』のリメイク版は
どこまで本作に迫れるのでしょうか?
キャリー役のクロエ・グレース・モレッツが
ちょっと強そうなのが心配ですが(笑)

リメイク版を観る前に是非予習してください!
映画史に名を残す傑作です。






[ 2013/10/20 14:07 ] ホラー | TB(0) | CM(0)

『獄門島』 金田一シリーズ三作目!美しくも残酷な見立て殺人!犯人は…

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『獄門島』
ごくもんとう


監督  市川崑

1977年
日本
141分


金田一シリーズの第三弾!
獄門島を紹介します!
何故かこのブログ
『金田一』で検索される方が多いみたいです。
調子にのって全部書いてみようと思いまして(笑)

原作『獄門島』と言ったら横溝正史の大傑作。
市川崑はどのように映画化したのでしょう?


よそ者を寄せ付けない孤島・獄門島 恐ろしい連続殺人


簡単なあらすじ

鬼頭千万太は復員船の中で死亡。
死に際、雨宮という男に頼みごとを託す。
それは『妹たちが殺されるのを救って欲しい』という
なんとも奇怪なものだった。
雨宮は友人である金田一耕助に事情を話し
獄門島へ行ってもらえないかと依頼する。


獄門島とは遠い昔、海賊が根城にしていた島で
島に住む子孫の全ては海賊、罪人であり
外部の人間を寄せ付けない古い因習の残る孤島。


その獄門島に渡った金田一は鬼頭家を訪ねる。
鬼頭家は島の有力者であった。
さらに『本鬼頭』『分鬼頭』という
二つの一族が対立している。
金田一が千万太の死を知らせた事をきっかけに
本鬼頭、分鬼頭の跡取りをめぐり
次々と連続殺人がおこる。



『悪魔の手毬唄』
横溝正史の世界を完璧に映像化した市川崑ですが
本作では一作目『犬神家の一族』のような
エンターテイメント性を再び魅せてくれます。
映画そのものも派手な仕上がりで
金田一ファンを喜ばせるシーンがいっぱい。

そしてなにより出演者の豪華さ!
前作を超えるゴージャスな役者が揃っています。

艶やかな三人の娘たち。
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どこか夢うつつ・・・
いや、完全にラリってます。
長男が死んだ今、この三人のうち
誰かが跡目という事に。
不安です。
ちなみに右は浅野ゆう子です。

この物語のヒロインは早苗を演じる大原麗子。
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う・・・美しい・・・

トモエを演じるのは太地喜和子。
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綺麗な女優さんでしたね。

散髪屋の娘、お七は坂口良子。
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かわいい!いつものトボけた演技をみせてくれます。

獄門島の歴史を知る了然和尚は佐分利信。
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声がシブイ!映画がグッとしまる存在感。

ああ・・・みんな亡くなってしまったんですね。。。
寂しい。


さてさて。
金田一といったらこの格好。
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見るからに汚くて貧乏臭い感じがしますが
この着物は非常に高価なものらしいです。
石坂浩二の話では、撮影が始まる際に
絶対に破かないでください!と念押しされたとか。

ところがこの『獄門島』で袴が破けるという事件が。
問題のシーンがこちら!

まさかのターザン!
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無茶するなぁ・・・
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そしてヤバめの落下!
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石坂浩二の話では
撮影スタッフが猛ダッシュで駆け寄ってきたので
『俺の事を心配してくれてるんだなぁ』と感動していたら
全員が袴を心配してたのだとか(笑)
残念ながら袴は破れてしまったようです。

安心のクオリティ 三木のり平!
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今回も笑わせてくれます。


娯楽映画としては満点! しかし濃厚さが薄れた物語


市川崑監督が
『原作が凄いのは獄門島だが
撮影するとなると非常に難しかった』
と語っていました。

一作目『犬神家の一族』では
横溝正史の世界をそのまま映画化する事に成功し
二作目『悪魔の手毬唄』では
新たなアプローチでさらなる深い味わいものを作りました。

そして第三弾となる『獄門島』ですが
観終わると確かに過去の二作と比較すると
試行錯誤している雰囲気があります。

市川崑監督の『難しい』と言った意味。
それはズバリ『犯行の動機』

金田一シリーズの犯人は決まって『悲しい』のです。
呪われた運命、壮絶な過去を背負った人間が
鬼となり、夜叉となり、残酷な殺人を犯します。
単純に『犯人=悪』ではないんです。
しかしこの『獄門島』ですが
犯行の動機がやや薄いのです。

振袖の娘が木に逆さ吊りになっていたり
花びらが撒かれていたりと
見立て殺人の芸術性はトップクラスなので
何故このような連続殺人が起こったのか?という
好奇心が高まるのですが
終わってみると『そこまでする必要があったのか?』という
やや消化不良な気持ちになります。
原作に手を加え『犯人を変更する』という
大胆なアレンジを加えましたが
『動機』がちょっと理解しがたいものだったので
少し惜しいなぁと思いました。


しかし映画の面白さは抜群!
過去の作品に負けないものに仕上がっています。
金田一シリーズの中で、この映画が一番好きっていう人も。
それは娯楽作品としてのクオリティが
異常に高い事が理由だと思います。

それからお馴染みの常連達!
今回も出演してます!
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初出演の司葉子上條恒彦稲葉義男
松村達雄東野英治郎!豪華豪華!

常連組の小林昭二ピーター大滝秀治も出演してます。

もちろんこの人も!
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等々力警部!加藤武!










[ 2013/10/19 13:45 ] ミステリー | TB(0) | CM(2)

『悪魔のいけにえ2』 どうしてこうなった!悩ましくも無視できない究極の続編

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『悪魔のいけにえ2』
The Texas Chainsaw Massacre 2


監督  トビー・フーパー

1986年
アメリカ
100分


大ヒット作、傑作には『続編』がつきもの。
また、その続編というのが完全なる失敗作で
前作のファンを失望させたなんて事もよくある話です。

さてさて、ホラー映画界では
それを極端にしたような現象が多々あります。
もはや続編と呼べない別物の映画なんて事も。

大名作『死霊のはらわた』の続編である
『死霊のはらわた3 キャプテンスーパーマーケット』
なんてのは典型的な別物パターンです。
何が悲しくてタイムスリップせにゃならんのだ。

そして本作悪魔のいけにえ2です。
これがまた・・・
どうしてこうなった?としか言いようがない
腰を抜かす続編となっております。
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トビー・フーパーの悪ふざけ!あらゆる意味でパワーアップ!


簡単なあらすじ

車を爆走させながら大はしゃぎする
調子こいた馬鹿二人組。

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いかにも殺されそうな雰囲気です。

ラジオ番組にイタズラ電話をかけては
下品な言動を繰り返しゲラゲラ笑っております。

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性懲りもなく何度目かの電話の最中
対抗車線から大きな車が近づいてくる。
どうも様子がおかしい。

その車の挑発的な運転にムカついて
暴言をあびせる馬鹿二人。
すると突然!車の屋根にレザーフェイス登場!
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チェーンソーで車ごとめった斬り!
馬鹿を惨殺!
電話はラジオ番組と繋がったまま。
彼らの悲鳴とチェーンソーの音がラジオ番組に…



ここまではね…
まあそこそこ面白かったんですが…
ここから先は斬新すぎてついて行くのがやっとです。

ホラー映画の原点であり
一切の無駄がない孤高の芸術作品である
『悪魔のいけにえ The Texas Chain Saw Massacre』

あの大傑作映画を超えるものなんか
絶対に作れっこないよなーって思ってましたが
やっぱり無理でした(笑)
しかーし!
この映画を失敗作で終わらせたくない!
だって…凄く頑張ってるんです!



