『グッバイ、レーニン!』 ベルリンの壁崩壊前夜、小さな家族を襲った大事件!バカバカしくも真っ直ぐすぎる親孝行!母の愛は偉大!

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『グッバイ、レーニン!』
Good Bye Lenin!

監督 ヴォルフガング・ベッカー

2003年
ドイツ
121分




今日紹介するのは『グッバイ、レーニン!』というドイツ映画です。
ベルリン映画祭で最優秀ヨーロッパ映画賞を受賞した
ヴォルフガング・ベッカー監督の作品なのですが
彼のデビュー作であり、なかなかの名作!
と言ってもまだ2本しか撮っていないのですが(笑)
2015年に『僕とカミンスキーの旅』を撮影しています。
本作はなかなか面白かったのでこちらも鑑賞する予定。

母が8ヶ月の昏睡状態から目が覚めたとき、そこは別世界になっていた


東ドイツの首都 東ベルリン。

クリスティアーネの夫、ローベルトが西ドイツへ単独亡命。
幼い娘と息子を抱えたクリスティアーネは夫との思い出から逃れるため
社会主義に傾倒していく。

東ドイツ建国40周年記念日である1989年10月7日の夜
青年になった息子アレックスは家族に内緒で反体制デモに参加する。
デモを鎮圧するためドイツ人民警官は市民と衝突する。
警察に逮捕されたアレックスは偶然通りがかった母と目が合う。
社会主義に人生を捧げていた母は息子のその姿に強いショックを受け
心臓発作を起こし昏睡状態に陥る。

彼女は二度と目覚めないと思われたが
8ヶ月後に病院で奇跡的に目を覚ます。

しかし、その時にはすでにベルリンの壁は崩壊。
東ドイツから社会主義体制は消え去り
東西統一も時間の問題となっていた。

「もう一度大きなショックを受ければ命の保障は無い」
医師から宣告されたアレックスは、悩んだ末に自宅に引き取る。
母に社会主義が消え去った現実から守るため
何一つ変わっていないかのように
必死の細工と演技を続けることに決めたのだが・・・




面白かったーーーー!


これはいい作品ですねー。
登場するキャラクターも素晴らしく魅力的で
母を守るため必死に小細工を続けるアレックスはどこか滑稽で
クスクスっとくるコメディ要素もあり。
最後にはきちんと感動させてくれるし。

そしてなんと言っても
『ベルリンの壁崩壊によって何が変わったのか?』
どこにでもいそうな家族の目線から描く事で
非常にわかりやすく仕上がっています。


東と西の文化の違いを知ることでさらに面白くなる!豆予備知識


世界史ってだけでどうも眠くなるタイプなのですが
やはり映画の本質を理解するために再度ドイツの歴史について
調べてみました。

第二次世界大戦後、ドイツは東西に地域に分断され、二つの国家が形成されます。
ただ単に分断したわけではなく
東ドイツはソ連によって社会主義計画経済を目指し
西ドイツは資本主義市場経済を目指すという
まったく別の国家になってしまいました。

この映画の舞台は東ドイツ。
つまり社会主義国家なわけです。
自由主義経済や資本主義ってのは貧富の差を広げるのを避け
より平等で公正な社会を目指すという思想です。
聞こえは良いのですが・・・国民への還元は微々たるもので
生活は苦しいものとなり経済は衰退していきます。
至福を肥やすのは政府ばかり。
東ドイツでは政府に疑問をもつ者が増え
西ドイツへの憧れを抱く国民が増えていく。

まあ簡単に区別しますと

【東→閉鎖的な社会主義】
【西→そこそこ自由な資本主義】


といった感じ。

結構冒頭から重要なシーンが多い作品なので
ここまでは確実に知っておいて欲しい部分ですね。

この監督の狙いの一つだと思うのですが
二つの国家を分断した壁が壊れて文化が交じり合うシーンが
重くなくそこはかとなくコミカルなタッチで描かれています。
国家の一大事に一番バタバタするのは国民で
しかもすぐに適応しちゃうたくましさがあって…みたいな。

話を戻しましょう。

母のクリスティアーネは夫が西ドイツに亡命した後
その思い出を消し去るため、祖国東ドイツへの忠誠を誓うのです。
夫と決別し、国家と再婚したという事ですね。

しかし東ドイツは成長するどころか
どんどん衰退していくのです。
これがこの映画の母の悲しさ。
母を心配する息子アレックス。

しかしアホなアレックスは
反体制デモに参加しちゃうんですね。
たぶんそこまで熱心な参加者ではなく
時代の流れを感じた若者たちに共感したのか
軽い反抗のようなものだったのかもしれません。
が、しかし母にしてみたら人生をかけてきた思想であり
一人で必死に育ててきた息子が反体制デモに参加し
しかも目の前で逮捕されちゃったもんですから
そりゃもう心臓発作なわけです。



