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『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』 待望の劇場公開!幽霊の犯行?ゴシック調の世界で語られるミステリーホラー!

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SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁
The Abominable Bride


2016年
イギリス
93分(+特別映像22分)



久々の更新です!
月に1~2本くらいのペースで映画館に行っていますが
なかなか更新できず。。。(怠け者のため)

さて、今回紹介するのは『シャーロック』です。
タイトルからしてアーサー・コナン・ドイルの小説
『シャーロック・ホームズ』シリーズなわけですが
現代を舞台に描いたイギリスBBCのテレビドラマが爆発的大ヒットしまして
現在シーズン3まで放送されていてます。これが面白いのなんのって。
本作はイギリスで2016年1月1日に放送された特別編であり
日本では劇場公開という形になりました。

ややこしいのですが、現代版シャーロックの特別編は
ヴィクトリア時代の1895年のロンドンが舞台。
つまり元祖シャーロック・ホームズの時代で描いています。

テレビシリーズの大ファンなのでムビチケを購入し
劇場公開の日を待ち望んでの鑑賞です。

幽霊の犯行?ゴシック調の世界で語られるミステリーホラー!


1895年、ヴィクトリア朝時代のロンドン。
ベーカー街221Bにホームズとジョンが帰ってくると
青ざめたレストレード警部がやってくる。
エミリア・リコレッティ夫人の奇怪な話を始める。

エミリア夫人は、夫トーマスとの結婚記念日当日に
花嫁姿でバルコニーに立ち、両手に持った拳銃で街を歩く人々に乱射。
それから自分の頭を撃ち抜き、自殺した。
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ところがその夜、夫トーマスの前に現れたのは
死んだはずの花嫁姿のエミリアだった。
エミリアは彼をショットガンで殺害し、夜霧の中に消えていった。

リコレッティ夫人の遺体を調べるが遺体は確かに彼女のものであった。
この奇怪な事件後、同様の事件が5件も発生する。
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徘徊するリコレッティ夫人の幽霊の謎を解明すべく
ホームズとワトソンは奔走、そこには驚くべき真実が隠されていた。



面白かったー!予想外の内容でした!
テレビシリーズのファンなら絶対に見なければならない
大・ご褒美作品!

現代版シャーロックはスマートフォンを駆使したり
ネットで過去の事件を調べたりとスタイリッシュな印象があったのですが
舞台はヴィクトリア時代!19世紀ロンドンのベーカー街221!(これだけで興奮)
クラシカルな衣装、シャーロックのパイプ、ジョンの髭もカッコイイ。
馬車や蒸気機関車が走り、ガス灯が並ぶロンドンの風景が美しい。
そりゃそうか。こっちが正しいシャーロックの時代だもんね。
往年のファンが満足できるディテールも満載です。

さてさて。
本作の一番問題点である『テレビシリーズ』との関連性ですが
ガッチガチにテレビシリーズの延長上にあります。
テレビシリーズを観ていないと置いていかれる展開だらけ。
この作品はズバリ
今までのストーリーと来年放送予定のシーズン4をつなぐ作品になっています。
つまり、テレビシリーズを観ていない人にとっては結構厳しめの内容です。
これは予想していませんでした。
もう少し大衆にアピールする特別編かな~と思っていましたから。

例えるなら一度もテレビドラマ『相棒』を観ていない人が劇場版を観るとか?
んーそれでも『劇場版』ってのは娯楽大作に仕上がっていますね。
それとも違うんだよなぁ。難しい。。。
本作はあくまで元旦に放送されたテレビドラマであり
このシリーズを見続けている人の為に制作された『特別編』であるという事。
特にシーズン3を最後まで観ていないと100%の満足は不可能!
『あ、このセリフは!』『あ!この展開は!』という喜びが散りばめられています。
まずはテレビシリーズをおさえてから本作をご覧下さい。
絶対その方が楽しいから!

難解な展開??時空を超えたマインド・パレス


ここから少々ネタバレあり。観ていない人は注意

まず驚かされたのが作品冒頭。
過去のテレビシリーズを短く紹介。
そして今現在(シーズン3のラストシーン)までを描き。。。
突然舞台は現代から19世紀に????

そうなんです。
本作は番外編ではなく、シーズン3の直後から始まるのです。
これには正直驚きました。予想外。
シリーズ観てない人にはいきなり高いハードルとなります。

嬉しいのはゴシックホラーなテイスト!
猟奇的な事件かと思いきや、花嫁の幽霊が次々と犯行を繰り返していくという
なんとも不気味な内容。たまらん・・・!
『幽霊なんて絶対にいない!そんなことありえない!』というホームズですが
その『ありえない展開』の連鎖に謎が深まっていきます。
テレビシリーズ『バスカヴィルの犬』でもあったスリラー感。
こういう薄気味悪い事件が大好き(笑)