チェーンソー 対 消火器
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消火器の勝ち!

ブルース・スプリングスティーン
『ボーン・イン・ザ・U.S.A.』のポスターが泣かせる


ファンを裏切る大幅リニューアル!ある意味『大正解』?


評価された芸術性を削ぎ落とすという
全てのファンを裏切る乱暴な手法で
『全力で怖がらせる! 』という
エンターテイメント作品にシフトチェンジ!
しかも多少お金があったのか
なかなか凝ったギミックもあり
見かたによっては凄く楽しめる映画になっています!

出演者のテンションが非常に高く
コメディの要素が強いのも特徴です。
そして一番の驚きは、なんと言っても
『レザーフェイスの恋』を描いている事!
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ラブとかメルヘンとかホラーの禁じ手だろ!

しかしこの変化
ある意味、理にかなっています。

前作の怖さは正体不明の大男に襲われる怖さ。
どんなに逃げても後ろからチェーンソーの音が近づいてくる!
極限まで緊迫する怖さで魅せる映画でした。
でもこれは一回きりの手ですよね。
だって2作目にもなると正体は知ってるし
きっとこう襲ってくるに違いない!という予測も可能。

そこでトビー・フーバーは思い切った内容にしました。
コメディ、スプラッターの要素を極端に増やし
出演者も濃いキャラクターを集め
逃げるだけではなく戦うシーンも追加。
さらにセルフパロディも盛り込みました。
どうしてそんなに欲張った?という意欲作です!

結果的には空回りのシーンも多々ありますが
ホームランを狙って三振する打者のような潔さ(笑)
前作と比べちゃダメ!ダメ!
あれは奇跡だったんですから!
そもそも続編もトビー・フーパーが撮ってるんだから
誰も文句言えないし!

レザーフェイスがヒロインに一目惚れしようが

レザーフェイス一家が廃墟遊園地に住んでいようが

緊迫感のない追いかけっこが異常に長かろうが

保安官(デニス・ホッパー!)が
2刀流チェーンソーをカッコ悪く振り回そうが
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これは全て監督の意向!
嫌なら観るな!の力業!

散々書きましたが、これって面白いって事かも?
これほどツッコミどころの多いホラーは滅多にありません。
ポップコーン食いながら笑って鑑賞しましょう。








[ 2013/10/16 00:00 ] ホラー | TB(0) | CM(2)

『奇人たちの晩餐会』 馬鹿が無邪気に全てを壊す!超傑作コメディ!

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『奇人たちの晩餐会』
Le Di^ner de cons



監督・脚本  フランシス・ヴェベール

1998年
フランス
80分



1998年のフランス映画
奇人たちの晩餐会を紹介します。

セザール賞(フランスのアカデミー賞のような名誉ある賞)で
脚本賞、主演男優賞、主演女優賞を受賞した作品です。
本作はヴェベール監督が手がけた
同名の舞台劇を映画化したもの。

ジャック・ヴィルレが演じる
鬼気迫るバカ『ピニョン』に笑いっぱなしの80分!


ダントツの面白さ!ピニョンの破壊力を見よ!


簡単なあらすじ

パリに住む編集者のピエールには
ひそかな趣味があった。
それは毎週水曜、友人とディナーを取ること。
しかし、そのディナーがかなり変わってる。
金持ち達はそれぞれとっておきのゲストを同伴。
その中からキング・オブ・馬鹿を決めるという
非常に悪趣味な裏テーマがあった。
これこそ『奇人たちの晩餐会』である。


今回ピエールが選んだゲストは
官庁に勤めるピニョンという男。
彼はマッチ棒を30万本以上使って
巨大な模型を作る変人であった。


ところがピエールに次々と災難がおこる。
晩餐会の直前に腰を負傷。
さらにピエールの妻が去ってしまう。
彼の悪趣味についていけなくなった為である。
止むを得ずディナーをキャンセルしようとするが
その前にピニョンがアパートに現れる。
彼の出現により、ピエールは人生最大の危機をむかえる。

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この作品は凄い!
80分という短さですが
なんという濃密な脚本!
ここまで完成されたコメディって
滅多にありません。

本作はシチュエーション・コメディ。
シチュエーション・コメディとは
人物と舞台が固定されているものを指します。
日本では三谷幸喜が得意ですね。

タイトルに『晩餐会』とありますが
晩餐会そのものを描くのではなく
晩餐会に行けなくなったピエールの自宅が舞台。
すべてこの部屋で行われる密室劇です。
このタイプの映画は制限が多いので
上質な脚本が必要になります。
本作は最高と言っていい内容です。


初めは金持ちの道楽(悪趣味な)という
『バカを笑う』という上から目線でしたが
ピニョンが訪ねてきてからというもの
ピエールは窮地に立たされっぱなし!

ピニョンはホームラン級の馬鹿です。
いや、そんなもんじゃない
未知の生物と言っていい
超危険人物。

特徴としましては

 言われた事をその瞬間に忘れている

 やめろと言われた事をやる
 やれと言われた事をやらない

 おせっかいの癖に何も役に立たない


たったこれだけなのですが
スケールが違います。

ピエールの腰を悪化させ
夫婦仲を悪化させ
さらに財産や人生をも脅かします。
常軌を逸したレベルのうっかり
ピエールの全てを台無しにしてしまいます。
しかも全て悪気なく。無邪気に。
天然で。

何より問題なのが
全然帰ってくれないという事!
ここまでくると怖い!
大変だ!
馬鹿に殺される!


私にまかせて!と電話をするが
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要件を一つも伝えずに
相手と大喧嘩を始め
電話をガチャ切りするピニョン。

あっけにとられる二人。
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『凄すぎる…』


バカがケロッとした顔で世界を破壊する 80分の芸術作品


フランス人特有の底意地の悪さ(失礼)が
この映画では素晴らしく活きていて
ピエールの行動が裏目になる度に
観る者は笑わずにいられない!
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ピニョンを呼んだのが運の尽き。
彼の突き抜けたバカは天井知らず。
バカはバカでも一流のバカです。
二流の人間を超越している存在だという事を
ものの見事に思い知らされます。
もうそのくらいにしてあげてと思うほど。

ピニョンのバカを目の当たりにした瞬間
ピエールはこう言いました。
『レベルが違う』


最初はピエール=嫌な奴だったのが
いつの間にか被害者になり
ちょっとだけ仲良くなりかけて…という
丁寧な心理描写のおかげで
ピエールの感情が手に取るようにわかります。
観客の心を上手にコントロールする展開。
凄く上手いです。

これだけ笑わせておいて
ラスト10分でちょっぴり泣かせ
そして最後には大きなオチが!
一つ一つのシーンにちゃんと意味があり
最後まで無駄がない見事な流れ。
溜息が出るほど完璧な作品です。

子供がよく言う
『バカっていう奴がバカなんだよ』は真理だなぁ。
心に残る素晴らしい映画です。








[ 2013/10/15 09:37 ] コメディ | TB(0) | CM(0)

『ソウルキッチン』 ドイツ発!音楽とお酒とおいしい料理!面白いぞ!この映画!