バカ息子のアレックス
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逮捕されて取り返しのつかないことに。。

アレックスの恋人のララ。この子がいい子なんですよ。。。
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異常なまでの可愛らしさです。




病院に運ばれた母を見つめるアレックスの後悔の表情。。。
馬鹿な行動で最愛の母をこんな目に。。。
ちょっとドイツの歴史をおさらいしておくと
また見え方が変わってくると思います。

でもまあ自業自得なんですけどね。。。


『ごめんね母ちゃん!』からの…大芝居!バカバカしいのに泣ける!


主治医から伝えられた
「もう一度大きなショックを受ければ命の保障は無い」
という言葉の重さ。

もしも母が眠っている間に世界が激変していたなんて知ったら?
人生を捧げた社会主義国家が崩壊していたら?



母ちゃん驚いて死んじまうだろーがー!



ここから彼がとった行動が奇想天外(笑)


『世界は何も変わっていません』
母を騙し続けることを決意!嗚呼!なんと思い切った決断!
これ以上、母を傷つけるわけにはいかない!ってのはわかるけど・・・


アレックスは家族・友人を巻き込みをつき続けます。
この涙ぐましい努力が感動を…ではなく笑えるんです(笑)
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テレビを見たがる母には自主制作の偽番組を作成し見せるなど
どんどん大掛かりになっていく劇団アレックス!
もうバカバカしくも真っ直ぐなアレックスのアイデアが最高!
やがて収拾がつかなくなっていく嘘の上塗り!
しかもこの嘘は一人の女性を守るための幸せな嘘なんです。
アレックスのちょっと行き過ぎた親孝行!
この映画の大きな見所となっています。


空を見つめる母。目の前に映るのは・・・
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やばーい!壊されたレーニンの像がーーー!
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ここからどうやって誤魔化すの???



バーガーショップの店員となり
新しい時代の到来を早速エンジョイする姉。
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この姉ちゃんなかなかのキャラ。



そして今作で一番のお気に入りはアレックスの映像オタクの友人!
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彼の母の為にフェイクニュースの制作を手伝う。
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こいつがマジでいい奴すぎて最高!(番組には自ら出演!)
どの世界でもオタクのこだわりと集中力は偉大。



物語については多くは語らなくても
先ほど紹介したドイツの歴史をちょいと読む程度の
予備知識だけで(まあそれすら知らなくても)十分に楽しめる
ちょっと切なくておバカな人間ドラマです。
どうかご自分の目でお確かめください。



母を思う子供の想いと
家族の幸せを願う母の愛。
そしてそれをとりまく親切な人々が繰り広げる
ちょっとひねりの効いたストーリーは
観る者をグイグイ引っ張ってくれますので
最後まで楽しんで鑑賞できました。


大きな歴史的事件に巻き込まれた小さな家族のドタバタ騒動。
思わず『監督うまいなぁー』と感心してしまいました。
優しい気持ちになれる素敵な映画。
オススメですよ!








[ 2017/09/24 00:26 ] ヒューマン | TB(0) | CM(0)

『エド・ウッド』 史上最低の映画監督(実在)のどうしようもない空回り人生を感動的に描くティム・バートン監督のファンタジー伝記!

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エド・ウッド
Ed Wood



監督 ティム・バートン

1994年
アメリカ
127分



ハロウィン直前!ということで
それっぽい作品を紹介しようかと思ったのですが
今回はちょっとひねってみました(笑)

「史上最低の映画監督」
の別名で知られるエド・ウッドの伝記映画です。
メガホンをとったのは奇才ティム・バートン!

全くもって才能の欠片もない映画監督(やる気は人一倍)が
世界中を地獄のような退屈のどん底に落とした罪深い作品の数々!
あまりにも破綻したストーリーと無意味なシーンのツギハギ(笑)
カルト映画界でもぶっちぎりの存在感を持つエドの生涯を描く作品です。

どのへんがハロウィン?って感じでしょうが
本作にはハロウィンに欠かせないドラキュラ伯爵が登場します。
ちょっと苦しいか!


やる気は世界一!世界最低の映画監督!