さて、本シリーズを語る上で欠かせないファクターである
『マインド・パレス / 精神の宮殿』という言葉。

これはシャーロックの人生の記憶、知識、考察など
あらゆる情報を頭の中から引っ張り出す為の技術です。
マインド・パレスに突入したシャーロックの周辺には
あらゆる活字が飛び出して空中を浮遊。
必要ない情報は排除してくという作業を繰り返し
今一番必要な情報を持ってくるという表現方法は実に斬新。
超人的な記憶力を視覚的に魅せてくれる演出です。
これ使えたらいいのになーっていつも思います(笑)

だけど本作。ちょっとやりすぎ感も。
『幽霊の連続殺人。それを解決するホームズとジョン』
これだけでよかったんじゃないかなーと思うんですが
物語は現代と19世紀を何度となく往復します。
それはこの『マインド・パレス』によるものなのですが
最後のオチを見た時、あまりのSFな展開に驚愕。
あえて難解な内容に突き進む物語。
ファンは喜べど初めて観た人にしてみたら超絶展開にポカーンでしょうね。
ちなみに19世紀版マインド・パレスはアナログな演出に!こだわるなぁー。

今作には事件の根底に『女性の地位』があります。
19世紀のイギリスでは女性の地位の向上を訴える運動がありました。
地位が低く、家庭から出ることも許されず、権利も与えられず
女は家庭を守って旦那の言いなりになっていればいいという時代です。

本作始まってすぐにジョンの妻・メアリーがベイカー街に現れて
シャーロックとジョンに日々のストレスをぶつけるシーンがあります。
私は家から出ることも働くこともできないのに!
あなたはお友達と出て行ったきり帰ってこない!
そんな時代で起こった『忌まわしき花嫁事件』です。
これも最後の大オチにつながる伏線になっています。

そしてなによりラストシーン!
もうシーズン4直前であることを匂わせるエンディングに悶絶です!

本編の前後に特典映像????斬新すぎる上映(笑)


映画館では「忌まわしき花嫁」本編(90分)に加え、
なんと『特典映像』が上映されます。
本編前に
「脚本家スティーブン・モファットと巡るベーカー街221Bの旅」(5分)
本編後に
「シャーロック製作の裏側 主要キャスト・スタッフとともに」(15分)

っつーかいらないって!マジでこれは!
DVD、ブルーレイの特典で十分!
こだわった衣装や小道具のうんちくを5分見せられてから本編ですから。
観終わった直後の余韻の中、出演者のインタビューって。。。
いや!嬉しい!嬉しいんだよ!
嬉しいし興味深い内容だったし。。。
でも映画館で見せられてもなぁーという。
正直興ざめしちゃうというか。
本編終わった瞬間に会場を出て行っちゃう人もチラホラ。
まあ気持ちはわかる。
俺は最後まで見ちゃったけど(笑)

お馴染みの出演者たちが19世紀に降臨!


主人公シャーロック・ホームズはベネディクト・カンバーバッチ。
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これは本当に当たり役ですねー。楽しんで演じているのがわかります。
自らを世界で唯一のコンサルタント探偵
または高機能社会不適合者と名乗る変わり者。
テレビシリーズでのふわふわヘアも似合いますが
シャーロック・ホームズといったらやはりこれ!
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ベッタリしたオールバック!


相棒ジョン・ワトソンはマーティン・フリーマン。
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この俳優さん大好き!
なんの因果かシャーロックの同居人となりいつのまにか相棒に。
人間的感情を持ち合わせないシャーロックの暴走を止め
彼のフォローに回っている心優しきお医者さん。
シャーロックの事件をネットで紹介する高アクセスのサイト管理者。
ヒゲが凛々しい!


他にもレストレード警部、ハドソンさん
メアリーにモリーにアンダーソンにマイクロフト
そして宿敵モリアーティーまで勢ぞろい。
アンドリュー・スコットも素晴らしい存在感のある俳優ですね。
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原作ではやせ細った長身の不気味な老人という設定なのですが
本シリーズのモリアーティは背も低く、老人でもないという(笑)
新解釈すぎて最初は戸惑いました。


ってな感じにレギュラーキャスト陣が19世紀バージョンで登場。それだけで楽しい!
特にモリーマイクロフトは完全なる出オチ!
ネタバレは避けますが、衝撃のビジュアルで登場します(笑)
素敵な衣装と小道具たち。こだわり抜いた19世紀のロンドンの風景。
BGMもややクラシカルなアレンジを施し物語を盛り上げてくれるので
今までとは一味違うシャーロックを楽しめます。
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結論

テレビドラマ シーズン1~3を観てからにして!


嗚呼!シーズン4が待ちきれない!