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『ソウル・キッチン』
Soul Kitchen


監督 ファティ・アキン

2009年
ドイツ
99分



とことんお洒落で最高に笑える映画
『ソウル・キッチン』を紹介します。
愉快な登場人物たちと
素敵なソウルミュージック!
そしてなにより
美味しそうな食べ物がいっぱい!


負のスパイラルの真っ只中 奇跡の連鎖がキッチンを救う!


簡単なあらすじ

ソウル・キッチンのオーナーであるジノスは
恋人のナディーンと別れ、
税務署や衛生局とも揉め
挙句に椎間板ヘルニアになるという
踏んだり蹴ったりな日々を送っていた。
もはや店を維持するのは不可能かと思われたが…

料理どころか歩行すらままならないジノスは
偶然知り合った料理人シェインに代理シェフを依頼。
彼の料理は客を魅了!
更に刑務所から仮出所中の兄イリアスがかける音楽で
客は大喜び!日に日に客は増えていく。



いやー面白かった!
最後の最後まで楽しめました。
ソウルキッチンというタイトルもいいですね。
ドアーズの名曲!
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主人公もジム・モリソンに似てるし!
いつドアーズが流れるのかな?って思ったら
なんと一回もかからない!
監督の話では大人の事情らしいです。

店主ジノスは音楽と店を愛する優しい男です。
恋人や友人を大切にするナイスガイ。

兄のイリアスは仮出所中。
出所の期間を伸ばしたい為だけで
働いているフリを願い出るダメ男。

店で働く面々もバンドマンのルッツ
不法滞在のクールビューティー
お酒を音楽と絵を描くのが好きなルチア
料理の腕前は一流だが
人格に問題ありのシェフ、シェイン
家賃払う気なしの謎の爺さんソクラテス

みんなダメな奴ばかりなんですが
このメンバーが揃うと何故か個々が輝き始め
なんとも痛快なレストランの出来上がり。
こういう映画大好きです。

他にもたくさん気になるキャラが登場します。
ラスト15分くらいにも新キャラが出てくるので
まだぶち込んでくるのかよ!って思いました(笑)


やりたい放題の物語なのに、目が離せなくなる脚本の妙


税務署にステレオを持って行かれてしまい
大好きな音楽を失ったジノスですが
試しに店員のバンドマンに練習させたら
ぼちぼち客が来るようになり
集まった客は腹が減るので飯を注文。
喉が渇くので酒を飲むという
なんともわかりやすく痛快な展開!
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ロックンロール!
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大繁盛のおかげで税金も払えました!

スタイリッシュな映画ですが
そこかしこに笑いの罠があって
いちいち面白い!

個人的に一番好きだったのが
ヘルニア患ってから習った腰痛体操。
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仕事の合間に
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客がいなくなってから
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クラブに出かけても
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忘れた頃にやられるのがツボでした。
真面目なんですよジノス。


それからジノスイリアス
二人は似てないようで共通点が。
二人ともウスノロっぽいんですが
学習能力が凄まじい!
まともな料理一つできなかったジノスは
シェインから基礎を習い
あっという間に上達!
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レコードの再生方法も知らなかった兄は
好きな子が音楽好きと知るやいなや
DJとして見事に開花!
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夢中になると上達が早い(笑)


最高の音楽に、最高のメシ!ソウルキッチンに行きたくなる!


レストランが舞台なので
美味しそうな料理がたくさん出てきます!
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料理をするシーンって大好きです。
美しい包丁さばき、アートな盛りつけは
まさにエンターテイメント!
※こちらのブログで一品を再現しています!お見事!
 かてmemo『白身魚のオーロラソース添え』


シェフのシェインがカッコイイんですよ!
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アル中のクセに繊細な料理!
こういうキャラクター好きだなぁ。

お酒もたくさん出てきます。
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ドイツ人は飲みっぷりがいい!
ぐでんぐでんに酔っ払ってる奴がいっぱい!

おいしい料理、お酒、音楽が揃って
物語も痛快!出演者も魅力的!
こんなに面白い映画に仕上げちゃうんですから
この監督は本当にセンス抜群。

ソウルミュージック
ロックンロール
おいしい料理
おいしいお酒

何度でも観たくなる魅力的な映画です。
友達とワイワイ観るのもおすすめ!
是非おいしいご飯とお酒も用意してください!









[ 2013/10/13 16:19 ] コメディ | TB(0) | CM(0)

『NINIFUNI』 わずか42分!我々は何を見たのか?を感じる映画 ※ももクロも出演!

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『NINIFUNI』
ににふに

監督  真利子哲也

2011年
日本
42分



2011年公開の短編映画『NINIFUNI』を紹介します。
『世界は僕に気づかない。』というコピーが印象的。
42分という短さです。

第64回ロカルノ国際映画祭招待作品と書かれていましたが
ロカルノ映画祭には短編部門がありますね。
ちょっと難解だったり普通の感覚で鑑賞できない
鑑賞者に対し挑戦的な作品が多く選出される映画祭です。

さてどのような映画なのか?
今回はネタバレありです。
ネタバレしないと自分の乏しい文才では
感想が書けないような映画でした。。。


主人公にセリフなし。使い分けられたカメラ。観るのではなく感じる映画。


簡単なあらすじ

殺風景な地方都市の国道沿いで強盗事件が起こる。
※二人組の犯人が従業員を脅し金を奪った。

犯行に及んだ青年(宮崎将)は車を奪い逃走。
あてもなく彷徨っているようでもあり
何かを探しているようでもあり。
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やがて人気のない海岸にたどり着いた青年は
練炭に火をつける。

数日後、ある男(山中崇)が車を発見する。
彼は何事もなかったかのようにその場から少し離れ
彼の指示のもと、ももクロのPV撮影が開始された。




この映画、一番の特徴は
主人公にセリフがない事。
主演は宮崎将
女優・宮﨑あおいのお兄さんです。
一人で歩き、一人で飯を食う。そして一人で死んでいく。
彼に言葉を発する機会はありませんでした。
本作の異質な雰囲気はまずこの『沈黙』にあります。

そして気になったのがカメラ

最初は手持ちのカメラがぴったりとくっついて
まるで自分が撮影しているかのような映像。
つまりその場にいるような錯覚になる目線。
しつこいくらいに長回ししています。
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男の足音、国道を猛スピードで走るトラックの音
無音の車の中でのラーメンをすする音など
日常よく耳にする音をそのまま録音。
そのリアリティがやや不気味です。

そして突然映画の雰囲気が変わります。
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山中崇が登場するシーンでは複数のカメラが
シーンをつなぎ合わせるという
いわゆる映画的な映像になります。
やっと映画が始まったような気分になります。

