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『ブロークン・フラワーズ』 ジム・ジャームッシュとビル・マーレイの強力タッグ!豪華な出演者にも注目のひねくれたロードムービー

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ブロークン・フラワーズ
Broken Flowers

監督 ジム・ジャームッシュ


2005年
アメリカ
106分


ジム・ジャームッシュ監督の『ブロークン・フラワーズ』を紹介。
かなり前にDVDを買ったのですが、久しぶりに観たくなりました。
ちょっぴりコメディタッチのひねくれたドラマです。
元ガールフレンド達に会いに行く一人旅を描いているので
ロードムービーと言っていいでしょう。
大好きなビル・マーレイが主演!
他にもジェシカ・ラング、シャロン・ストーンといった
なかなか面白そうなメンツが揃っています。
本作は第58回カンヌ国際映画祭において
審査員特別グランプリを受賞しました。


え?俺に息子?差出人不明の手紙から物語は始まる


コンピューター・ビジネスで成功したドン・ジョンストン。
何不自由のない生活をおくっていた彼だが
あまりに無気力な性格のせいで恋人シェリーに去られてしまう。
BrokenFlowers03.jpg
そんなある日、ドンは手紙を受け取る。
手紙は彼の元ガールフレンドからで
その内容は『あなたには19歳になる息子がいる』というもの。
元ガールフレンドと言っても名前がなく
差出人の住所も書かれていない為、誰なのか分からない。
誰かのいたずらに違いないと興味をしめさないドンだったが
隣人のウィンストンの『これは運命だ』という熱意ある勧めにより
当時付き合っていた女性4人を訪ねることにする。
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気乗りしないドンだったが手探りな再会を繰り返していく。



やっぱり面白い!
この『どこにもたどり着かない感』がたまらない!
観終わった瞬間ニヤニヤしてしまいます。
かつてのジム・ジャームッシュのアートっぽさは薄れていますが
そこはかとない可笑しさが散りばめられた
なんともほのぼのとしたロードムービー。
ソフィア・コッポラの作品や
バグダッド・カフェが好きな方ならツボでしょう。



ジム・ジャームッシュは自分が作る映画について
『偶然の出来事や成り行きみたいなものを大事している』と言っています。

入念に計画を立てたとしても最高の人生は実現し得ない。
感情や人間同士の絆など神秘的なるものこそ
人生を形作り、自分を導いてくれる。


たしかに無秩序でコントロールがきかないのが人生。
この映画にはクライマックスというものがありません。
無気力な人間がちょっとやる気を出した時の
滑稽さとバカバカしさを見せてくれる微笑ましい作品です。
退屈だった毎日がちょっとだけドラマチックになった瞬間を
丁寧に描いています。


モテモテだったドン・ジョンストン!豪華な女優たち


なんと言ってもビルの存在感!というか顔!さすがの一言!
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無気力な中年男性を演じさせたら右に出るものはいません。
黙ってる顔だけでちょっと面白いんだもん。ズルい!
優柔不断で何に対しても熱くならない男のドン。
元ガールフレンドを訪ねる旅といっても
友人ウィンストンが計画したものなので
どこか他人事で事態を解決しようという気持ちが薄い(笑)
ロスト・イン・トランスレーションでも冷めた中年を演じていましたが
こういう演技はお手の物ですね。
フレッドペリーのジャージも似合う!
個人的にはそろそろエキセントリックな演技を観たいなー。



結婚してくれないドンに愛想をつかして出て行く彼女シェリー。
演じるのはジュリー・デルピーです。
BrokenFlowers02.jpg
チョイ役なのに贅沢なキャスティング!



ドンの隣人であり良き友人ウィンストンを演じるのはジェフリー・ライト。
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ジェフリー・ライトって。。。バスキアのジェフリー・ライト!
全然気が付かなかった!
彼の助言が決め手となってドンの旅が始まります。
ミステリーファンなのか謎の手紙に興味津々!