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[ 2016/02/28 19:54 ] ミステリー | TB(0) | CM(0)

『本陣殺人事件』 古谷一行でお馴染み!血塗られた結婚式の怪事件!ミステリードラマの大傑作、横溝正史シリーズ

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本陣殺人事件
ほんじんさつじんじけん



監督  蔵原惟繕
主演  古谷一行
原作  横溝正史


日本
1977年
55分×3話


今回紹介する作品は映画ではなく1977年に放送されたテレビドラマ。
『横溝正史シリーズI・本陣殺人事件』です。

『本陣殺人事件』は、横溝正史の長編推理小説です。
横溝が書く金田一耕助シリーズの記念すべき第1作であり
名探偵・金田一耕助のデビュー作!
この作品はTBS系列で1977年5月7日から5月21日まで
毎週土曜日に放送されたもので
全3話が1本のDVDに収められ発売されています。

原作の本陣殺人事件を読んだ時の衝撃たるや凄まじいもので
異常な殺人動機、巧妙で神経質なトリックにシビれまくったのですが
映像として観るのは今回が初めてです。


金田一耕助デビュー!結婚式の夜に起こった密室殺人事件


昭和23年 冬。
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岡山県の旧本陣の末裔・一柳家の屋敷で
長男・賢蔵と久保克子の結婚式が執り行われていた。
探偵・金田一耕助は新婦の身内がわりという名目で
不慣れな結婚式に出席していた。
式は何事もなく終了したのだが、その夜、悲劇が起こる。
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深夜、屋敷内に悲鳴と、激しい琴の音が響き渡った。
新郎新婦の寝室である離れへ駆けつけると
夫婦が布団の上で血塗れになって絶命していた。
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庭の中央には日本刀が突き刺さっており
周囲には足跡一つ残っていなかった。
室内に置かれた金屏風には3本指の指紋が残されていたが
完璧な密室であり犯人の逃げた痕跡が一切なかった。
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警察による捜査の結果、前日に怪しい3本指の男がいたという
目撃情報が集まりはじめる。
はたしてその3本指の男は何者なのか?
どのような方法で殺人は行われたのか?
そしてその動機とは?
金田一耕助は徐々に真相へと近づいていく。




原作に忠実といえば忠実なのですが
いくつか設定が変えられています。

例えば原作では昭和12年なんですが本作では23年になっています。
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また原作では新婦の父親代わりとして出席した叔父の久保銀造が
その異常な殺人事件を目にし、金田一耕助を呼ぶのですが
本作では最初から婚礼の席に出ていて殺人事件に巻き込まれるという。
つまり最初から現場にいた方が話が早いんじゃねーかという
なんとも大胆な時間短縮(笑)

しかし、こればっかりは許せないというか
何故そんな事しちゃったの!と絶望的になった設定変更があります。

磯川警部が出てこない!

原作では金田一とその後何度もコンビを組むことになる
磯川警部との出会いが書かれているのですが・・・

そのポジションには何故か『日和警部』という間抜けな男が。
また。。。名前がひよりって。。。

原作ファンにとって『磯川警部』って名前は凄まじく重要な名前で
※もちろん『等々力』や『立花』も
金田一シリーズを放送するならここだけはこだわって欲しかったなぁ。

ちなみに日和警部を演じるのは長門勇
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見るからに無神経で事件の真相から大幅にずれている男。
市川崑の金田一シリーズに出てくる
『等々力警部(加藤武)』に近い感じですね。
かと言って決して長門勇は悪くない!
いやむしろすげー頑張っています(笑)

・・・っとまあ変更は色々あるものの
原作を読んで想像していた映像にかなり近く
その点は満足しています。
なにより金田一の雰囲気がいいですね!
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古谷一行の金田一!悪くないぞ!


観ていて面白いなーと思ったのが
登場人物に対し物をかぶせてくる映像。
例えばこれ。書庫で話すシーンですが
本棚から覗きこむような映像ですね。
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本作はこういう映像がとにかく多いのです。

囲炉裏でお茶を飲んでいても自在鉤(じざいかぎ)があったり
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警察本部での会議では天井のライトが画面を大きく隠しています。
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水車番に聞き込みをする時も水車がグルグル回っています。
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この違和感というか居心地の悪さが
密室殺人事件の異常さと妙に合っていて
監督のこだわりといいますか独特の美学を感じます。


密室 巧妙なトリック そして人間という生き物の恐ろしさ


さて、簡単に事件の内容を整理してみましょう。

屋敷の離れで寝ていた新郎新婦。
建物には鍵がかけられ、完全なる密室。

室内にあった屏風には3本指の血痕があり、琴の弦は切れていた。

凶器であると考えられる日本刀は庭の真ん中に刺さっていた。
しかし庭には足跡など犯人がいた痕跡は一切なし。



凶器の位置、現場の状況からいって殺人事件である事は明白。
しかしどうやって犯人は逃げたのか?



一柳糸子を演じるのは淡島千景
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いやー美しいですねー。
夫を亡くしてから一柳の家を守ってきた当主です。
上品で厳格な性格なのですが
なぜか分家の人間と不倫関係にあります。


一柳賢蔵を演じるのは佐藤慶です。
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名悪役!渋い俳優さんでしたねー。
賢蔵は一柳家の跡取りであり結婚式の新婦。
潔癖な人物として描かれています。
自分が死亡した際、弟の三郎に金が渡るように保険を掛けていました。


一柳家の三男、一柳三郎を演じるのは荻島真一です。
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サスペンスものによく出演されていた俳優さんですね。
三郎は生粋の推理小説マニアであり
何故か金田一に対してライバル視している様子。