それから犯行が映し出された防犯カメラ

もう一人の犯人が連行された際の定点カメラ

そして最後は上空から見下ろす国道。

初めは人間が撮影している生々しさがあったのに
やがて人工的なカット割りを使用する映像になり
防犯カメラ、定点カメラでは人間らしさのない
機械の冷たさを感じます。
そして最終的には上空からの映像。
空中にいることでしか見る事ができない神様目線

だんだん人間らしさから離れていくような
実験的なカメラの使い方。
意図したものかはわかりませんが
個人的には面白い魅せ方だなと思いました。



本作の主人公がただ歩く長回し映像を観て
何かに似ているような気がしたのですが
1971年に放送された『さすらい』という作品でした。
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佐々木昭一郎が脚本・演出を担当した単発ドラマで
NHKアーカイブスで再放送していたのを観ました。

主人公が看板屋で働いたり、サーカス団について行ったり
米軍ハウスをまわったりという自分探しの旅を
これといった大きな展開もなくただ映しているような作品。
友川かずきや遠藤賢司が出てたので観たんですが
脚本ではなく『今起こっている事』を見せる事で
物語を感じさせるという、不思議な作品でした。
そのアングラっぽい雰囲気がツボで
再放送を録画して何度も観ました。

作品そのものは似ていませんが…
本作のさびれた街を彷徨う主人公の姿は
脚本や演出で動く俳優というよりは
ただの男として画面に存在しているよう見え
『さすらい』の主人公を思い出させました。
一見ダラダラしているような長回しも
根底にあるテーマと監督の狙いが重なり合うと
必然性を持つんだなぁと思いました。

腹が減る。
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マックのポテトを食う。
このマックのポテトってのがね。。。
なんとも虚無的です。

そしてまた腹が減る。
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カップ麺を選ぶ。悩む。

このカップ麺を選ぶ時間って
人生でもっとも無駄な時間に感じます。
私も凄く悩む派です。

結局、海鮮系をチョイス。
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車内に響くすする音が不気味。
こんな映像が続きます。



無関心という凶暴な行為 余裕のない人間の残酷さ


本作には『無関心』をテーマにしています。
無関心というのはとても残酷な事であるという事。
問題提起というとちょっと安っぽくなりますが。

しかしこの映画、もっと根深い何かがあるような気がします。

確かに主人公の自殺に無関心である登場人物達に
嫌悪感や不気味さを感じますが
それは『主人公の自殺』を軸に観ているからです。
でもこの主人公、冷静に考えると
全然可哀想じゃない!

主人公の自殺は身勝手な行動であり
強盗だって許される事ではありません。
さらに指名手配で世間を騒がせ
警察を振り回しているわけです。
コピーである『世界は僕に気づかない』
彼の身勝手な気持ちを表していると思います。

ラストシーンで運ばれていく車も
結局は他人の手を煩わせているという
象徴的な映像。


無関心の原因は『余裕の無さ』です。

 強盗で指名手配、生きる希望を見失い
 死に場所を探して国道を彷徨う男。

 死体を目の当たりにしながらも
 それを無かったかのように無視を決め込み
 今日のスケジュールを無事に終わらせたい男。
 ※山中崇が凄い!あの冷めた感じ

 少女という限られた時間を感じながらも
 大勢の視線を浴びながら
 必死に歌って踊るアイドルグループ。

 逮捕者が署内に入ってきても
 見向きもせずに働き続ける刑事達。


見る角度を変えると、誰もが余裕のない
ギリギリの生き方をしています。
この作品、全ての登場人物は
自分の人生を余裕なく生きているだけ。
余裕がない者は
他人への感心が希薄になり
時として人間らしさやモラルといったものが
単なるイデオロギーや綺麗事でしかなくなります。
言葉にすると残酷に感じますが
これは我々の日常として確実に存在します。


不思議なタイトル『NINIFUNI』に込められたメッセージ


『NINIFUNI』とは仏教用語の
『而二不二(ににふに)』という
『而二』『不二』の二つの言葉が合わさった言葉です。

而二は『表と裏』、『光と影』など
二つの面から物事を捉えること。

不二は、二つの面があっても、
その本質は一つであるという概念。

輝かしい未来を夢見ながら
必死に歌って踊るアイドルグループと
誰にも関心を持たれず
ただそこにあるものとして存在している死体を
同じフレームにおさめるシーンがあります。

主人公の『死』と、ももクロ『生』という
極端な二者を映す『而二』のシーンが
結果的に『不二』である事を感じさせるという
『NINIFUNI』というタイトルを象徴する
この映画のクライマックスといえる場面。
映画を観ている者に何かを感じさせようという
言葉のない強いメッセージがあります。

正直な話。。。
ここで終わってもよかったのでは?と感じました。
この先に待っているのは
事件の真相と犯人逮捕、裁判について
細かく丁寧に文章で説明します。
監督はどんな意図でこの文章を入れたんだろう?
確かにわかりやすくはなるんですが
十分伝わる映像作品なのに
ちょっと親切すぎると思いました。
短編、中編映画の難しさかもしれません。

エンディングで流れる『行くぜっ!怪盗少女』は名曲!
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ももいろクローバーはチョイ役ではなく
この映画で重要な役割を担っていました。

後味の悪さと不気味さ。
バッサリと切り捨てられるエンディング。
観終わった時に何を感じたのか?
この映画はそこで完成します。









[ 2013/10/10 14:23 ] 短編 | TB(0) | CM(2)

『病院坂の首縊りの家』 これが最後だ!金田一最後の事件!シリーズの集大成

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『病院坂の首縊りの家』
びょういんざかのくびくくりのいえ


監督  市川崑
原作  横溝正史

1979年
日本
139分



市川崑&横溝正史&石坂浩二のトリオでお馴染み
金田一耕助シリーズの最終作
病院坂の首縊りの家を紹介します。
横溝正史作による同名の長編推理小説の映画化。
『金田一耕助 最後の事件』として有名です。

原作ではなんと事件発生から20年を書くという
とんでもない長編作となっていますが
本作は小説で言うところの上巻の部分を
市川崑が見事に一つの映画として完成させました。


まさに集大成!謎だらけの事件と複雑な人間関係 そして残酷な運命


簡単なあらすじ

奈良県吉野。
この街に古くからある本條写真館に
一人の女性が出張撮影をお願いできないかと訪ねてくる。
彼女の話では兄の結婚写真らしい。
撮影場所はかつて女性が自殺した廃墟。
殺気立った花婿に、朦朧としている花嫁。

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金屏風の上には季節はずれの風鈴が吊られており
なんとも不気味な光景だった。
無事に撮影は終了。
程なくして依頼主の女から電話が。
『風鈴を撮影して欲しい』と言う奇妙な依頼。
しぶしぶ廃墟に戻ってみると
そこには恐ろしいモノを発見。
花婿の生首が風鈴のように吊るされていた。

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シリーズ最後の作品でありながら
過去の作品とちょっと雰囲気の違うカラーの本作。
何度も観たくなる不思議な魅力を持った映画です。

この映画が始まって一番最初のシーンは
驚くなかれ・・・なんと!
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原作者・横溝正史!
しかも推理作家役!
こんな映画観た事ない!
金田一が横溝正史を訪ねてくるという
斬新すぎるオープニング。
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金田一はもちろんこの人。石坂浩二!