そしてこの映画を彩る豪華な女優たちを紹介します。


昔の彼女その1 ローラ

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演じるのはシャロン・ストーン。
相変わらず色っぽいですねー。

レーサーであった夫は事故死。現在は未亡人です。
ちなみに露出狂の娘がいます。
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なかなか強烈なキャラなので注目です!

今は娘と二人きりで暮らしているようで
ドンの訪問を心から喜んでいるように見えます。
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和気あいあい。
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あれ?いつの間にかこんな事に?


昔の彼女その2  ドーラ

演じるのはフランセス・コンロイ。
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気難しそうな顔立ちで、ドンの訪問に戸惑っているようです。
付き合っていた頃はヒッピーだったのですが
現在は夫ロンと不動産業を営み成金ライフ。
ちなみに夫役はクリストファー・マクドナルド。濃い!


昔の彼女その3  カルメン

演じるのはジェシカ・ラングです。
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付き合っていた頃は弁護士を目指していたはずだが
現在は動物を会話をするアニマル・コミュニケーターという
いかにも胡散臭い仕事をしています。
しかもレズビアンになってしまったようです。
花束を突き返す受付の女性(おそらく今のパートナー)
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女の嫉妬って恐ろしい。。。


昔の彼女その4  ペニー

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ティルダ・スウィントンです。
以前紹介した『少年は残酷な弓を射る』で主演だった女優です。
ペニーは地図にも載っていないような荒地にあるボロ屋敷で
柄の悪そうな連中たちと暮らす不遇な生活のようです。
ドンとは良い別れ方をしなかったようで
会った瞬間から喧嘩モード。
最終的には用心棒っぽい男に絡まれちゃうし。



本作に出演する女優には妙な生々しさがあります。
ジム・ジャームッシュは本作を制作するにあたって
4人の女優に自分に息子がいると仮定して手紙を書かせたそうです。
それをもとに監督が肉付けしてキャラクターを形成したのだとか。
なかなか面白い映画のつくり方ですね。


ジム・ジャームッシュの遊び心を感じる小ネタがいっぱい!


まずはオープニング。
なにやらタイプライターを叩くような音が聞こえます。
次のショットはピンクの封筒がポストに投函される映像。
それがポストマンに運ばれ、やがて封筒は飛行機に乗り
ドンの家に届きます。
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ここまでの流れをオープニングで見せてくれるので
一気に興味が封筒の中身に集中。
当たり前の日常なのにとてもドラマチック。
こういう魅せ方が本当に上手な監督です。
The Greenhornesの60~70年代を彷彿とさせるサウンドも渋い!

『There Is An End [feat. Holly Golightly]』The Greenhornes




元ガールフレンドの家にたどり着いたドン。
車の中からお庭チェック。
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おっとバスケットゴールが!もしやこの家に息子が?
ちょっとした描写が次の展開への期待に繋がります。



ピンクの手紙から始まる物語ですが
ピンクのローブを着たローラ
ピンクの名刺のドーラ
ピンクのスウェット姿のカルメン
ピンクのバイクに乗るペニー
庭に捨てられたピンクのタイプライター

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何やら意味ありげなピンクのアイテムがたくさん!
手紙の差出人は誰なのでしょう?
だんだんどうでも良くなっていくドンに注目です。



ちょっと面白いなーって思ったのがこちら。

ローラの食卓はチキンのグリルとワイン。
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とても美味しそう!