末っ子の一柳鈴子を演じるのは西崎みどりです。
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『必殺シリーズ』の主題歌を歌っていましたね。
鈴子は知的障害をもつ女性であり、猫を愛する娘です。
最近、飼い猫が死んでしまい落ち込んでいます。
琴が上手で難解な楽曲も見事に弾きます。


一柳家の人間にはそれぞれ闇の部分があり
『呪われている』という表現が使われていますが
殺人事件につながるほど重要なものが見えてきません。

そんな時に、新婦の克子(真木洋子)の過去の秘密が明らかになります。
真面目で純粋だと思われていた克子ですが
彼女がかつて遊び人と交際していた事がわかります。

3本指の男、克子の元カレ
警察はこの二人を容疑者として考えているようですが
金田一はどうも納得いかない様子。

そう、この事件は密室で起こっているのです。

この際、誰が犯人だろうが
密室のトリックを解決できなければ
事件の真相にたどり着くことはできないと
金田一は考えているのです。
密室トリックを見抜いていく金田一の活躍!
本当にワクワクします!
市川崑&石坂浩二でも観たかったなー。



観終わった感想としましては
満足!
市川崑の金田一とは一味違う魅力がありますね。
このシリーズ、時間があったら観てみようかなと思っています。





[ 2014/10/05 23:23 ] ミステリー | TB(0) | CM(2)

『犬神家の一族』 金田一さん!事件です!謎めいた遺言書から始まる一族の争い!何度も観たくなる名作

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犬神家の一族

原作  横溝正史
監督  市川崑


1976年
日本
146分



市川崑監督による『金田一耕助シリーズ』記念すべき一作目!
犬神家の一族です!
1976年に公開された日本映画です。
これがまたとんでもない大傑作なのです!
今更ながら横溝正史・市川崑・石坂浩二という
日本映画史に残るトライアングルを実現した角川映画に拍手!
この作品がなければシリーズ化されなかったのですから!


第1回報知映画賞作品賞
1976年キネマ旬報ベストテン第5位、読者選出第1位

第68回毎日映画コンクール日本映画ファン賞
撮影賞(長谷川清)、音楽賞(大野雄二)、録音賞(大橋鉄矢)

第19回ブルーリボン賞助演女優賞(高峰三枝子)、助演男優賞(大滝秀治)



華々しい受賞を誇る名画ですが
それ以上に記憶に残る作品です!


ちなみに『もっと映画な生活!』では以下の4作品を紹介しました。
 ・悪魔の手毬唄
 ・獄門島
 ・女王蜂
 ・病院坂の首縊りの家

この記事とともに楽しんでいただけたら幸いです。


金田一さん!事件です!謎めいた遺言書から始まる一族の争い


昭和22年、犬神財閥の創始者・犬神佐兵衛が他界。
莫大な財産の相続について遺言書が残されていた。
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犬神家の顧問弁護士である古館の助手の若林は
探偵である金田一に『相続にまつわる厄介事』について相談する。
しかし、若林は何者かに毒殺されてしまうのだった。
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佐兵衛は正式な妻を持たなかったが
松子、竹子、梅子という三人の娘がいた。
姉妹にはそれぞれスケキヨ、スケタケ、スケトモという
息子がおり、佐兵衛は全ての家族が揃った時に
遺言状を公開しろと弁護士に指示をしていた。
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古館は金田一を連れて一族の元へ行き、遺言状が開けられる。
遺言状には『犬神家の全財産を野々村珠世に相続する。
ただし、珠世が佐清、佐武、佐智と結婚した場合に限る』と記されていた。

珠世とは佐兵衛の恩人、野々宮大弐の孫であり
犬神家とは関係のない人間である。
三姉妹にとっては到底納得できる話ではない。
しかし珠代がスケキヨ、スケタケ、スケトモの誰かと結婚する事が
財産相続の条件である以上、黙っている三姉妹ではない。
珠代をめぐり犬神家の一族の欲望にまみれた争いが始まるのだった。
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犬神佐兵衛の怨念とも言うべき不吉な遺言書。
案の定、血みどろの殺害が繰り返される事になる。





っくー!たまらん!
日本映画を変えた娯楽大作のパイオニア的映画です!

本作のジャンルは『本格ミステリー』という事になりますが
『ミステリー』『サスペンス』だけにとどまらず
『恐怖映画』としても一級品なのです!
子供の頃は怖くて観れませんでした(笑)

『映画史に名を残す映画を撮る!』という角川映画の意気込みは凄まじく
『鬼気』『妖美』『愛憎』という
横溝正史の世界観を見事に映像化。
『追い詰められた人間がいかに恐ろしいか』を見せてくれます。

殺害方法もインパクト大で
犯人に返り血が飛び散る演出や
犯人の強いメッセージを感じさせる殺害後の偽装工作!
ストップモーションやハイキー処理(コントラストが強い白黒映像)など
市川崑ならではの映像遊びが散りばめられた殺害シーンは必見!
ただ残酷なだけでなくどこか芸術的。
市川崑だからこそ成し得た映像と言えます。

ホラー映画というと『アイデア一発勝負』『低予算』といった
B級な作品を思い浮かべてしまう人も多いでしょう。
本作は『恐怖映画』『超A級娯楽作品』として完成させた
まさにジャパニーズホラーの金字塔!