横溝先生はセリフ棒読みではありますが
ファン悶絶のシーンです。

あらすじでも書きましたが
非常に不気味な事件なわけですが
これは今後繰り広げられる悲劇の序章。
過去の集大成と言える複雑怪奇な事件が始まります。


本格ミステリーの風格と ファンへのご褒美的笑いのエッセンス


本作は過去の四作品『犬神家の一族』
『悪魔の手毬唄』『獄門島』『女王蜂』
の中で
トップクラスの難事件です。
と言うのも、とにかく人間関係が複雑なのです。
入江たか子、佐久間良子、萩尾みどり、桜田淳子という
4代に渡った家系図を理解する必要があります。

『え?この人は誰の子?』
『ん?こいつの父親は誰?』
『あ?この二人は血が繋がってないの?』


なーんてモタモタしていると
ものの見事に物語に置いていかれます(笑)
劇中の金田一すらその複雑さに苦戦!
この複雑な人間関係は原作ではさらに壮絶!
市川崑は上手にシェイプアップしているので
テンポが悪くならず物語に集中できます。


そしてこの映画の大きな魅力といっていい
『笑い』の要素!
シリーズを総括するような
セルフパロディのエッセンスが実に面白い!
大げさなコメディではなくクスクスっとくる感じ。
三木のり平、大滝秀治、常田富士男といった常連組も
これが最後だ!とばかりにサービスしまくりです!

その中でもひときわ目立つ役者がいます。
日夏黙太郎(草刈正雄)が最高なんですよ。
抜群の男前なのに、とぼけた雰囲気
好奇心が旺盛で凝り性な性格
若々しくてハツラツとした喋り方
小汚い無精ひげという世間を舐めてるルックス!
残酷で重たい物語の中、縦横無尽に大活躍!
最後まで笑わせてくれます。
今では黙太郎に会いたくてこの映画を観るくらい(笑)
この御飯を食べるシーンもいいなー

やたらと活気のある食堂。
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人でごったがえしています。

丼ぶりをモグモグの金田一。
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物を食いながら考えるのが彼の癖です。

何を食ってるのかなぁーと思い
ちょっとズームしてみました。
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その答えはすぐにわかりました。

黙太郎が到着。
金田一と待ち合わせしてたんですね。
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店名は『食堂かしわや』と判明。
貼られてるメニューが熱い!
『焼飯70円』、『カレーライス80円』!!

金田一『僕と同じものでいいですね!』と    
玉子丼と味噌汁を注文!
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玉子丼ってのがなんかシブイ!

一気に喰い始める黙太郎!
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豪快!


そして準主役(?)と言っていい
加藤武演じる等々力警部!
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『よし!わかった!』の名セリフはもちろんの事
有終の美を飾る豪快な粉薬パフォーマンス!
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やりすぎだって!

金田一も負けていません!
頭ボリボリボリボリ!
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いつもより余計に掻きむしっております!

さすがの信人もこの表情。
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この映画って本当に大サービス!


最後にふさわしい超豪華な出演者たち


この映画・・・なんと言っても
桜田淳子が超絶に美しい!
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本作では兄を慕う心優しい山内小雪(右)と
エキセントリックな法眼由香利(左)の二役を演じます。

この二人、姉妹ではないのに瓜二つなのですが
このソックリな理由というのも
本作のになる要素。

山内小雪は兄の敏男(あおい輝彦)とともに
進駐軍の駐屯地をまわるジャズバンド
アングリー・パイレーツ(名前最高)の一員です。
彼女が歌うのは『ペーパームーン』
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このブログでも紹介した名画のタイトル曲です。
これがとても良い雰囲気で
歌手・桜田淳子としても非常に魅力的です。

そして佐久間良子が演じる法眼弥生。
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この物語の中心人物であり
誰にも言えない秘密を抱える
影のある未亡人をしっとりと演じています。
弥生は猛蔵というの化物のような男のせいで
呪われた人生を歩んできました。
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※猛蔵の独特すぎる体操。


他にも
萩尾みどり、ピーター、中井貴惠
三条美紀、岡本信人
清水紘治、小林昭二
白石加代子、入江たか子
草笛光子、本條徳兵衛
などなど
過去の作品でもお馴染みの出演者が
それぞれ存在感ある演技を魅せてくれます。
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この映画のラストシーンは美しくも悲しい。
何度も言いますが金田一耕助、最後の事件です。
横溝正史の大ファンである市川崑の情熱を感じます。
機会がありましたら是非ご覧ください!



金田一シリーズのレビューはこちら
悪魔の手毬唄




[ 2013/10/08 00:56 ] ミステリー | TB(0) | CM(6)

『プリティ・イン・ニューヨーク』 ミラ・ジョヴォヴィッチ出演!ミラの可愛らしさが殺人的!

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『プリティ・イン・ニューヨーク』
YOU STUPID MAN


監督 ブライアン・バーンズ

2002年
アメリカ ドイツ
95分



ミラ・ジョヴォヴィッチが出演するラブコメです。
どうなのかなー?って思いつつも紹介(笑)

だってこの映画…

過去全ての作品の中で
一番ミラ・ジョヴォヴィッチが可愛いのです!


原題は『You Stupid Man』ですが
※「おバカさん」みたいな意味かな?
何をどうすればこんな非道いタイトルになるのか…
まぁ日本未公開って事もありますが
どうしてこうなった?という邦題ですね。
あ、ちなみに中古で買いました。
実はずっと見たかった映画の一つなのです。
観れてよかったー。


どこにでもある恋愛映画だからこそ光る ミラの存在感


簡単なあらすじ

女優を目指すクロエは、永遠の愛を誓ったオーウェンと離れ
芸能界の華々しい世界へ旅立ちます。
これが不幸の始まりです。


おそらくクリスマス。
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私たちの愛は永遠よ!愛しているわ!

久しぶりに会いにきたオーウェン。    
花束を持って楽屋を訪ねます。
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このアホ面!

なんと楽屋では浮気の真っ最中!
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なんとも豪快な浮気っぷりです。

永遠の愛は一瞬で崩壊
※映画開始5分ほどで、この展開です。

時が過ぎてもクロエを忘れられないオーウェン。
未練の塊であるオーウェンを心配した友人達は
ナディーンという素敵な女性を紹介する。


『はじめまして』から10秒で
ナディーンを怒らせる。
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女をイラつかせる天才です。

ふられた女の話しかしないバカ男
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ステーキのソースが多すぎるといいながら  
なんとナディーンの皿にベチャ!
最悪!もう死ねばいいのに!

喋りまくるオーウェンを見るこの顔!
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この人馬鹿なんだ。可哀想。っていう目!

その後オーウェンとナディーンは
いがみ合う関係からお互いを心配し合う友人となり
いつしか大切な人だと気づき始める。

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上手な演者が揃った心地よいラブストーリー


ストーリーを読んでもらえればわかると思いますが
なんて事のない三角関係のラブコメです。

しかーし!
ナディーンを演じるミラ・ジョヴォヴィッチの可愛さ!
これが悶絶するほどキュート!