一方ドーラの食卓には。。。
BrokenFlowers12.jpg
これは…なんとも。不味そう…

夫を亡くしそれほど裕福ではなさそうなローラ
かたや夫の成功で成金になったドーラ
ところがディナーは断然ローラの方が魅力的。
このように食卓を使って人物を対照的に描くのも面白いです。



また、何度か出てくるのが自己紹介のネタ。
ドンが『ドン・ジョンストンだ』と自己紹介すると
誰もが『ドン・ジョンソン?』と半笑いで聞き返すのですが
ドン・ジョンソンって『特捜刑事マイアミバイス』
『刑事ナッシュ・ブリッジス』
の俳優の事なのかな?
たしかすげー女ったらしの俳優だったような。
それともドン・ファン(伝説上の遊び人)の事?
まあ単なる聞き間違いといった小ネタなのかも。


ラストシーンもいいんです。
具体的には書きませんが
旅から戻ったドンが『ひょっとしたら息子?』っていう青年を発見します。
ここからのシーンがどうしようもなくひどい話で笑えます(笑)

ええー!おしまいなの???っていう
小馬鹿にしたラストシーンもイイ!
うんうん。これでいいんです。
だってそもそも目的なんてない旅だったのですから。
着地点を見失ったフワフワした目線のビル・マーレイ。
『やれやれ。さて…これからどうしたものか』って顔。
本当に上手いなぁ。

最後の最後でサプライズ小ネタ!
この車に乗ってる男。。。
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ビル・マーレイの実の息子!(ホーマー・マーレイ)
ってわかんねーよ!







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[ 2014/04/01 23:04 ] ロードムービー | TB(0) | CM(2)

『パレルモ・シューティング』 巨匠ヴェンダース監督作品!生きる意味を問いかける傑作!

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『パレルモ・シューティング』
Palermo Shooting


監督  ヴィム・ヴェンダース

2008年
ドイツ
108分



ヴィム・ヴェンダース監督作品
パレルモ・シューティングを紹介します。
ヴェンダースと言えばロードムービーの巨匠。
代表作『パリ、テキサス』は永遠の名作です。
そこからヴェンダース作品はメッセージ性が強くなり
哲学的で難解な作品が増えていきました。
ちょっと苦手意識を持っている方もいるようですが
本作は過去の作品とちょっとテイストが異なり
もう少し親しみやすい内容になっています。
とは言ってもテーマは『生』と『死』
なかなか興味深い作品でした。

『死』と向かい合う事で生きる意味に気付く物語


簡単なあらすじ

フィンは写真家。
写真をデジタル処理する事で
現実ではありえない世界を作り出すスタイルは
芸術的評価が高く、世界から注目されていた。
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昼も夜もなく、携帯電話鳴りっぱなしの日々で
彼はほとんど眠ることができなかった。
そしていつも『死』にまつわる短い夢を見る。
フィンは自分が生きている意味を見失い
『死にたいのに死ねない』ジレンマの中
忙しい日々に身をゆだねているだけだった。


ある夜、フィンが車を運転しながら
風景を撮影していたのだが
運転しそこない、危うく大事故となるところだった。
その時、フィンはある男の顔を目撃していた。


ミラの撮影の為、パレルモにやってきたフィン。
撮影後もひとりパレルモに残り、休暇をとっていた。
そこでフィンはあの男を再び目撃する。
男は矢でフィンを狙っていた。
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幾度となく命を狙われるフィンは
『死』への恐怖が深まっていく。


そんなある日、フィンは魅力的な女性フラヴィアに出会う。
彼女もまた過去の出来事から『死』に取り憑かれていた。
やがて二人は同じ時間を過ごす事で
失いかけていた何かを取り戻しつつあった。





いやー面白かった!
ヴェンダースの故郷である
デュッセルドルフから物語は始まり
古き良きヨーロッパ街
パレルモが舞台になるこの作品。
ロードムービーのようでありながら
『生』と『死』を扱った哲学的な物語。
しかし小難しい説教臭さはなく
どこか親しみやすい軽さがあります。
そしてなんともロマンチック。
過去の作品のフレーバーが満載の
嬉しくなる映画です。


出演者の紹介 ※ルー・リードがいるよ!