1950年代のハリウッド。
映画監督を夢見るエド・ウッドは、映画スタジオで使いっ走りの仕事をしている。
恋人のドロレスや仲間たちと芝居を上演するものの、さっぱり評判も上がらない。
いつの日か!と燃えるエドだったが、彼には致命的な欠陥があった。
映画監督としての才能が無いのだ。

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ある日、エドはベラ・ルゴシと出会う。
ルゴシはかつてドラキュラ俳優として一世を風靡した俳優。
ところが今ではすっかり落ちぶれ、薬物中毒だった。
しかしエドにとっては子供の頃からの憧れの大スターだった。
ルゴシとの出会いはエドを加速させる。

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B級映画会社のプロデューサーを何とか説き伏せて
エドは自身の脚本・監督・製作・主演の処女作『グレンとグレンダ』を完成させるが
完成した映画の出来の悪さにプロデューサーは激怒する。
しかし楽天的なエドの制作意欲はとどまる事を知らず
次々と迷作を作り上げていく。





妙に好きなんですよねー。この映画。
友人に『おすすめの映画は?』と聞かれ、何度か本作を紹介してます。

劇中のエドとは全く異なる(笑)天才ティム・バートンらしさ溢れる
エドを愛してやまない細かい演出が泣かせます。
ティム・バートンはエドの映画を心から愛し、夢に向かって突っ走る姿に
なにかしらシンパシーのようなものを感じているのでしょう。
モノクロのあたたかい映像は映画の雰囲気を盛り上げてくれます。
これって本当?みたいなエピソードもありの
ユーモアあふれる伝記映画になっていますので、知らないって人でも全然大丈夫。

そういえばデビッド・リンチなんかもエド・ウッドの名前出したりしますね。
ジョン・ウォーターズ、サム・ライミ、クエンティン・タランティーノあたりも。
もー・・・クセ者ばかり(笑)何故か共鳴しあう変人たち。。。
たしかに好きそうですね。

ティム・バートンならではの視点 愛が溢れる友情(?)の物語



さて、この映画ですがエドの生涯を美しく描いたファンタジーです。
エドはもっとズルくて節操がなくていい加減な野郎だったに違いありません。
ジョニー・デップの素晴らしい演技でエドのぶっとび具合がわかりますが
どこかチャーミングで憎めない男。実際のエドもそうだったのかな?
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類は友を呼ぶと言いますが、女装癖のある変態エドの友達も
どこか世の中とズレたマイノリティな生き方をしている人ばかり。
『お前には才能がある!だから映画に出てくれ!』とそそのかしたんでしょうね。
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ナイスな顔ぶれ。

この映画で一番印象に残ったのは
本作でアカデミー賞助演男優賞を受賞したルゴシ役のマーティン・ランドー!
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素晴らしい演技を魅せてくれます。
それほどルゴシに似ているわけではありませんが
そのナリキリっぷりは最高で、ドスのきいた台詞回しはルゴシそのもの!

大好きなビル・マーレイが出てるのもポイント高い!
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バニー・ブレッキンリッジという俳優を演じてるのですが
そのナヨっとした演技がいい!

エドは『回せ回せ!』と好き勝手に映像を撮りまくっています。
そんないい加減なやり方で映画なんか作れるの?って感じなのですが
エドにとっては『映画を撮る』という行為に意味があるのであって
名作を作り出すスキルもなければ根性もない。
すべてやっつけ仕事の口ばっかの男だからしょうがありません。
案の定、最低な映画が完成してしまうわけです。
文章だけで書くと非常にウツな内容ですが(笑)本作にその重さはありません。
重いどころかエドとルゴシの奇妙な友情(親子のような)を描く事で
実に感動的な作品になっており
ちゃんと魅せる映画に仕上げてくるあたりティム・バートンの上手さが光ります。


本当に本当につまらない映画ってあるんです


本家のエド・ウッドの作品を一度だけ見たことがあります。
それはそれは・・・ひどいもので(笑)
興味本位で観てしまっては痛い目にあいます。
本当につまらない映画ってあるんです。
特に本作で描かれている『プラン9・フロム・アウタースペース』は凄い!
話になんの繋がりもない伏線っぽいエピソード(覚えているだけ無駄)
金がないにもほどがあるセット(単なる椅子を二つ並べた飛行機の操縦席など)
長ったらしい全く意味のわからないセリフ

。。。もうツッコミどころだらけ。
誰が撮ったってもう少しまともになるんじゃないかってくらい(笑)
ここまで書くと『なんか面白そう』なんて思うかもしれませんが
とんでもない!全然面白くなんかない!
出来上がった映画を『最高傑作だ!』なんてエドが騒いでいたとしたら
それはそれで驚きなのですが、一般人にはゴミ以外のなにものでもない映画。
しかし圧倒的な存在感を放つゴミではあります。

晩年のエドは制作意欲を失い酒に溺れて惨めな死に方をします。
没後はしばらく忘れられていましたが、深夜テレビの映画枠で繰り返し放送され
一部でカルト的な人気を得ました。そこで「歴代最低映画」として知られるようになり
史上最低の映画監督・エド・ウッドが知られるようになったそうです。

破天荒な撮影方法で誰も見た事がないような変態的作品を数多く残した監督
エド・ウッドの空回り人生をちょっと覗いてみませんか?