ミラ・ジョヴォヴィッチを愛してますので
若干ファン目線での感想ではありますが
驚いたのは『こんなに演技が上手かった?』って事。
悲しそうな顔、幸せそうな顔、かすれた声の大笑い
繊細で可愛らしく、真っ直ぐな性格
そんなナディーンを見事に演じきってます。
それはまさに映画を観ている
全ての人を味方につけるような存在感でした。

主人公であるダメ男オーウェンを演じる
デヴィッド・クラムホルツも素晴らしい!
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見るからにモテなそうなルックス
自分勝手な理論で生きている自己中な性格
相手の気持ちにはまるで興味がなくて
フラれたらフラれたでいつまでもグジグジ。
『おい!』って声に出しそうになるダメさ(笑)
こういう演技って大変だろうなーと思います。
観客全てを敵に回すわけですから(笑)
オーウェンにも可愛らしい一面があり
相手を怒らせる度に
愛嬌のある謝り方をするなんとも憎めない奴です。

オーウェンのアホが
ナディーンを泣かせました。  
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ヤバイと思ったオーウェンが
思い切った行動に出ます。

なんと自分の靴を噛むという謝罪!  
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これを見たナディーン大爆笑!

もう!あなたって人は~って・・・
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大丈夫かナディーン。

デニース・リチャーズはどこまでもビッチ!
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世界中の男性が私に夢中。困ったわ…の図。

私生活でもチャーリー・シーン、
リッチー・サンボラ、不動産投資家と
次々と男を乗りかえる女優ですからねぇ…。
演技ではなくドキュメンタリーかと思うほどです。
本作で彼女が演じるクロエの
能天気なエロさはなかなか良かったです。
ただこんな女がいたらグーで殴りたいですけどね(笑)


何げにウィリアム・ボールドウィンも出ています。
バックドラフトでの女性を魅了したセクシーな笑顔や
シュッとした面影どこへやら。。。
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なんというか…格闘家みたいです。
数々の作品に出演していますが
日本で未公開のものが多いです。
割と好きなんですけどね。


ミラ・ジョヴォヴィッチが好きなら絶対に観て欲しい!
バイオハザードしか観た事ないって人にも是非!
才能のある女優さんなんだなぁと確信した映画です。






[ 2013/10/06 11:19 ] ラブストーリー | TB(0) | CM(0)

『ゴーストワールド』 ソーラ・バーチ&スカーレット・ヨハンソン!ダメに生きるバイブル!

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『ゴーストワールド』
Ghost World


監督  テリー・ツワイゴフ
原作  ダニエル・クロウズ
制作  ジョン・マルコヴィッチ

2001年
アメリカ
111分



ダサい大人になりたくない!
でもやりたい事が見つからない!

思春期映画の決定版
ゴースト・ワールドを紹介!

本作はダニエル・クロウズのコミックが原作
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屈折した青春を描く
若者のバイブル的漫画です。


なんでもかんでも大嫌いな女の子 もどかしく切ない物語


簡単なあらすじ

舞台はロサンゼルス郊外の退屈な町。
高校を卒業したイーニドとレベッカは
これといってやりたい事もない。

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※卒業式の会場から出て 帽子を踏んづけて 振り返って中指! 仲良し!

レベッカはコーヒーショップでバイトを始め
イーニドとりあえず何もしない日々。

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ある日、退屈しのぎに『出会い募集』の新聞広告で見つけた
シーモアという男をいたずらで呼び出す。
彼は熱狂的なブルースレコードのコレクター。
最初は冷やかしのつもりだったのだが
世間と馴染めずにいた彼に何かを感じ始めたイーニド。
2人は少しずつ親しくなっていくのだが
親友だったレベッカとは徐々にすれ違っていく。



主人公イーニドはソーラ・バーチ。
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原作そっくり!見事に演じています!
しかし才能あるなぁこの女優さん。
1999年のアメリカン・ビューティーでも
強烈なインパクトで屈折した少女を演じてました。

レベッカはスカーレット・ヨハンソン。
他の映画ではなかなか見る事ができない
素朴な雰囲気が可愛い!
この数年後には男性をメロメロにする
ゴージャス&ビューティーな女優に…

シーモアはスティーヴ・ブシェミ
今回も世界遺産レベルの顔です。
まさにブルースレコードのコレクターって感じ!
オドオドした喋り方!最高だなぁ。
何に出演しても安心して観れる名優です。



イーニドは嫌いなものがハッキリしていています。
超敏感で繊細な女子です。
大人のカッコ悪さ、クラスメイトの馬鹿さが許せず
徹底的に否定するのですが
何が好きなのか、何をやりたいのか
そうなってくると全然わからない。

そして何よりも問題なのが
そんな自分も他人と大して変わらないと
本人が自覚しているという事。
あーそんな自分が大嫌い!

これって解決できる問題じゃないのですが
思春期ゆえの『考えすぎ』『自意識過剰』が暴走して
気持ちをコントロールできない。
誰でもこんな時期があったんじゃないでしょうか?
『あー…わかるわぁ…』ってシーンがいくつも。

当時の自分と重ね合わせて観てしまう
ダークサイドの青春映画です。
誰もがハッピーな思春期を過ごすと思ったら大間違いだ!


アイツの名前『シーモア』だって! 
ヤバイ!超ウケる!
みたいな感じの目配せをするイーニド。 
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笑いをこらえるレベッカ。

帰ろうよ~みたいに肩を引っ張る    
レベッカが可愛い!
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イーニドは興味津々!

冷やかしとは気づかずに
ドヤ顔でレコードを自慢するシーモア。
『オリジナルなら500ドルの価値はあるね』  
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この顔!

イーニド 『ワーオ!』
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二人のやりとりに
笑いをこらえきれないレベッカ。


イーニドの部屋とシーモアの部屋 サントラが熱い!


本作はオープニングから超絶にカッコイイ!
始まった瞬間、心を鷲掴みに!
『Jaan Pehechaan Ho』というロックナンバー!
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『思春期』とは『部屋で踊り狂うこと』なり!
パーマネント・バケーションが観たい!
…今回はゴースト・ワールドでした。

髪を緑に染めるシーンでは
バズコックス!
Singles Going Steady
嗚呼!なんてことだ!
どこまでも思春期!


これらの音楽は
BGMとして流れるのではなく
イーニドが部屋で実際に聴いている音楽。
彼女の部屋をこっそり覗いているような
妙なリアリティがあります。

思春期全開なパンクから
激シブなブルースまで

あと卒業式の時の変なラップ!
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健全なヒップホップ!

イーニドのこの顔!
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吐きそう(笑)

観終わった瞬間にサントラが欲しくなる映画。
パルプ・フィクションが好きなら間違いない一枚です!