フィンを演じるカンピーノ
ディー・トーテン・ホーゼンのボーカリスト。
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最近のアルバム8作はすべてドイツでナンバー1を獲得!
ドイツを代表するバンドと言っていい存在です。
1999年、ヴィム・ヴェンダースが
ホーゼンのPVを撮影したのをきっかけに
友情が始まったそうです。
きっかけになった作品がこちら。

Die Toten Hosen 『Warum werde ich nicht satt』

なんか変なPVですよね(笑)面白い!
カンピーノは俳優としてのキャリアもあり
数々の映画やテレビドラマに出演しています。
『時計じかけのオレンジ』の舞台では高い評価を得ました。


フィンを付け狙う謎の男はデニス・ホッパーです。
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ヴェンダースの『アメリカの友人』から30年ぶりの出演。
彼の役は、ずばりです。
生まれる事が『入口』であれば
死は『出口』
それなのに何故人々は私を恐れるのかと
死は悩んでいます。斬新な設定!
デニス・ホッパーはこの撮影の2年後
惜しまれながらこの世を去りました。
彼のラストメッセージといえる渾身の演技は必見です。
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うーん。さすがの存在感!


ミステリアスな美女フラヴィアを演じるのは
イタリアの女優ジョヴァンナ・メッツォジョルノ。
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『愛の勝利を ムッソリーニを愛した女』で主演。
イタリアの独裁者ムッソリーニの妻を演じました。
その演技は世界中で評価され、多くの賞を受賞しました。
フラヴィアは昔、恋人を事故で亡くし
死という呪縛から逃れられず生きる悲しい女性。
同じ悩みを抱えるフィンの存在が
失われた空白の時間を徐々に埋める
大切なものになっていきます。


ミラ・ジョヴォヴィッチが本人役で登場!
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妊娠中の大きなお腹にも関わらず
カメラを向けられポージングする彼女は
『生』の象徴として眩いほどに輝いています。
ヴェンダース作品では『ミリオンダラー・ホテル』以来の出演。
本人役ってのもあってか、リラックスした雰囲気
『エッヘッヘッヘ!』という豪快な笑い方は最高!


ほんのちょっとだけルー・リードが出演!
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ヴェンダースを音楽面で協力してきたルー・リード。
本人役(しかも幻影)という不思議な映像が笑えます。
彼のセリフがまた・・・(涙)
つい最近この世を去ったルー・リード。
彼の言葉の重さが、この映画をグッと引き締めています。


本作の重要なファクター『音楽』


気持ちを高めるため
またその逆で落ち着けるため
雑念を振り払い無心になるため
一人の世界を取り戻すため
主人公のフィンはイヤホンで音楽を聴きます。
まるで音楽が彼を導いているようにも見えます。

たとえアーティストがこの世を去ったとしても
曲があるかぎり音楽として存在できる。
音楽には死と生を超えた力があります。

この映画の2年後に亡くなったデニス・ホッパー
つい最近この世を去ったアーティスト
ルー・リードが映画の中で生き続けている事も
この作品の語らんとするテーマを
さらに深く感じさせます。

ちなみに映画音楽は、伝説的なドイツのグループ、
カンのリーダーイルミン・シュミットが担当。
カン(Can)は、68年西ドイツで結成されたバンド。
パンク、ニュー・ウェイヴ
オルタナティヴ・ロック
エレクトロニック・ミュージック
ポスト・ロックなどに大きな影響を与えました。
また、ニック・ケイヴをはじめ
ヴィム・ヴェンダースならではの
メンバーが楽曲を提供していますので
映画を観る際、『音楽』にも注目してください!



