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『ミリオンダラー・ホテル』 巨匠ヴィム・ヴェンダースの20作目!なんと原案はU2のボノ!世界からはじき出された者たちが集うホテルで起こった事件とは?美しくも切ない数日間を描く傑作!

eiga127.jpg

ミリオンダラー・ホテル
The Million Dollar Hotel



監督 ヴィム・ヴェンダース
脚本 ニコラス・クレイン
原作 ボノ


2000年
ドイツ
イギリス
アメリカ合衆国
122分



今回紹介する作品は
『パリ、テキサス』『ベルリン天使の詩』の
巨匠ヴィム・ヴェンダースの記念すべき20作目
『ミリオンダラー・ホテル』です。
実はこの作品、ずーっと観たかったのですが
なかなかレンタルショップにも中古ショップにも置いてなく
新品を買うにも廃盤やらなにやらで手に入らず。
まあ結局中古で買うことができたのですが
上映から16年も経ってしまいました(笑)
正直、あの頃どうしてそんなに観たかったのかも忘れましたが
とにかくようやく手に入ったわけですから
気合入れて鑑賞といきます!



夢の中を生きる奇妙な人々が暮らす古びたホテルで起こった殺人。そして小さな恋。


ロサンゼルスのダウンタウン。
古びた安宿『ミリオンダラー・ホテル』には
世捨て人のような奇妙な人間が長期滞在している。
その中のひとり、トムトムは知的障害を持つ心優しい青年。
『ホテルの執事』と住人たちに慕われていたが
結局は使いっぱしりなのであった。
トムトムはエロイーズという住人に恋心を寄せていた。
million-dollar-hotel10.jpeg
ある日、トムトムの親友イジーが屋上から転落死する。
イジーの父は『自殺のはずがない。他殺だ』と信じ
FBI捜査官スキナーをホテルに送り込む。
半ば強引な方法で捜査をすすめるスキナーに
住人たちは困惑し、平和だったホテルは
たちまち混沌としてくる。

やがて、トムトムはエロイーズと心を通わせあうのだが
ずる賢い住人たちの手でイジー殺しの犯人に仕立てられ
警察に追われる身となり・・・




いやー。。。
観れてよかったー。。。

これは大傑作でもなければ
歴史に名を刻む作品でもない
ただ通り過ぎていくような作品です。
しかしこの作品には人の心に残る『なにか』があります。

みなさんはあらゆる映画を
『好き』『嫌い』に分ける事ができると思うのですが
ヴィム・ヴェンダースの作品になると
これらに『わからない』というのがプラスされます(笑)

・雰囲気は好きなのに意味がわからない
・監督が何を意図しているのかがわからない
・っつーか面白いのか面白くないのかすらわからない


つまり一般的な映画に比べるとやや芸術作品よりなので
難解であると評価されがちな作品が多いのです。

しかしこの『ミリオンダラー・ホテル』
ヴィム・ヴェンダース作品の中では
格段にポップであり、わかりやすい作品です。

その要因としまして
『ミステリー』であるという事が挙げられます。

 とあるホテルで起こった事件。
 自殺として扱われる寸前に出てきた他殺説。
 犯人は必ずこの中にいる。


これだけわかりやすいミステリー要素ってのはないですよね。
軸になっているのが『犯人探し』であり
それにプラスされているのが
トムトム目線で語られる『エロイーズへの恋心』です。
これだけベタなテーマを取り扱うなんて
ヴィム・ヴェンダース作品では珍しいことです。
まあゴリゴリのファンにしてみると
『物足りない』意見もあるようですが・・・



さて話を戻して本作について。
まずは主要人物を何人か紹介。


本作のストーリー・テラー
トム・トムです。
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演じるのはジェレミー・デイビス。
髪型がすげーカワイイですね。似合ってる。
この物語の核となる人物。


彼が恋心を寄せる相手、エロイーズ
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ミラ・ジョヴォヴィッチが演じています。
まー・・・とにかく可愛らしい!
この無造作な髪が素敵なのですが
撮影前に自分でジョキジョキ切ったのだとか。


FBI捜査官をスキナーを演じるのはメル・ギブソン!
million-dollar-hotel02.jpg
まさかのビッグネーム!
アメリカが舞台であることを思い出させてくれます。