[ 2016/01/28 07:27 ] ヒューマン | TB(0) | CM(0)

『ムーンライズ・キングダム』 幼い二人が駆け落ち?豪華俳優が勢ぞろいの箱庭ムービー!

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『ムーンライズ・キングダム』
Moonrise Kingdom

監督  ウェス・アンダーソン
脚本  ウェス・アンダーソン ロマン・コッポラ

2012年
アメリカ
94分


ムーンライズ・キングダムを紹介します。
いいタイトルですねー!
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』『ダージリン急行』など
中毒性の強い個性的な映画で人気の
ウェス・アンダーソンが監督。
キツネが主人公のアニメ
『ファンタスティックMr.FOX』でも話題になりました。
脚本にはさりげなくロマン・コッポラの名前が!



幼い二人が駆け落ち???箱庭ムービーの決定版!


簡単なあらすじ

1960年代ニューイングランド島。
孤児ということに劣等感を感じながら
ボーイスカウト活動をしていたサムには友達がいない。
ある日、カットなると鏡を殴りつけるような
エキセントリックな少女スージーに恋をする。
やがて二人は文通を始め、駆け落ちを計画する。
二人は美しい海岸にキャンプしながら
愛を確かめ合いながら自由気ままに過ごしていた。
一方、村では二人が消えた事で大騒ぎ。
保安官、スージーの両親、ボーイスカウトたちが捜索を始める。



なんて可愛らしい物語!
予想以上に面白かった!
まるで絵本を読んでいるかのような
箱庭ムービー。
ムーミンでいうところのムーミン谷
ドクタースランプのペンギン村みたいな感じ。

本作はアンサンブル映画。
つまり群集劇というやつで
同じ時間、同じ場所に集まった
複数の人物の行動などを
同時進行的に一度に描く作品です。

平和で呑気な島でおこった
幼い二人の恋の逃避行
大慌ての大人たちという内容で
様々な登場人物のドタバタを描いています。
あらすじは『小さな恋のメロディ』みたいですが
『チャーリーとチョコレート工場』
『アリスインワーンダーランド』
『シザーハンズ』
といった
ティム・バートンのファンタジーっぽさもあります。
それはウェス・アンダーソン監督にも共通する
完璧主義なアートディレクションがそうさせてるのかも。

なんといっても映像が美しい!
こだわってる衣裳、絵本のようなロケーション
1シーン1シーンがまるで絵画のようです。
60年代っぽい色使いが気持ちよく
出演者の衣装も可愛い!
森や海もとても綺麗です。

そしてちょっと不思議なのがカメラワーク。
ほとんどのシーンで登場人物を真正面から撮っています。
子供が書いた絵日記のように『人物』をセンターに置き
カメラ目線で話しているのがちょっと面白いです。

こういう映画って好き嫌いはっきりしそうですが
ティム・バートンのファンタジーが好きなら
絶対にハマっちゃいそう。


幼い二人の笑っちゃうくらい真っ直ぐな恋愛


サム・シャカスキー(ジャレッド・ギルマン)
スージー・ビショップ(カーラ・ヘイワード)

この二人の可愛いこと!

サムは養子としてある家で暮らしていますが
その里親にも愛想をつかされるほどの面倒な少年。
協調性がなく、何を考えてるかわからない変な子です。
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スージーは自分を抑えるのが苦手で
すぐにカッとなり、友達もいません。
魔法の本とレコードが大好き。

そんな二人が出会った瞬間に電撃が走り
次の瞬間には文通という(笑)
そうなったらもう誰も二人を止められません。
駆け落ちはするわ勝手に結婚しちゃうわ。
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まあ結婚といっても子供ですから
法的にはまったく意味がないのですが。

大人たちは振り回されっぱなしですが
なんと言うか誰も悪者がおらず
楽しい追いかけっこをしてるように見えて
なんともあったかい気持ちになる作品です。

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豪華すぎる出演者たち 主役級の俳優が勢ぞろい!


一番驚かされたのが小さな島の住人たち!
ため息が出るほどの豪華キャスティング!