ハッピーエンド?バッドエンド?つかみどころのない結末


この映画が賛否両論な理由は
ラストシーンです。
ネタバレを避ける為、具体的には書きませんが

バッドエンドだと思った人は
イーニドはこの世に絶望して
『天国』に行くと考えるのでしょう。

また、ハッピーエンドと思った人は
自分の中で何か踏ん切りがついて
希望への第一歩を踏み出す姿に映ったのでしょう。

もちろんどちらでもない可能性もあります。

この結末は、本来あるべき結末ではなく
物語の途中を切り取っただけのような気がします。
だからハッピーエンドもバッドエンドも
どちらも正解なのかもしれません。

心に何かが引っかかる後味の悪さは
この映画の個性的な余韻だと思います。

好き嫌いがハッキリしそうですが
二人の女の子のファッションは抜群に可愛いし
二人の軽妙な意地悪トークも笑えます。
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観終わると、ほんの少しだけ切なくなる映画。
好きな人には忘れられない映画になるでしょう。

予告編はコチラ









[ 2013/10/05 15:30 ] 青春 | TB(0) | CM(0)

『狼たちの午後』 銀行強盗失敗!逃げられない!極限状態の心理を描く社会派映画

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『狼たちの午後』
Dog Day Afternoon


監督 シドニー・ルメット

1975年
アメリカ
125分




またしてもアル・パチーノですが
『狼たちの午後』を紹介します。
カッコイイ邦題だなぁと思っていたのですが
原題は『ドッグ』なので犬が正解。
しかも本来『クソ暑い午後』って意味らしいので
狼は全然関係ないんですが(笑)
本作は定期的に観たくなってしまう魅力があり
アル・パチーノの圧巻の存在感を堪能できます。
監督は社会派映画の名匠シドニー・メルット。


簡単な仕事…のはずだった。無計画犯罪が巻き起こした人間ドラマ


簡単なあらすじ

ソニー(アル・パチーノ)は、相棒のサルと共に銀行を襲撃。
元銀行員だった知識を活かし
銀行を占拠することに見事成功!
しかし肝心の金庫の中は空っぽだった。
微々たる金を袋に詰め、逃走を図るが
外は警官、報道、野次馬によって包囲されていた。

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この作品、なんと実話をもとに作られた映画!
ソニーのモデルになった犯人はこちら
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ジョン・ウォトヴィッツ(John Wojtowicz)

事件の全貌を見事に再現しているので
ある意味『超豪華な再現VTR』みたいな作品。
あ、ちょっと安っぽくなりましたね(笑)

無計画に銀行強盗に入ったはいいが
運悪く金もなければ逃げるのも失敗。
止むなく長時間立てこもる事になります。
この映画の面白さはここから!
集団心理という言葉がありますが
なぜか強盗と被害者の間に奇妙な一体感が生まれます。
この極限状態での人間関係が非常に面白い!
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え?金がない? え?逃げられない?


被害者である銀行員は自分の命が惜しいだけで
お金を盗まれる事なんて興味がないんです。
まあそりゃそうですよね。
他人の金ですし。
そうなると守るべきものなんてなく
どうやらこの強盗は殺す気はないとわかると
とたんにフレンドリーな関係に(笑)
実際にこういう事は起こりうるのだそうです。

  1. 突然に事件に巻き込まれて、人質となり死を覚悟する。
  2. 犯人の許可が無ければ、飲食、トイレも、会話もできない。
  3. 食べ物をもらったり、トイレに行く許可をもらう。
  4. 犯人の親切に対して、感謝の念が生じる。
  5. 犯人に対して、好意的な印象を持つようになる。
  6. 犯人も、人質に対する見方を変える。


同じ空間で時間を共有する事で
犯人の境遇、犯行に至った理由に共感したり
犯行の成功を願ったりする感情を
ストックホルム症候群というらしいです。

なんか楽しそうだな。。。 
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ちなみに人質です。

ついにライフルまでおもちゃに。  
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『大丈夫よ』なんて電話する子まで。 

とは言っても相手は銀行強盗ですから
友情が芽生えるわけではないんですよね。
どこまで行っても犯人人質
仲間ではないというドライな感じが
いかにもアメリカっぽいなと思いました。


名シーンの1つ 『アッティカ!アッティカ!』


やぶれかぶれのソニーが
取り囲む警官にむかって
大声で威嚇するシーンがあります。
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『アッティカ!アッティカ!』と叫ぶのですが
このアッティカとは
アッティカ刑務所暴動の事を意味します。
白人による黒人への弾圧が原因で暴動が起こり
鎮圧の為、大勢の黒人が殺された事件です。
それを皮肉って『アッティカ!』とヤジったわけですが
黒人が言うならまだしも
ソニーはどう見ても白人(笑)
まあ当時、警官の評判は最低だったらしいですし
この支離滅裂な威嚇で観衆が盛り上がってしまう程
ソニーが英雄視されていたのかもしれません。
案の定、群集の心を掴んで一躍人気者に。
しかもその模様はテレビで放送され
彼の行動を支持する者まで現れる。
銀行強盗がスターになるなんて!

腹が減ったのでピザを注文。 
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もちろん銀行の金です。

やたらと賑やかなので
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野次馬たちに金をばらまくと

観衆大喜び!
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ソニー!ソニー!
テレビでも大騒ぎ!

ピザ屋の兄ちゃん
大はしゃぎでジャンプ!
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『俺はスターだー!』って
おいおい・・・


ゴッドファーザーの二人の共演が熱い!


ゴッドファーザーで頼りない兄貴フレドを演じていた
ジョン・カザールが、サル役(銀行強盗の相棒)で出演。
この2人が再び手を組んで銀行強盗役を演じるなんて…
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それだけで胸が熱くなります!
ジョン・カザールは臆病で繊細な男を演じさせたら最高!
本作でも逆に追い詰められていく犯人を見事に演じています。
実はジョン、この撮影の数年後に癌で亡くなっています。
その事実を知ってから観ると
意味深な彼のセリフが非常に切なく感じます。

オープニング以外、一切の音楽はなく
終始ヒリヒリした空気が漂う硬派な作品です。
本作品の殆どのシーンは
役者たちのアドリブによって撮影されているという話。
生々しいやりとりのほとんどがアドリブだとしたら…
出演者の演技力は凄まじいなぁ。

最後まで緊張感が続く
社会派映画の決定版!
なかなかお目にかかれない映画だと思います。







[ 2013/10/04 10:22 ] ドラマ | TB(0) | CM(0)

『殺しのドレス』 デ・パルマ監督の代表作!ナンシー・アレンの愛くるしさに悶絶

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『殺しのドレス』
Dressed to Kill


監督  ブライアン・デ・パルマ

1980年
アメリカ
105分


ブライアン・デ・パルマ監督の最新作
『パッション』の日本公開が10月に決定!
実に5年ぶりとなる新作です!
一時は完全に過去の人扱いだったデ・パルマですが
是非とも復活して欲しい!く
負けるなデ・パルマ!
今作は女同士の争いを官能的かつ残酷に描く
サスペンス・スリラー!
そうそう!それでいいデ・パルマ!

さて、デ・パルマの作品で
『官能的』『サスペンス』『スリラー』といったら
殺しのドレス!
1980年に公開されたサスペンススリラーの傑作です。
ヒッチコックの『サイコ』の影響を受けているという本作。
※『めまい』も近いような気が…
ホラー的要素とエロティックな描写が融合する
デ・パルマの個性が炸裂の映画です。


官能的かつ残酷!大人の為のサスペンスホラー!