エンドロールがおしゃれ。
劇中でフィンが撮影した写真が見れます。
これが凄くいい。
深い余韻となっていつまでも心に残ります。

この映画はラブストーリーではありませんが
『生』と『死』というテーマを追求することで
『愛』という目に見えないものを強く感させるという
不思議な作品になっています。
ヴィム・ヴェンダースさんスゲェっす。










[ 2013/11/10 14:54 ] ロードムービー | TB(0) | CM(0)

『パリ、テキサス』 ヴィム・ヴェンダース監督最高傑作!一生に一度は観て欲しい映画

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『パリ、テキサス』
Paris,Texas

監督 ヴィム・ヴェンダース

1984年
西ドイツ フランス
147分



ロードムービーの金字塔
『パリ、テキサス』を紹介します。

監督はロードムービーの名匠
ヴィム・ヴェンダース。
西ドイツ・フランス合作映画である本作で
第37回カンヌ国際映画祭で
最高賞パルムドールを受賞しています。

『ことの次第』
ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞

『ベルリン・天使の詩』
カンヌ国際映画祭監督賞

『時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!』
カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ

などなど数々の受賞作品を作り上げた名匠ですが
『パリ、テキサス』は彼の代表作と言っていい傑作です。
今回はブルーレイで鑑賞しましたが
1984年とは思えぬ美しさです!


一人の男が絶望した時、一心不乱に歩きはじめた。


簡単なあらすじ

砂漠をさまよっていた男が発見される。
それは4年前に失踪したトラヴィスだった。
弟ウォルトは彼を迎えに行くが
彼には口もきかず、何も覚えていない様子だった。

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※4年でこんな感じに仕上がりました。

ウォルトの家に居候する事になったトラヴィス。
そこで7歳に成長した息子と再会。
トラヴィスは息子に再会する事で
徐々に自分を取り戻していく。
そして『何故家族がバラバラになったのか』に気がつき
妻を探し出し、再び息子のもとへ連れてくる事が
自分の仕事だと思いはじめる。


この映画は
『歩き続ける男』
『兄弟の旅』
『息子との出会い』
『息子と母を探す旅』
という流れで話が進み
トラヴィスが自分を取り戻す旅を描いた作品。

ひたすらに歩いていた彼の目的地は
『テキサスにあるパリ』
パリって土地があるんだそうです。
両親が愛し合った場所という記憶のみで
ひたすらに歩き続けていました。
そこに辿り着けば
本当の自分を見つめ直す事ができる
間違った自分を否定できる
新しい自分に生まれ変われる
なんの確証もないけれど
すべてに絶望した彼には
それしか思いつかなかった。
だから一心不乱に砂漠を歩いていたのです。

うーん。。。
この映画は観て欲しい!
だからネタバレできない!


決してセリフは多くないが 非常に魅力的な登場人物たち


なんと言ってもトラヴィスの存在感!
ハリー・ディーン・スタントンです。
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こんなのが急に家にやってきて
本当の父親だと紹介されたら・・・
息子ビックリしますよ・・・

息子のハンターが可愛い!
初対面から徐々にパパに慣れていく感じが
この映画をほっこりさせてくれます。


突然に父が訪問。
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4年ぶり。

あせる息子ハンター。
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そりゃそうだ。

8ミリ映像を懐かしむ父
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それを見るハンター。
まだこの距離感。

8ミリ映像を観終わると
父に興味をしめす。
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急接近!

父が旅に出ると知り
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まさかの『僕も行く』発言!

車内ではしゃべりっぱなし!
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しかも宇宙の誕生について。

喋りつかれてグースカ。
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もうベッタベタ!
ハンターがこの映画の救いと言っていい存在です。


妻のジェーンはナスターシャ・キンスキー
Paris09.png
美 貌 !
もう凄いんですよ。とにかく綺麗。

チョイ役で出演していたジョン・ルーリー
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『パーマネント・バケーション』
『ストレンジャー・ザン・パラダイス』でお馴染み。
濃いなぁ・・・。


ヴィム・ヴェンダースが描く『愛』の深さ


『パリ、テキサス』は
崩壊してしまった家族の物語なのですが
何故この三人の関係が壊れてしまったのか?
それはトラヴィスの強すぎる愛のせいで
心に悪魔を宿してしまったから。
愛があれば全て上手くいくなんて
世の中綺麗事だけで回っているわけではない。
そもそも『愛』とは恐ろしいもので
愛が強ければ強いほど相手を嫉妬し
離すまいと束縛し
嫌われまいと言いなりになってしまう。
心の中に悪魔が生まれてしまうのです。