まずはこちら
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シャープ警部のブルース・ウィリス!
ブルース・ウィリスっていい映画を選んでますねー。
今回はポリスっていうハマり役です。

それから大好きなビル・マーレイ!
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スーザンのパパです。もう存在感が凄い(笑)
何もしてなくも面白いって凄い。

そんな二人が普通に喋ってる!
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間にいるのは『ファーゴ』『バーバー』でお馴染み
フランシス・マクドーマンド!
スーザンのママです。ご…豪華!


ちょっと頼りないボーイスカウト隊長が
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エドワート・ノートン!マジかよ!
こういうちょっとナヨっとした演技もいい!

福祉局員の女性がティルダ・スウィントン!
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凄く綺麗な女優さんで前から気になる人物でした。
『少年は残酷な弓を射る』では薄幸な母を演じていました。
これもいつかレビュー書きたいなー。

ボーイスカウトのお偉いさん
ピアース司令官を演じるのは
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ハーヴェイ・カイテル!
まだブチ込んでくるのかよ!
こんなの普通のおじさんでもいいのに(笑)
ハーヴェイ・カイテルだから笑えるってものありますが。


本作は『PG12』という年齢制限があります


レイティングシステムって知ってますか?
映画の内容によって年齢制限があったりするアレです。
現在日本では4つの区分があり
映画倫理委員会(映倫)が審査を行っています。

『G』
全ての年齢層が鑑賞可能な指定。
General Audience(すべての観客)という意味。

『PG12』
これはちょっと特殊な区分で、12歳未満の鑑賞には
成人保護者の助言や指導が適当とされる指定のこと。
Parental Guidance(親の指導・助言)の頭文字です。
性・暴力・残酷・麻薬など
小学生が真似をする可能性のある内容が対象です。
本作『ムーンライズ・キングダム』がこれにあたります。

『R15+』
15歳未満の入場・鑑賞を禁止する指定のこと。
いわゆるR指定というやつです。
RとはRestricted(観覧制限)の頭文字。
地上波放送の場合は深夜に放送したり
不適切なシーンがカットされたりします。

『R18+』
18歳未満の入場・鑑賞を禁止する指定のこと。
過激な性描写や、反社会的な内容の映画です。
地上波放送はほぼ不可能と言われています。


本作で問題になったシーンはどこだろう?と考えました。

幼い二人がキスを練習したり
スーザンが胸を触らせたりするシーン

たしかにちょっと問題ありかなとも思いましたが
いやらしさがなく微笑ましいレベルです。
幼いっていうのがタブー感を強めてるのかも。

動物を殺すシーン
これは直接殺す映像があるわけじゃなく
死んでる動物が映される感じ。作り物だけど。
動物愛護団体は怒っちゃうのかな。

少女がハサミで少年の脇腹を刺す
これも決定的瞬間は無し。
刺しちゃったという事実だけです。
刺された少年すげー元気だし。

この映画の魅力は美しい絵本のような世界と
二人の子供が巻き起こすドタバタと
あちこちに散りばめられたブラックユーモア。
このブラックな部分を下らないなぁと笑えるか
問題ありと捉えるかでしょう。

そもそもこの映画
12歳くらいの子が観てもピンとこない
大人の為の映画だと思います。

クスクス笑える幸せな作品です!







[ 2013/11/06 13:34 ] ヒューマン | TB(0) | CM(0)

『バグダッド・カフェ』 映画通が選んだ本当に面白い映画にランクイン!

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『バグダッド・カフェ』
Out of Rosenheim

監督 パーシー・アドロン
1987年
西ドイツ
95分



TSUTAYAで
『100人の映画通が選んだ本当に面白い映画』
という企画をやっていまして
そこに『バグダッド・カフェ』が入っていました。
ミニシアターブームを作り上げた本作は
幾度となくリバイバル上映されて
『完全版(少し長い)』
『ニュー・ディレクターズ・カット版(映像が綺麗)』

進化を続け、未だに新しいファンを増やしている伝説の作品です。

何がそんなに魅力的なのか?
世界中の映画ファンを虜にした
『バグダッド・カフェ』を紹介します。


変なオバさんややってきて、みんながちょっとだけ幸せになる物語


ドイツのローゼンハイムからの旅行者ジャスミンは
夫と喧嘩して車を降りてしまいます。
ジャスミンはトランク一つを引きずって
砂漠の中にあるさびれたモーテル(カフェとガソリンスタンドもある)
『バグダッド・カフェ』に辿りつきました。

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ところがこのカフェ、全然やる気なし。
昔は繁盛してたかもしれませんが
現在では通り過ぎる車もない有様。
コーヒーメーカーが壊れているのでコーヒーを作れず
免許がないからビールも出せない。
掃除もされておらず、女主人ブレンダが一日中ガミガミと不機嫌。
お店に集まる連中と言ったら変わり者ばかり。
そんな『バグダッド・カフェ』が
ドイツから来た変なオバさんの宿泊をきっかけに
ギスギスした心がだんだんとほぐれて
店の雰囲気が変わって行く
...というお話。