全てはここから始まった!金田一シリーズの住人たち


主役はもちろんこの人!
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石坂浩二!
金田一耕助=石坂浩二を決定づけた映画です。

市川崑の描く金田一耕助はどこかフワフワしており
演じていた石坂浩二もどこか『天使』のイメージがあるのだとか。
言われてみれば全ての作品を通して天使のような存在です。
悪を憎む正義感はあれど、犯人に対して非常に同情的。
金田一耕助は刑事ではなく探偵。
真実を知りたいだけなんですね。
石坂浩二の『本陣殺人事件』『黒猫亭事件』も観たかったな。。。

飯を食いながら
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家系図!
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金田一シリーズの名場面の一つ。


島田陽子が演じる珠世の美しさ!
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その美貌は儚く怪しい!

奇しくも一族を狂わせる中心人物となる珠世の
絶対的な存在感は鳥肌ものです。


犬神の三姉妹を演じるのが

犬神 松子 - 高峰三枝子
犬神 竹子 - 三条美紀
犬神 梅子 - 草笛光子


このメンツ!一癖も二癖もある感じ!(笑)
強欲であり、息子に対し異常なほど過保護。
それぞれが父の残した遺言書に翻弄されていきます。
特に高峰三枝子の存在感!
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こういう女優さんって最近いません。

松子の息子であるスケキヨを演じるのはあおい輝彦。
戦争で顔面を損傷した為、ラバーマスクを装着しています。
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犬神家の一族のイメージキャラクターといってもいい存在ですね。
はたしてマスクの中身は本当にスケキヨなのか?
スケキヨの異様な姿を見た竹子と梅子は疑いをかけます。


本作のドス黒い連続殺人を和らげてくれるのが
女中のおはるさん(坂口良子)です。
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もう可愛いったらない!
後に作られる金田一シリーズでも本作同様
可愛らしくのほほんとした坂口良子が良いエッセンスになっています。
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この定食屋のシーン大好き!


その他の脇役も映画を盛り上げてくれます。

柏屋のご主人、三木のり平!

『よし!わかった!』が口癖の加藤武!

ボケっぷりが最高の大滝秀治!

みんな常連ですね。すっとぼけた喋り方が最高!

忘れてはならないのが、このように呑気で普通の人々の存在が
犬神家の人々の異常さを引き立てているという事。
脇役にこだわる市川崑監督の演出は本当にお見事!
チョイ役で角川春樹、横溝正史も参加しています(笑)

他にも多数の名キャラがいるのですが
それは観てからのお楽しみという事で。
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日本映画を底上げした豪華な映像


メディアによって『日本映画の金字塔』と称される事もある本作。
同時代の邦画は予算の問題や充分な撮影日数を確保する事が難しく
『テレビドラマの延長上』というチープさが漂っていました。
『早く撮れ!』『金をかけるな!』ってのが当たり前の時代だったのでしょう。

ところが本作。角川映画が全額出資!
『必要な金ならいくらでも出す』という角川春樹の言葉の通り
かつてのチープ感が一掃され、豪華絢爛な内容になっています。

特に素晴らしいのが犬神家の大邸宅!
複雑な廊下、和洋折衷の部屋の数々
美しい襖が並ぶ超豪華な大広間!
大邸宅こそが映画の世界を作り上げているといっても過言ではありません。

犬神 佐兵衛は怪物のような人間です。
彼がこの世に残した大邸宅と遺言書。
普通の豪邸じゃダメなんです!
これくらい病的に豪華でなくては!
佐兵衛の怨念がこの大邸宅に漂っています。
今までの日本映画にできなかった『豪華絢爛』な雰囲気は
この家だけを観ても感じる事ができます。


また、本作の魅力の一つである『音楽』についても。
担当したのは『ルパン三世』などのテレビアニメや
映画のテーマ音楽を数多く手がけている大野雄二!
なんと主演の石坂浩二と慶應の同級生なんだそうです。
『犬神家の一族』の音楽を担当するにあたって
市川崑の非常に細かい指示に合わせて
スクリーンを見ながら(時には現場で書き直しつつ)
正味8時間でミックスダウンしたのだとか!
どんだけ凄いだよ。。。

画面いっぱいにタイトルが出た瞬間に流れる
メインテーマの美しさ!鳥肌モノです。
角川春樹の要望で原作をしっかり読んだ上で
感じ取った世界観を表現したサウンドは
見事に映像と重なり合っています。
同時にアルバムとしての完成度も高く
リスナーを満足させる素晴らしい作品になっています。


遺言書に記された父の怨念


佐兵衛翁は自分が残す莫大なる遺産をめぐり
三人の娘が醜く争う事を予測していたのでしょう。
可愛がっていた珠世の事を蚊帳の外に置く事も。

それは三姉妹が青沼母子に対して行った非道からも感じ取れます。
おそらく佐兵衛翁は三姉妹に対し一円たりとも渡したくないという
憎悪に満ちた思いで遺言書を記したものと考えられます。