簡単なあらすじ

夫との性生活に不満を抱えているケイト。
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※欲求不満の困った熟女

精神分析医エリオットのカウンセリングを受けた帰りに
立ち寄った美術館で男と出会い情事に及ぶが
その後、何者かに殺害される。

それを偶然にも目撃してしまった娼婦リズ。
警察に目撃を訴えるものの相手にされない。

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そこでケイトの息子ピーターと協力して
事件の謎を追うことになる。



まあなんてことない設定なんですが
デ・パルマの濃くてネットリした映像と
ショッキングで残酷なシーンは
非常にアートな雰囲気があり
『色っぽい映画』で終わらせない凄みがあります。
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また、美術館のシーンは必見の長回し!
追う者、追われる者の視点の切り替わり
クラクラするほど鮮やかな色使いは
観る者をグイグイと引き寄せる力強さがあり
デ・パルマの勢いを感じます。
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シーンの移り変わりもテンポがよく
そして大胆かつ濃厚さがある
エロティックな描写…からの残酷描写!

緊迫感のあるエレベーターのシーンでは
ザクザクしたカット割りで疾走感が増し
登場人物の心理状態を見事に表現しています。
そしてなにより鏡!
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犯人、被害者、目撃者が一枚の鏡におさまるという
斬新な映像にゾクゾクきます。

しかし…この映画には難点が…

犯人が早い段階でわかってしまう!

ミステリーとしては致命的!という気もしますが…
ところがこの映画の不思議なところは
『犯人探し』に面白さがある映画ではないんです。
それ以外にもデ・パルマは罠を仕掛けています。
といっても割とツッコミどころが多く
『ええー!そんな馬鹿な!』という展開も(笑)
犯人バレバレでも十分楽しめるという
デ・パルマの力業が光ります。

80年代特有の大げさなサウンドや
レトロな小道具(カメラとかコンピューター等)
髪型やファッションなども
時代を感じさせてくれて楽しい。


被害者の息子。
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ハリー・ポッターではない。


この映画と言ったらリズ役のナンシー・アレン!


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なにこれ!超カワイイ!

どっかで見た顔だなぁって思ったら
キャリーに出てたいじめっ子!
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それからロボコップのアン・ルイス巡査!
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アン・ルイスって!ってそこじゃないか。
彼女、デ・パルマの奥さんだったんですね。
色っぽいけど愛くるしいというか
なんとも魅力的な女優さんです。
よくもまあこんなに大胆なシーンを
演じて(脱いで)くれたなぁと感心します。

…とまあ色々書きましたが
ラストシーンにはあっと驚く結末が待っているので
最後まで気が抜けない映画です。

本作は『大人の映画』

子供に見せちゃダメですよ!







[ 2013/10/03 17:19 ] サスペンス | TB(0) | CM(2)

『パリ、テキサス』 ヴィム・ヴェンダース監督最高傑作!一生に一度は観て欲しい映画

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『パリ、テキサス』
Paris,Texas

監督 ヴィム・ヴェンダース

1984年
西ドイツ フランス
147分



ロードムービーの金字塔
『パリ、テキサス』を紹介します。

監督はロードムービーの名匠
ヴィム・ヴェンダース。
西ドイツ・フランス合作映画である本作で
第37回カンヌ国際映画祭で
最高賞パルムドールを受賞しています。

『ことの次第』
ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞

『ベルリン・天使の詩』
カンヌ国際映画祭監督賞

『時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!』
カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ

などなど数々の受賞作品を作り上げた名匠ですが
『パリ、テキサス』は彼の代表作と言っていい傑作です。
今回はブルーレイで鑑賞しましたが
1984年とは思えぬ美しさです!


一人の男が絶望した時、一心不乱に歩きはじめた。


簡単なあらすじ

砂漠をさまよっていた男が発見される。
それは4年前に失踪したトラヴィスだった。
弟ウォルトは彼を迎えに行くが
彼には口もきかず、何も覚えていない様子だった。

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※4年でこんな感じに仕上がりました。

ウォルトの家に居候する事になったトラヴィス。
そこで7歳に成長した息子と再会。
トラヴィスは息子に再会する事で
徐々に自分を取り戻していく。
そして『何故家族がバラバラになったのか』に気がつき
妻を探し出し、再び息子のもとへ連れてくる事が
自分の仕事だと思いはじめる。


この映画は
『歩き続ける男』
『兄弟の旅』
『息子との出会い』
『息子と母を探す旅』
という流れで話が進み
トラヴィスが自分を取り戻す旅を描いた作品。

ひたすらに歩いていた彼の目的地は
『テキサスにあるパリ』
パリって土地があるんだそうです。
両親が愛し合った場所という記憶のみで
ひたすらに歩き続けていました。
そこに辿り着けば
本当の自分を見つめ直す事ができる
間違った自分を否定できる
新しい自分に生まれ変われる
なんの確証もないけれど
すべてに絶望した彼には
それしか思いつかなかった。
だから一心不乱に砂漠を歩いていたのです。

うーん。。。
この映画は観て欲しい!
だからネタバレできない!


決してセリフは多くないが 非常に魅力的な登場人物たち


なんと言ってもトラヴィスの存在感!
ハリー・ディーン・スタントンです。
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こんなのが急に家にやってきて
本当の父親だと紹介されたら・・・
息子ビックリしますよ・・・

息子のハンターが可愛い!
初対面から徐々にパパに慣れていく感じが
この映画をほっこりさせてくれます。


突然に父が訪問。
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4年ぶり。

あせる息子ハンター。
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そりゃそうだ。

8ミリ映像を懐かしむ父
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それを見るハンター。
まだこの距離感。

8ミリ映像を観終わると
父に興味をしめす。
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急接近!

父が旅に出ると知り
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まさかの『僕も行く』発言!

車内ではしゃべりっぱなし!
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しかも宇宙の誕生について。

喋りつかれてグースカ。
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もうベッタベタ!
ハンターがこの映画の救いと言っていい存在です。


妻のジェーンはナスターシャ・キンスキー
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美 貌 !
もう凄いんですよ。とにかく綺麗。

チョイ役で出演していたジョン・ルーリー
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『パーマネント・バケーション』
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』でお馴染み。
濃いなぁ・・・。


ヴィム・ヴェンダースが描く『愛』の深さ


『パリ、テキサス』は
崩壊してしまった家族の物語なのですが
何故この三人の関係が壊れてしまったのか?
それはトラヴィスの強すぎる愛のせいで
心に悪魔を宿してしまったから。
愛があれば全て上手くいくなんて
世の中綺麗事だけで回っているわけではない。
そもそも『愛』とは恐ろしいもので
愛が強ければ強いほど相手を嫉妬し
離すまいと束縛し
嫌われまいと言いなりになってしまう。
心の中に悪魔が生まれてしまうのです。

トラヴィスは今でもジェーンを愛しており
ジェーンもまたトラヴィスを愛しています。
ハンターも両親を求めています。
それなのに三人でいる事ができない。
この映画の悲しさはここにあります。
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溜息が出るほど美しい映像と
ライ・クーダーのスライドギターの音
ゆっくりと、それでいて無駄がなく進む物語
人を愛する事とは?
愛される事とは?

甘ったるいメロドラマじゃなく
壊れた人間関係にスポットを当てることで
より深くテーマを掘り下げるという
もう見事としか言い様がない映画でした。
『完璧』という作品かもしれません。
永遠に色あせないロード・ムービーの大傑作です。









[ 2013/10/02 15:45 ] ロードムービー | TB(0) | CM(0)













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