本作、抜群に面白いと思うのですが
この映画を否定的な人も多いです。
その原因は、この映画の特徴
『物語に中身がない』というのが問題かと。

ゆったりとした時間の流れの中で起承転結があるか?と言われたら
何もありません。THIS IS 退屈です。
この『何もない感じを愛せるか?』が鍵になります。
空気感や雰囲気を楽しむ映画なので
ヒューマンドラマを期待していると
あっと言う間に映画が終わってしまいます(笑)

『退屈な映画』=『つまらない映画』ではなく
退屈な映画だからこそ伝わるという事があります。
考えたり、深読みしたりと、文学に近い表現方法をとる映画は存在します。
そういう意味では好きな人は最高の評価をして
理解できなかった人は最低の評価をするタイプの映画と言えます。

この映画って何かに似てるなぁと思っていたのですが
ハーヴェイ・カイテル主演の『スモーク』でした。
ブルックリンにあるタバコ屋が舞台で
何が始まるわけでもなく(まあ多少はありますが)
タバコを買いに集まってくるある連中(曲者揃い)との交流や
ちょっぴり切ない話がのんびりと描かれた作品です。

『バクダッド・カフェ』『スモーク』
お洒落な人が『俺この映画好きなんだよね~』という感じに
『俺わかってますよ~』的に使やすい映画の代名詞となっていますが
この場合、映画には一切責任はなく、そいつが気持ち悪いだけです(笑)
まだ観ていない方は騙されたと思ってご鑑賞ください!
あなたもバグダッド・カフェに行ってみたくなるはず。


バグダッド・カフェに集う魅力的な変人たち


☆ジャスミン☆
旦那と喧嘩別れしてバグダッド・カフェに辿りついた
超太ったドイツ人のオバさん。
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基本的に素性は不明です。
何故、夫と喧嘩をしていたのか?
何故、ババリア地方の民族衣装を持ってるのか?
何故、間違えて持ってきたスーツケースに手品の道具が入っていたのか?
『子供はいない』とさみしそうに言うシーンも印象的。
そこに赤ちゃんを触りたがる理由があるんだろうけど
劇中では全然明らかになりません。
ある意味平和だった『バグダッド・カフェ』に突然現れた異邦人。
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ミステリアスというか不気味(笑)
ブレンダが怖がるのも無理はないです。

この映画で驚かされるのが
ジャスミンがどんどん女性として魅力的になっていく事。
最初は太ったオバさんくらいにしか思ってなかったのに
どんどん可愛らしくなっていくんです。
これはもう魔法としかいいようがありません。


☆ブレンダ☆
『バグダッド・カフェ』の女主人(ボス)
気に入らない者には100%の力でガミガミ怒鳴りつける鬼嫁。
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ただでさえ旦那が出て行った事で腹が立っているのに
ジャスミンが勝手にカフェやオフィスを掃除してしまったり
子供たちがジャスミンに懐いてしまったりと
神経を逆なでする事ばかりするジャスミンを怒鳴りつけますが
自分が他人の気持ちを顧みない生き方をしていたせいだと気づき
それを気づかせてくれたジャスミンを信頼するようになります。


☆コックス☆
ハリウッドからやってきた爺さん。
トレーラーハウスに住み、毎日カフェに顔を出します。
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バンダナがイカス

絵が趣味。
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独特のタッチ。

昔は映画の背景を描いたりしていたようで絵が得意です。
ジャスミンの魅力にとりつかれ
絵のモデルになってくれと頼みます。
ラストシーンでの頑張りが最高です。


☆サル☆
ブレンダの旦那。いかにも優しそうな男で
お人好しな性格の為かどうも商売が下手そう。
ブレンダにガミガミ叱られて家出中。
でもブレンダが気になって、いつも遠くから双眼鏡で見てます。
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ブレンダ・・・

オー・・・ブレンダ・・・
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帰れよ!


☆デビー☆
刺青の彫師。バグダッド・カフェに長期滞在している客。
一匹狼的な雰囲気があり、ジャスミンを受け入れようとしません。
揉め事が好きなのか、何かある度に必ず見切れている(笑)

今読んでいるのは
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『ベニスに死す』!