これらの登場人物の他に
自称元女優の女や
自称ビートルズの5人目のメンバーだとか
インディアンやら
胡散臭い業界関係者などなど
社会のどこにも属せない
過去や夢や妄想から逃れられない
いかにも友達がいなそうな人々が集う場所。
それがミリオンダラー・ホテルです。
million-dollar-hotel03.jpg



『犯人は誰?』ではなく『物語はどこを目指しているのか?』


この物語は屋上からの飛び降り自殺をきっかけに始まります。
自殺したのは、やはりホテルの住人のイジー。(ティム・ロス!)
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トム・トムの親友でした。
イジーはユダヤ人なのですが
彼の父親は、息子の事件が世間に知られることを恐れます。
なぜなら、ユダヤ教は自殺を禁じているから。

そこそこ地位のある父親にしてみるとなんとも頭の痛い話。
『殺人事件に違いない!』と主張する父親ですが
『どうにか殺人事件として片付けてくれ』という思いが見えます。

スキナー刑事はホテルの住人全てに事情聴取を行い
間違いなくこのホテルに犯人が存在する事を確信します。

さて、このまま犯人探しになるのかと思いきや
この映画はレールを外れていきます。

一癖も二癖もある住人たちは
イジーの死を利用してなんと一儲けしようと企むのです。
違う住人が描いた絵を『イジーの遺作』として画商に売りつけ
見事に騙そうという魂胆。これがまたうまくいっちゃう。

またトム・トムが思いを寄せる女性エロイーズですが
実は精神病院にいた過去があり、現在は娼婦なのです。
そんな彼女を住人たちは冷ややかに扱っているのですが
トム・トムは恋をしているのです。それも真っ直ぐな。
million-dollar-hotel06.jpg
ほんの少しでも話をしたい。
仲良くなりたい。
彼女に触れてみたい。

トム・トムの純粋な想いはこの作品の重要なファクター。
直向きに生きる彼は人々を明るい気持ちにするのですが
その純粋さのせいで人々に利用されてしまいます。
最終的には『殺人犯』に仕立て上げられる始末。

ホテルの住人たちは疑われる事に疲れ
誰が犯人だろうがどうでもいいという
雰囲気になっていくのですが
面倒臭がった結果、トム・トムの純粋な心を利用し
犯人にしてしまおう、そしてこの話を終わらせようと
心無い行動に出るのです。
人間の本性の恐ろしさ。

でもトム・トムにとってはそんな事は些細な問題であり
エロイーズとのささやかなひと時こそが人生のハイライトであると
今を最高に幸せだと感じています。
残酷な展開。ここら辺が観ていて辛いところ。泣ける。
million-dollar-hotel10.jpg




心に突き刺さるラストシーン。『悲しみ』ではなく『痛み』


今まで色々な作品を観てきましたが
全ての映画に共通して好きなシーンというのが
夜明けの映像です。
朝日が昇る前の澄んだ空気
淡いブルーの世界
徐々に明るく照らされていく風景を見ると
その土地の夜明けを擬似体験したような気分になります。

舞台はロサンゼルスの古びたホテルなのですが
ヴィム・ヴェンダースの目に映るアメリカは
まるでアメリカじゃないみたいに見えます。
音楽を担当しているボノのサウンドもどこか空虚で
ここがどこなのかがマヒしてしまう効果がありますね。
(ボノは本作にカメオ出演しています!ヒントは『飲み物』)

本作でいうとオープニングとラストシーン。
million-dollar-hotel04.jpg
美しい青の朝、大げさな名前のホテルの看板
迷いのない青年の走る姿がスローモーションで映し出されます。

ため息が出るほど美しい映像と音楽が調和する神秘的なシーンです。
ここではないどこかに連れて行ってくれるのが
映画の醍醐味だとすると
ヴィム・ヴェンダースはいつだって期待に応えてくれます。

極力ネタバレなしで書きましたが(結構書いちゃってるか)
本作に対する考察は避けようと思います。
『感じる』事が大切な作品のような気がしますので。
他人の意見に左右されずに見て欲しいです。

ミリオンダラー・ホテルは悲しい物語ではなく
『残酷』で『痛み』のある作品。
観たという人と『どう思った?』と話したくなる感じ。

ブルーレイで欲しいんだけどなぁ。。。









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[ 2016/10/01 20:37 ] ドラマ | TB(0) | CM(0)













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