佐兵衛翁が残した遺言書は三姉妹を狂わせるのに十分な内容でした。
欲望に翻弄され、自ら手を汚していく犯人は狂気に満ちており
なおかつ哀れ…
この哀れであるという所が横溝作品の重要なファクター。
やがて自分の犯した過ちに対し『父の怨念』を感じ
いかに父に憎まれていたかに気づかされ絶望する事になります。
このやりきれなさ…もう見事としか言いようがありません!
本作は本格ミステリー作品ですが
母と息子の愛情を描く物語でもあるという事を忘れてはいけません。
いつ観てもラストシーンは胸が締め付けられます。。。。


ミステリー作品は観る人の好みがハッキリ出るジャンル。
本作にも色々な意見があるようですが
日本映画を変えた歴史的作品である事は間違いありません。
結末を知っていても何度も何度も繰り返観てしまう
日本映画の魅力がいっぱい詰まった大傑作映画です!
映画好きなら絶対に観て欲しい作品の一つ!

近々『2006年リメイク版』のレビューも書きます!
これがまたとんでもない作品なのでお楽しみに。



過去に金田一シリーズを紹介したブログはこちら。
 ・悪魔の手毬唄
 ・獄門島
 ・女王蜂
 ・病院坂の首縊りの家






[ 2014/04/13 00:52 ] ミステリー | TB(0) | CM(2)

『女王蜂』 ついに4作目!市川・石坂・横溝の最強チーム!口紅にミステリー

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『女王蜂』
じょおうばち


監督 市川崑

1978年
日本
139分



金田一シリーズ第四弾!
『女王蜂』を紹介します!

以前も書きましたが
何故かこのブログ
『金田一耕助』で検索される方が多く
『市川崑』『横溝正史』の検索でもヒットするようです。
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こうなってくると下手なこと書けないなーと
若干プレッシャーになりつつも喜んでいます(笑)

この映画では原作から大きく変更されており
舞台が東京から京都になり
伊豆半島から七里の場所にある月琴島
伊豆山中の月琴の里に変更されています。

過去の作品の犯人役が総出演
豪華なキャスティング
中井貴惠のデビュー作
カネボウ化粧品とのタイアップ
など
色々と話題が多かった作品です。
ところが当時の市川監督は実写映画『火の鳥』の撮影もあり
松林宗恵が協力監督として撮影して完成させたのだとか。
それでこのクオリティを保てるんだから
恐ろしいシリーズです。

さて、ファンの間では賛否両論ある『女王蜂』
様々な意見、考察、感想、批評があるようですが
一体どのような作品なのか?


シリーズ中、最も『愛』を感じさせる作品


あらすじ

昭和7年。
大道寺銀三と日下部仁志の二人の学生が
大道寺琴絵という女性と出会う。
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日下部は大道寺琴絵を愛し、やがて琴絵は妊娠するが
日下部は母に結婚を猛反対され、崖の上から転落死。

それから4年後の昭和11年。
銀三は子供を承知の上で琴絵にプロポーズする。

そして昭和27年。
美しく育った智子に、三人の求婚者が現われる。
そのうちの一人・遊佐三郎が
大時計の歯車に体を引き裂かれるという事件が起こる。
第一発見者は智子だった。



過去の作品に比べると
それほど過激な物語ではないので
やはり地味な印象になりますが
話のテンポが早く、見せ場も多いので
最初からグイグイ引き込まれます。
特にオープニングからタイトルまでの疾走感!
一気に持っていかれる力強さがあります。

本作は横溝作品の中でも異質な作品なので
かなり上手にまとめた映画なのでは?と思います。
今までの残酷な連続殺人と推理という構図ではなく
人間関係の複雑さや愛憎劇が丁寧に描かれているので
(これもまた横溝正史の魅力)
少し物足りなさを感じてしまうのでしょう。
本作は過去の作品と比べずに観る事をおすすめします。

また、ド素人中井貴恵を許せるか許せないかってのが
本シリーズファンの中であるみたいですが
個人的には全然大丈夫だと思います。
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セリフが棒読みだろうが、その存在感はなかなかのもので
箱入り娘って感じでいいんじゃないでしょうか。

それよりも仲代達矢が回想シーンで
学生を演じている方が
よっぽど衝撃映像!
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これをオーケーテイクにする監督は
やっぱりぶっ飛んでるなーと思います。

また、市川監督ならではの映像遊びも満載!
とくにこれ!
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デ・パルマもビックリの6分割!
要所要所で気合の入った映像が見られるのも
本作の魅力の一つ。


超豪華!これが最後という意気込みを感じるメンバー


出演者の豪華さはシリーズ中でもトップクラス!
神尾 秀子に岸恵子
東小路 隆子に高峰三枝子
蔦代を司葉子って。。。
過去の犯人勢揃い!