揉め事が好き
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物陰からチラ見。

通り過ぎついでに
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チラ見。

隣の部屋で
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盗み聞き中。

お化粧中と見せかけて
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鏡越しのチラ見。

急に出て行くと言い出すデビー。
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バグダッドカフェの人々に家族のような絆が芽生えた時
『仲が良すぎるわ』と言い残し出て行ってしまいます。
個人的には大好きなキャラクターで、
甘ったるい展開に対してのスパイスのような存在です。
みんなで仲良くなってハッピーエンドにしないところが最高ですね。


☆サロモ☆
ピアノばっかり弾いてる青年。ブレンダの息子。
子供っぽいがなんと子持ち!

怒られるサロモ。
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すげーへこむ。

バッハを弾くサロモ。
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聴くジャスミン。 

カフェにしかピアノがないので
客がいるところでは弾くなとブレンダに言われている。
彼が弾くピアノを気持ちよさそうに聴くジャスミンが印象的。
バッハの故郷はドイツ。故郷を思い出していたのかもしれません。


☆フィリス☆
モテモテの女の子。ブレンダの娘。
メンズに胴上げされるほどモテモテ。
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過激な男友達とコンサートに行ったり
男達に家まで送らせたりと
遊んでばかりの印象がありますが
客室の掃除などお手伝いもしている様子。
ジャスミンと一番最初に友達になれた子でもあります。


☆カヘンガ☆
バグダッド・カフェの従業員
インディアン系の心優しい男です。
やる気がなさそうに働いてはいるが
バグダッド・カフェに集うみんなを気遣っています。
ジャスミンが帰ってきた時に
ポットに濃い目のコーヒーを作るシーンが好き。
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※ジャスミン曰く、アメリカのコーヒーは『茶色いお湯』


☆エリック☆
テントを背負ってやってきた旅人。
タンクトップに短パンでひたすらブーメランを練習する青年。
ストイックな印象もあるが、絶対に変人!
後半ではショーの照明を楽しそうに手伝ってました(笑)

誰がなんと言おうと
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ブーメランが青春

ショータイムでは
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楽しそうにお手伝い!

本作はブーメランを映し出すシーンがとても多く
『元の場所に戻ってくる』という意味を含む描写なのかもしれません。


☆バグダッドカフェ ファン第一号☆
どんなショボイ手品でも全力で喜ぶ!
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古くからの常連ぽい雰囲気があります。
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やがてこの店の手品が評判になり、客が増えていきますが
たぶんコイツが宣伝したんでしょう。
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クライマックスでは何故か歌いだす!ウケる!

この他にも奇妙で不思議な連中が登場します。
どうにも気になるキャラばかりです。


コーリング・ユーの美しい歌声


『バグダッド・カフェ』の魅力は
映像の美しさや、心温まる物語だけではありません。
なんと言っても音楽!
ジュベッタ・スティールが歌う主題歌『コーリング・ユー』が素晴らしい!
この映画を観終わると、頭で何度もリピート再生されてしまいます。
砂漠の中にポツンと存在する『バグダッド・カフェ』が目に浮かびます。
オリジナルサウンドトラックは超おすすめ!
コーリング・ユー~バグダッド・カフェ オリジナル・サウンドトラック
くたびれた時に聴きたくなるので、iPodに入れています。


細かい演出や、心憎いユーモア
なんとも美しい色合いの映像と、それを盛り上げる音楽。
ギスギスした心が少しずつ癒されていくような物語。
アイスクリームがゆっくり溶けていくような時間。
この映画にしかない魔法を感じました。
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何かが抜きん出て絶賛できる映画ではありませんが
自分の中に足りていない何かを満たしてくれるような
不思議な作品だと思います。

ちょっと前向きになるだけで
イライラばかりだった毎日が違って見えるという
『小さな幸せ』を教えてくれる『バグダッド・カフェ』
なんかイイ映画観たなって思えるはず。
是非。











[ 2013/09/20 15:22 ] ヒューマン | TB(0) | CM(5)

『ひまわり』 メロドラマで描く反戦映画 感動的なテーマ曲は必聴

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『ひまわり』
I Girasoli

監督 ヴィットリオ・デ・シーカ

1970年
イタリア フランス ソビエト連邦
101分


前々から気になっていた映画『ひまわり』です。
マルチェロ・マストロヤンニソフィア・ローレンが主演する
『反戦映画』なのですが
戦争そのものではなく、戦争によって引き裂かれた夫婦を描く事で
戦争の残酷さを描いています。


戦争の残酷さを、『待つ側』から描くメロドラマ


簡単なあらすじ

第2次世界大戦の中、
ジョバンナ(ソフィア・ローレン)
アントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は結婚するが
幸せの絶頂にいた二人を引き裂くように
アントニオは、極寒のソ連戦線へと送られる。
やがて戦争が終わり世の中は平和を取り戻すが
アントニオの生死はいまだ不明で
夫が生きている事を信じて疑わないジョバンナは
アントニオを探しにソ連へ旅立つ。
長い歳月をかけてようやく夫の居所を探し当てたジョバンナだったが
アントニオは現地で助けられた女性と結婚し子供までいたのだった。