トラヴィスは今でもジェーンを愛しており
ジェーンもまたトラヴィスを愛しています。
ハンターも両親を求めています。
それなのに三人でいる事ができない。
この映画の悲しさはここにあります。
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溜息が出るほど美しい映像と
ライ・クーダーのスライドギターの音
ゆっくりと、それでいて無駄がなく進む物語
人を愛する事とは?
愛される事とは?

甘ったるいメロドラマじゃなく
壊れた人間関係にスポットを当てることで
より深くテーマを掘り下げるという
もう見事としか言い様がない映画でした。
『完璧』という作品かもしれません。
永遠に色あせないロード・ムービーの大傑作です。









[ 2013/10/02 15:45 ] ロードムービー | TB(0) | CM(0)

『ペーパー・ムーン』 心に広がる柔らかい感動!見逃せない名作!

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『ペーパー・ムーン』
Paper Moon

監督 ピーター・ボグダノヴィッチ
1973年
アメリカ
103分

10代の頃に見たような気がします。
本編の記憶が曖昧だった為、廉価版を購入しました。

二人は詐欺の名コンビ 笑いと涙のロードムービー


あらすじ

冒頭はお葬式のシーンから。
母親を交通事故で亡くした9歳の少女アディ。
そこにいかにも胡散臭いモーゼという男が参列。
どんな関係かと尋ねると『女友達(バーで知り合った)だ』という。
身寄りのいないアディを不憫に思う参列者たちは
モーゼに『遠く離れた叔母さんの家まで送り届けて欲しい』と依頼する。
(車を持っているという理由だけで)

嫌々ながらアディを親戚の家まで送り届ける事になったのだが
このモーゼはとんでもないペテン師なのだった。
その商売の手口は非常にしょーもなく
インチキ聖書を売りつけて小銭を稼ぐ程度。

詐欺師と旅をする羽目になったアディ。
心底『マジかよ・・・このおっさん・・・』です。
ところが彼女は9歳ながら非常に賢く、度胸もあり
天才的な詐欺師の才能があるのだった。
いつしか二人は名コンビになっていく。
アディはモーゼに『私の本当のパパじゃないの?』と何度も聞くが
その都度『違う』と答えるモーゼ。
笑いと涙の奇妙な旅がはじまる。


ペーパームーンに腰掛けて


タイトルにある『ペーパームーン』とは
読んで字のごとく『紙の月』です。
昔はカメラを持っている人なんてそうそういませんでした。
記念写真といったら写真屋が定番でした。
あとお祭り会場などで『写真はいかが?』と声をかける出店があります。
記念写真の背景として人気があったのが
三日月に腰をかけて撮影する『ペーパームーン』です。
実際には木で出来ていたという話ですが(笑)
基本的には家族や恋人同士で写すものですが
この映画ではアディが一人で写しています。
モーゼにも『一緒に撮ろう』と誘うのですが
『あとで』と冷たくあしらわれてしまいます。

アディは旅の別れ際、車の座席にその写真をそっと置いて行きます。
一人でつまらなそうに月に腰をかけているアディの写真には
『モーゼへ アディより』というメッセージが書かれていました。

映画を観終わってからDVDのジャケットに目をやると
二人が並んでペーパームーンに腰掛けています。
映画の結末のにある物語を感じさせます。

観終わった後の爽快感!完璧な作品


あえて『モノクロ』で撮影された作品なのですが
このモノクロの美しいこと!
光と影、乾いた砂けむり、微妙な表情の変化などが引き立ってます。
凝った演出や構図に頼らず
シンプルなストーリーを丁寧に描く事
カット無しの長まわしで得られる緊張感
それに物語を理解した役者。
当たり前の条件が揃う事で
こんなにも素晴らしい作品になるんだなぁと感動しました。