実はこの三人、今回が初共演。
市川監督から出演オファーがあった時には
脚本すら無かったという話です。
それでも出演しちゃうわけですから
いかに市川監督が信頼されていたかがわかりますね。
それぞれシリーズ2回目の出演となる女優陣ですが
それに対し初出演となる仲代達也が
『新人の仲代です』と挨拶したのだとか(笑)

交通事故で亡くなった佐田啓二の娘
中井貴恵がヒロイン役に抜擢され
佐田啓二と共演経験のある岸、高峰、司の三名は
亡き父の思い出を貴恵に話したのだとか。
父を亡くしたのが6歳の頃という事もあり
彼女にとっては貴重な経験になったでしょう。

本作こそ金田一シリーズのラストと噂されており
そういう意味でも超豪華なメンバーが揃っています。
まあ実際には次の作品も制作されるのですが(笑)

また、萩尾みどりの儚げな美しさも素晴らしく
人気者だった美男子、沖雅也も出演しています。

もちろん本シリーズ常連組である
加藤武、大滝秀治
小林昭二、常田富士男
草笛光子、坂口良子
も出演!
こういったメンツは
見ているだけで幸せな気持ちになります(笑)

すっとぼけ担当の
伴淳三郎三木のり平もいい味出してます!

なんといっても大道寺 銀造の仲代達矢!
よくもまあここまで集めたなって感じです。
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久しぶりに観るとまた違った印象があります。
個人的にはラストシーンがお気に入り。
本シリーズの中でも屈指の名ラストシーンです。
あたたかい余韻がいつまでも残ります。

本作はとても切ない話。
金田一シリーズの中で最も『愛』を感じさせる作品です。
久しぶりに観ましたが
こんなに面白かったっけ?と驚きました。









金田一耕助シリーズ(市川崑)
 ・悪魔の手毬唄
 ・獄門島
 ・女王蜂
 ・病院坂の首縊りの家
[ 2013/11/21 23:37 ] ミステリー | TB(0) | CM(2)

『D坂の殺人事件』 R-15!江戸川乱歩の名作を実相寺昭雄が映画化!

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『D坂の殺人事件』
ディーざかのさつじんじけん


監督  実相寺昭雄

1998年
日本
90分


原作は1924年(大正13年)に発表された
江戸川乱歩の本格探偵小説です。
本作は『D坂の殺人事件』をベースに
『心理試験』『屋根裏の散歩者』のエピソードを合わせた
いいトコロ取りな脚本になっています。
これを実相寺昭雄が独特な表現方法で
見事に江戸川乱歩の世界を映像化しました。

ちなみにR-15公開作品です。
これがもう…どエライ世界。


エロス+サイコ 妖しくもつれる人間関係


簡単なあらすじ

昭和2年、東京市本郷区団子坂。
古本屋『粋古洞』の女将である時子は
伝説の責め絵師・大江春泥の『不知火』という
非常に価値の高い絵を持っており
その贋作(偽物)を蕗屋清一郎という画家に依頼した。

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蕗屋は、見事に「不知火」の雁作を二つ完成させる。
そして本物は燃やすというのが彼の流儀だった。

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そうとは知らず、時子は出来映えに満足し
続けて春泥の「明烏」を拵えるよう、蕗屋に依頼する。

しかしこの度の雁作作りには困難を強いられ
カフェの女給であるマユミをモデルに使うも
どうしても納得のいくものが描けない。
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苦肉の策で彼は自ら女郎の衣裳を身にまとい
鏡に映る自分を描く事で「明烏」を完成させた。

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時子は『明烏』の完成を喜んだ。
しかし蕗屋は驚愕の事実を知る。
実は大江春泥が描いたモデルは時子本人だったのだ。
蕗屋は思い悩み、そして思い切った行動に出る。



といったのが事件の流れなのですが
この映画の重要な要素は『淫美』です。

責め絵とは女が縛られ吊るされている姿を描く絵。
まあ早い話が『SM』の世界です。
一般的にはマイノリティな性癖なのですが
これを何の迷いもなく小説の題材とし
さも当たり前の自由恋愛のように語るのは
江戸川乱歩ならではの技法。
そしてこれが実相寺監督の手にかかると
ひとつのアート作品のように感じられ
乱歩の世界をもう一つ踏み込んだような作品に。
特に女性の淫美な姿は芸術的と言えます。
個人的にはそんな趣味はないのですが(笑)


嶋田久作が演じる全く新しい明智小五郎


これまで演じられた明智といえば
二枚目俳優が多く起用されていました。
記憶に新しいところでは
『RAMPO』本木雅弘
『乱歩地獄』浅野忠信
『K-20 怪人二十面相・伝』仲村トオル。

しかしここにきて嶋田久作です!
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完全なる新解釈である明智小五郎のスタイル!
聞いた時は『え?犯人じゃなくて?』って思いました(笑)
しかしいざ映画が始まると
彼の底が知れない不気味さは
この映画にピッタリ!
今までの明智像とはちょっと違い
正義感よりも好奇心が強くて
謎解きに対して無邪気な印象があります。
口数の少なさや、紳士的な立ち振る舞いは
内面が見えない恐ろしさがあり
かつての演者よりも圧倒的に知性が際立っています。
そして何よりもミステリアスな風貌(笑)
こんな斬新なキャスティングがあったのかぁと
目からウロコでした。
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すっげー頭良さそう。