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と、このように書くと
イタリア男浮気しただけの話に思えますが
そんなに単純な話ではないのです。

アントニオは過酷な戦地で倒れ
猛吹雪に埋もれて瀕死の状態でした。
『死んだ方がマシだ』と生きる希望を捨てた時
美しいソ連の娘マーシャに助けられます。
彼女の必死の看護のおかげで一命をとりとめたアントニオでしたが
記憶を失っていたのでした。

壮絶だった戦地、救出までの経緯を聞かされたとは言え
ジョバンナは納得がいきませんよね。
夫の帰りを待ち続け、絶対に生きてると信じ続けた結果がコレかと。
湧き上がる怒りと、裏切られた悲しみ。
だけどマーシャを責める事はできないというやり場のない思い。
アントニオの姿を見つけた瞬間、全てが終わったのだと絶望します。
そのまま汽車に飛び乗り、涙を流してその場を去りました。

アントニオはジョバンナを見つけた瞬間、言葉を失い
彼女をどれだけ傷つけてしまったかを悟ったような表情でした。
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この時点では記憶は戻っているようです。

彼女を見た瞬間に思い出したのか?

一時的に記憶を失っていたが
今では記憶は戻っていてそれを隠していたのか?

そもそも記憶を失ったというのは嘘だったのか?


今となってはどれが事実であるかは問題ではありません。
ジョバンナは去ってしまったのです。

かつての二人ではなくなっていたという悲劇


戦場でアントニオと一緒だったという男が
『地獄だった。助ける余裕なんてなかった』と語るシーンがあります。
その言葉に対しジョバンナが
『あなたは彼を見捨てたのね!』と男を責めます。
愛する夫を待つ切実さから出た言葉なのでしょうが
『平和な国で待っていただけの女』である事が露呈します。
彼女にとって戦争とは『異国』の話であり
新聞やニュースでしか知る事ができないものなのです。
『地獄』という言葉にリアリティを感じていない事がわかります。

また、事情はどうであれ
結果的にジョバンナを裏切ったアントニオですが
戦場という地獄で生死をさまよい
正気を失い、全く別人になってしまったしても
それはアントニオが悪いのではなく
戦争が引き起こした悲劇だと言えます。
『ジョバンナがどんな気持ちで自分を待っているのか』ではなく
『マーシャの優しさ』にリアリティを感じていたのでしょう。

愛し合っていた二人が戦争に引き裂かれた事は悲劇ですが
それだけではなく考え方や価値観を狂わせてしまい、
かつての二人ではなくなっていた事も悲劇でした。
ジョバンナにとっては『夫の死』を知らされるよりも辛い事でした。

この映画の一番の悲しさは『まだお互い生きている』という事かもしれません。

胸を締めつけるラストシーンとヘンリー・マンシーニのテーマ曲


タイトルである『ひまわり』ですが
夫を探してたどりついたソ連で画面いっぱいに映し出されます。
美しいひまわり畑の下には戦没者が埋葬されているのだとか。
鮮やかな黄色で埋め尽くされた圧倒的な風景です。

会いたいという気持ちだけで言葉の通じない異国をさまよい
ひまわり畑の中をあてもなく歩くジョバンナは
かつてのハツラツとした輝きを失っていました。
風に揺れるひまわりの美しさがそれを強調します。
そしてやっと会えたアントニオの裏切りが
さらに彼女を追い詰めます。
一緒に暮らしていたマーシャ(リュドミラ・サベーリエワ)の
眩しいほどの若さを見た時
どれだけ悔しかったかを思うと。。。
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また、印象的なシーンには必ず列車が使われています。
・戦地へ旅立つ夫を乗せた列車。
・帰還を信じて夫の写真を手に列車を待つジョバンナ。
・夫に妻と子がいる事を知り、逃げるように飛び乗った列車。
・再会しても感情がすれ違い、永遠の別れとなる列車。
特にラストシーンは胸を締めつける名シーンです。

エンドロールで流れるヘンリー・マンシーニのテーマ曲(名曲!)とともに
画面いっぱいに広がるひまわり畑の美しさ。
出会ったばかりの二人の幸せなシーンが思い出され
この映画の結末をより悲しく忘れられない作品にしています。

女性に人気のある作品ですが
単なるメロドラマではなく『反戦映画』としての存在感を感じる映画でした。








[ 2013/08/22 19:06 ] ヒューマン | TB(0) | CM(0)