大それた事件がおこるわけでもなく
大げさに涙を誘う演出もありません。
それでも観終わった後の心地良さは極上
ある意味パーフェクトな映画のカタチがここにあります。

道中での皮肉たっぷりの口喧嘩も楽しく
二人が協力し合って詐欺をはたらくシーンも滑稽です。
sashie076.jpg
印象に残るセリフは多々あるのですが
『大人になっても男をだますような女にはなるなよ』なんてセリフがあり
まさに『どの口が言ってるんだ!』って感じですが
不思議と胸が熱くなります。

ちなみにモーゼとアディ、二人は実際の親子なんですよね。
アディ役のテイタム・オニール
わずか10歳でアカデミー助演女優賞(最年少受賞記録)。

ジャンルとしてはロードムービーになりますが
全てのジャンルを通してみても
これほど美しくまとまった作品はなかなかお目にかかれないと思います。
一度は観ておくべき作品。
これこそ映画。








[ 2013/08/23 20:14 ] ロードムービー | TB(0) | CM(0)

『スケアクロウ』 二大俳優の名演技が光るロードムービーの傑作!

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『スケアクロウ』
Scarecrow

監督 ジェリー・シャッツバーグ
アメリカ
1973年
113分


監督はジェリー・シャッツバーグ。


映画監督になる前はヴォーグなどで活躍する写真家だったようです。
主演はジーン・ハックマンアル・パチーノ
カンヌ国際映画祭でパルム・ドール
国際カトリック映画事務局賞を受賞した作品です。
ちなみにスケアクロウとは日本語で「かかし」という意味です。

この映画が大好きで、紹介したいシーンが山のようにあるのですが
今回はネタバレなしで書こうと思います。


胸が熱くなるロードムービーの傑作!


商売を始めるためにピッツバーグを目指すマックスと
一度も会ったことのない自分の子供に会うためにデトロイトを目指すライオン。
二人はヒッチハイクの途中で出会い、いつしか友情が芽生え始めます。
旅の先にはどんな物語が待っているのか?


二人の出会いから物語が始まるのですが
この出会いのシーンがいい!
二人にこの先なにが待ち受けているのかと気持ちが高鳴ります!
ジーン・ハックマンアル・パチーノの演技はお見事の一言で
まんまと映画の世界観に引き込まれてしまいました。

気に食わない奴は殴って黙らせてきたマックスと
優しくて人懐っこくて人を笑わせるのが好きなライオン
旅が続く中でお互いを思いやる心が芽生えていきます。
その関係は親子のようであり、親友のようであり。
いつの間にかこの二人にしかわからない距離感が生まれていきます。
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時には喧嘩もするのですが。。。

ライオンが言った『カラスはカカシを恐れるか?』のくだりは
印象深く、とても意味深で、映画史に残る名セリフの一つだと思います。


唐突だが味わい深いラストシーン


ええ!っと驚くほどあっさりしたラストシーン。
それなのにいつまでも物語の余韻が続く不思議な映画でした。
ハッピーエンドなのかどうかは描かれていませんが
彼らの幸せを願わずにはいられない味わい深い終わり方でした。
『観てよかった!』と思わず握りこぶしを作ってしまうほど面白かったです。

誰にでもある『長い人生の中で忘れることができない一瞬』
この二人にとって忘れる事のできない旅だった事は間違いありません。
全然ドラマチックじゃないマックスとライオンの物語は
いつまでもいつまでも心に残ります。

腹を抱えて笑えるような楽しさはなく
迫力のあるシーンがあるわけでもなく
最後に思いっきり泣かせてくれる映画ではありません。
でもこの映画は間違いなく名作だと思います。
気に入ってもらえたら嬉しいです。








[ 2013/06/23 00:01 ] ロードムービー | TB(0) | CM(0)













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