本作で明智と対決するのは
蕗屋清一郎という贋作絵師です。
これを演じるのが真田広之。
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贋作とは偽物の事で、非常に精巧なコピー。
表向きは古美術の修復家として生活していますが
裏ではこの贋作をつくる事を生業にしています。
中性的な役どころなので
真田広之では少しゴツイかなぁと思いましたが
なかなか迫真の演技!
この役を楽しんで演じているのがわかります。

そしてなにより、淫靡な世界を彩る女たち!
実相寺監督が見出した女優たちが凄いんです。

まずは古本屋の主である時子を演じる
吉行由実の妖しい魅力!
責め絵のモデルであった過去を証明する写真の美しさは
真田広之演じる蕗屋清一郎が衝撃を受けるのも頷けます。
彼女はピンク映画で女優デビュー後、実相寺と出会い
現在もテレビドラマ・映画、また監督業など
幅広く活躍しています。

カフェの女給であり、責め絵モデルでもあるマユミは
大家 由祐子です。
キッズ・リターン、HANA-BI、菊次郎の夏
Dolls、座頭市
などの北野武の監督作品にも多々出演。
後に実相寺監督の『乱歩地獄 / 鏡地獄』にも出演している
いわゆる玄人受けする女優といったところでしょうか。

それから蕎麦屋の女房であるキセ子を演じる小川はるみ!
もうなんといいますか、いかにもな感じなんです(笑)
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本当にこんな女っているのかなってくらい変態!
現在はシャンソンの道に進まれてるみたいですね。
彼女も『鏡地獄』に出演しています。
よくもまあこういうイイ塩梅の女優を見つけるものだと
実相寺監督のセンスを感じます。

さらに極めつけが明智の助手である小林少年!
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なんと三輪ひとみという女優が演じています。
まさか女優が演じるなんて…。凄い事思いつくなぁ。
この後、初主演映画『発狂する唇』一躍有名になり
和製ホラークイーンといったカルト的な人気者になりました。
なんという大胆なキャスティング!


謎解きは二の次 江戸川乱歩ならではのアングラな世界


この映画の面白さは横溝正史『謎解き』とは違い
その事件の異常性や特異性を観せる作品になっています。

横溝作品はプロットやトリックにこだわります。
事件に関与する人間関係の複雑さを執拗に書きます。
そしてそれを解決する金田一耕助という飄々とした男が
事件の全貌を導き出す面白さがあります。

それに比べ、乱歩の作品はいわゆる本格派な作品よりも
幻想・怪奇小説の方が人気があります。
『人間椅子』『鏡地獄』といった作品がそれにあたります。
本作『D坂の殺人事件』は本格派の探偵ものではありますが
その事件の特異性は乱歩独特の世界。
事件はいたってシンプルですが
その動機、取り巻く環境は異常であり
エロ・グロの要素は惜しみなく披露されています。

この映画、『え!それで終わり?』ってくらい
笑っちゃうくらいシンプルに事件が解決します。
いくら明智小五郎が切れ者とはいえ
『あ、犯人わかった』というレベルなので
もう少し見せ場があってもいいのに!って思いますが
これはこれで斬新といえば斬新(笑)
そもそも難事件でもないんですよね。
至って普通の殺人事件。
しかしそれに至るプロセスが鳥肌モノです。


遊び心溢れる演出 紙の模型とノイズサウンド


この映画で一番のお気に入りが
紙で作られたD坂の模型。
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オープニングで制作中の映像が流れるのですが
これが凄くいいんです。
子供の頃こういうの好きだったなーと
懐かしい気持ちになりました。
物語の合間に映し出される模型が
一瞬ホッとさせます。

あとはBGMでしょうか。
本作の音楽を担当したのは
大御所・池辺晋一郎。
黒澤明監督作品『影武者』
今村昌平監督作品『うなぎ』
同じ実相寺の作品では『姑獲鳥の夏』など
数々の名作で音楽を担当しています。

本作での音楽がとんでもなく不気味。
もうノイズミュージックと言っていいほどで
耳をつんざくアバンギャルドなサウンドは
映画の特異性をさらに強調するものとなっています。
岸部一徳、六平直政、寺田農、東野英心
これ以上ないほど濃厚な出演者が揃う本作なので
これくらいインパクトのある音でも画が全然負けません。
嶋田久作が岸部一徳と対面で話すシーンなんて
怪物同士の会談のよう!かっこよすぎ!
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二人とも声が渋すぎる!



日本映画じゃないと作れない雰囲気がある本作。
こういう厄介な作品に出会えると嬉しくなります。
一般ウケする作品ではありませんが
乱歩に興味がある方
またはお涙頂戴な邦画に飽きた方には
タバスコのような刺激的な作品となっています。
子供は絶対に観ちゃダメ!







[ 2013/11/03 09:36 ] ミステリー | TB(0) | CM(2)













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